疲れている時、脳内では…
ここ3週間ほど、ほぼ毎日、異様に疲れを感じていて、 特に、夕方、晩御飯を作っている時など 「体がいうことをきかない…」 としんどくなることが多く、困っています。 「足に乳酸が溜まっているわー。」 と表現する、あの感じ… そんな今日び、 「そういえば、ちょっと前に疲れの脳内メカニズムについて調べた論文が出てたなー。」 と思い出し、読んでみました。 アメリカ・ […]
ここ3週間ほど、ほぼ毎日、異様に疲れを感じていて、 特に、夕方、晩御飯を作っている時など 「体がいうことをきかない…」 としんどくなることが多く、困っています。 「足に乳酸が溜まっているわー。」 と表現する、あの感じ… そんな今日び、 「そういえば、ちょっと前に疲れの脳内メカニズムについて調べた論文が出てたなー。」 と思い出し、読んでみました。 アメリカ・ […]
オートファジーは、ノーベル賞を受賞された大隅先生らが酵母で多くの関連遺伝子を同定され、 最近では、発生と分化、がんや神経変性疾患、廊下、免疫応答、抗原提示、細胞死、病原体の排除など、実に多くの機構に関与している事がわかっています [1] 。 現在は30を超えるATG遺伝子が見いだされており、 そのうち、オートファゴソームの形成に必須の遺伝子は18個(atg1-atg10, atg12,-atg14 […]
アルツハイマー病(Alzheimer’s disease, AD)の病理学的特徴としては、 アミロイドβ(Amyloid beta, Aβ)や過リン酸化タウの蓄積、炎症、神経細胞脱落etc.が挙げられますが、 Aβ/タウ → 神経炎症という構図がありました。 今回、アメリカ・Memorial Sloan KetteringがんセンターのLiらの研究グループは、 インターフ […]
脳内には、神経活動の量に合わせて、局所の血流があがる Neurovascular Coupling (NVC) というシステムがあります。 高齢者の方や、アルツハイマー病(Alzheimer’s disease, AD)などの認知症の患者さんの脳内では、このシステムが弱っており、 認知機能低下との関連が注目されています。 今回、アメリカ・コーネル大学のIadecolaらの […]
細胞間同士のナノチューブの存在は、in vitroやex vivoの実験で以前から指摘されていましたが、 今回、カナダ・モンテリオール大学のAlarcon-Martinezらの研究グループは、 マウスの網膜と脳内でペリサイト同士のナノチューブを初めて可視化しました。 ペリサイト同士のナノチューブが見えた! 著者らは、まずペリサイトを蛍光標識したマウス(NG2-DsRed)の網膜内で、 ペリサイト同 […]
「脳」と「腸」の関係は深く、「脳腸相関(gut-brain axis)」と呼ばれています。 脳から投射される神経シグナルは腸管運動に影響して、ストレスで便秘になったり下痢になったりします。 反対に、腸内細菌等、腸の状態によって血液循環中の物質構成比が変化し、脳機能に影響を及ぼすことが知られています。 神経変性疾患の世界では、特にパーキンソン病などのシヌクレイノパチーで、腸から病気が始 […]
以前、p-tau181が血漿サンプルで測定可能で、かなりアルツハイマー病(Alzheimer’s disease, AD)特異的なバイオマーカーになり得る [1, 2]、という話(こちら)をしました。 また、別のタウリン酸化サイト、p-tau217を脳脊髄液(cerebrospinal fluid, CSF)で測定したところ、p-tau181よりも感度・特異度が優れていた [3, 4] […]
進行性核上性麻痺(Progressive supranuclear palsy, PSP)は、 核上性注視障害、姿勢反射障害による易転倒性、認知症などを主症状とする慢性進行性の変性疾患で、 病理学的には、4リピートタウの凝集体(tufted astrocyte)等と特徴とします。 今回、ドイツ・ミュンヘン大学のBrendelらの研究グループは、 PSPのバイオマーカーとして、 18F […]
タウ屋以外の人にとってはちょっとマニアックな話かもしれませんが…… タウP301Sのトランスジェニックマウス [1] やタウオパチー [2] [3] の脳から抽出したタウ凝集体を野生型マウスに接種すると、 レシピエントのマウス脳内でタウ凝集体が伝播していきますが、 合成タウから作製したタウ凝集体を野生型マウスの脳内に接種しても伝播しない [4]、 というのが今まで報告されていました。 &nbs […]
ヒストンは、長いDNAを折りたたんで、核内に収納するという役割が一般的に知られている事ですが、 アメリカ・カリフォルニア大学ロサンゼルス校(UCLA)のKurdistaniらの研究グループは、 ヒストンH3-H4の四量体が、銅イオンの還元化酵素としての役割を持つ、という事を明らかにしました。 タイトルを見たときには 「ふーん、そんな機能もあるんだ。」 と思っただけでしたが、バックグラ […]
以前、孤発性アルツハイマー病(Alzheimer’s disease, AD)で、 アミロイド前駆体蛋白質(Amyloid precursor protein, APP)が、転写後にゲノム遺伝子に挿入されるという現象が多く起こっている、 という論文を紹介しました。 私自身、大変驚いた論文だったのですが、 その現象が、 「他の実験で使われたAPP遺伝子の挿入されたベクターがコンタミしてい […]
”血液脳関門(blood-brain barrier, BBB)”。 高い選択性を持ち、 このバリア機能の為、 血中の多くのタンパクは脳内に移行しない、 と考えられています。 年をとると、このBBBが破綻し、 認知機能障害と相関する、という研究結果が今まで報告されていました1, 2。 今回、アメリカ・スタンフォード大学のWyss-Corayらの研究グループは、 若齢/老齢マウスを使っ […]
脳は、体重の2%程度の重さしかありませんが、体循環の約20%の血流量を必要とします [1] 。 それだけ脳という組織は酸素を必要とする、ということですが、 ドイツのStrakaらの研究グループは、 実際に脳の細胞達がどれくらい活動時に酸素を消費しているか、 直接計測してみたそうです [2] 。 脳の酸素消費量は本当に神経活動量と相関していた 彼らは、アフリカツメガエル(Xenopus Laev […]
死んだ細胞を処理するのは主にミクログリアと考えられていますが、特殊な環境下ではアストロサイトの貪食も確認されていました 1 。 ニューロンが死ぬ時に出す、“eat-me” シグナルの一つにphosphatidylserineがありますが 2, 3 、 そのシグナルをキャッチして細胞骨格を変化するのに必要な Axl や Mertk 等は、ミクログリアにもアストロサイトにも発現 […]
脳内の掃除屋としてのミクログリア。 場合によっては炎症を引き起こし、困ったさんにもなります。 活性化ミクログリアは、その形態を劇的に変化させますが、ここで鍵となるのがサイトケラチンの再構築です。 Rhoa、Rac1、Cdc43などのRhoファミリーは、GTPaseに分類され、 脳内では、サイトケラチンのダイナミックス、ミクログリアの活性化etc.に関与すると言われています [1] 。 […]
同じアルツハイマー病(Alzheimer’s disease, AD) でも、進行の早い人と遅い人がいるのはなぜ? マサチューセッツ工科大学(MIT)/ハーバード大学のHymanらの研究グループは、進行の早い人ADと多いADのサンプルを生化学的に解析し、その理由を追求しました [1]。 同じADでも病気の進行が早かったり遅かったりするのはなぜ? AD進行の多様性について調 […]
昨日、バイオジェンとエーザイがアルツハイマー病 (Alzheimer’s disease, AD) 治療薬としてアデュカヌマブの申請を完了したとアナウンスしました。 承認されれば、ADに対する初の疾患修飾療法(desease-modifying therapy, DMT)となるわけで、注目されます。 このアデュカヌマブは、 昨年3月、第三相試験(EMERGE, ENGAGE)で、 […]
今まで、産後に記憶力や集中力が落ちるという報告があり、それを自覚する女性も多かったんじゃないかと思います。 私も、産後しばらくはぼーっとする事が多く、予定していた仕事の半分も進められないという事がよくありました。 今回、アメリカPurdue大学から出ていた研究では、 産後1年以上経ったお母さん達は、出産していない女性と比べてもそんなに記憶力・注意力の低下はなかったとのこと。 むしろ注 […]
私が研究を始めた頃は、ある疾患からiPS細胞を樹立したり、別の細胞に分化させたりするだけで3大誌に載っていましたが、 今では手軽に購入できるようになり、遺伝子編集も簡単…… そして今回は、 iPS細胞から分化させた内皮細胞、ペリサイト、アストロサイトの3D培養で毛細血管が作れた、 とのこと[1]。 毛細血管を作ってCAAを再現 アメリカ・マサチューセッツ大学(MIT)のTsaiらの研究グループは、 […]
以前、CRISPR-Rxシステムを使ってpolypyrimidine tract-binding protein 1 (Ptbp1) をノックダウンし、 アストログリアを網膜細胞や線条体のドパミン神経細胞(domamin neuron, DA neuron)に変換して機能回復を得られた、 という論文 [1] を紹介しました(こちら)。 今回は、PTBに対するshRNA(shPTB)を […]
アルツハイマー病 (Alzheimer’s disease, AD) の発症率が、住んでいる場所によって変わる? アメリカ・ウィスコンチン大学のKindらの研究グループは、こんな若干ナイーブとも思える問題にメスを入れました。 食事内容、治安、教育の質、健康的な生活習慣、ストレスの程度など、健康障害に直結するファクターの程度は、居住地の貧富によって大きく変わります。 そのような健康格差を […]
アルツハイマー病 (Alzheimer’s disease, AD) では、 アミロイドβ (Amyloid beta, Aβ)の凝集・沈着 タウの細胞内凝集 が2大病理ですが、 細胞内病理の一つとして、エンドソームの膨張も特徴的だとか1。 Aβに関しては、アミロイド前駆蛋白 (Amyloid precursor protein, APP) のトラフィッキングがAβ産生に影響しますが、 […]
シナプトタグミン1 (synaptotagmin-1, syt1) は、カルシウム (Ca2+)センサーとして働き、神経活動によるCa2+の細胞内流入を感知して神経伝達物質を放出する。 このsyt1のヘテロ変異では、様々な程度の神経発達障害が起こる事が知られており、syt1-associated neurodevelopmental disorderと名付けられている (Baker et al., […]
アルツハイマー病 (Alzheimer’s disease, AD) では、アミロイドβ (Amyloid beta, Aβ) プラークと神経原線維変化 (neurofibrillary tangle, NFT) が病理学的な特徴です。 NFTは、過剰にリン酸化したタウが、神経細胞内で凝集して生じますが、 剖検脳の解析(Braak et al., JNEN, 2011; Braak e […]
Cryo-EMで前方側頭葉変性症(FLTD), アルツハイマー病(AD), 慢性外傷性脳症(CTE), 大脳皮質基底核変性症(CBD)のタウを次々と解析している、イギリス・MRC Laboratory of Molecular BiologyのMichel Goedertらのグループから、α-シヌクレイン(α-Syn)のcryo-EM解析結果が報告されました。 MSA由来α-SynのCryo-EM […]
世の中には、たくさん食べても一向に太らず、健康的な人達がいるけれども…… それは、なぜ? カナダ・Brithish Columbia大学 ライフサイエンス研究所のPenningerらの研究グループは、ここに疑問をもち、 エストニアに住む20ー40歳、47,000人の健常な「痩せている人達」のデータを集め、遺伝子解析を行った。 痩せる遺伝子 GWAS解析の結果、それまで報告されていたF […]
前屈症(camptocormia)はパーキンソン病(Parkinson’s disease, PD)の3-17%で発症し、患者のQOLを著しく下げる。 残念なことに、このcamptocormiaは、L-DOPAや脳深部刺激療法(deep brain stimulation, DBS)、ボトックス注射等の効果が芳しくない。 日本では、ウェアリングオフのレスキュー剤として使用されているアポ […]
パーキンソン病 (Parkinson’s disease, PD) などのシヌクレイノパチーでは、α-シヌクレイン (α-Syn) の異常凝集、蓄積が起こる。 α-Synモノマーは脂質に作用してシナプス小胞のトラフィッキングに関与するとも考えられている。 α-Synオリゴマーは、細胞膜やミトコンドリア膜の脂質酸化、ミトコンドリアタンパクの酸化etc.を介して、ミトコンドリアのアポトーシ […]
メラニン凝集ホルモン (melanin-concentration hormone, MCH) 産生細胞は、エネルギーやグルコース代謝に重要な役割を持つ。 今回、ドイツ・Max Planck研究所のBrüningらの研究グループは、 このMCHニューロンが、視床下部-下垂体系にある正中隆起(median eminence, ME) の、タニサイト (tanycytes) や有窓型毛細血管 (fen […]
アルツハイマー病 (Alzheimer’s disease, AD) やパーキンソン病 (Parkinson’s disease, PD) などの神経変性疾患の研究領域では、 異常に凝集したタンパクが細胞内外に蓄積し、病理の進展および神経変性を誘導している、というのが概ねコンセンサスになっています。 このタンパク凝集体の性質を調べる為、多くの研究室では、 患者の脳内から凝集 […]
アポリポプロテインE4(Apolipoprotein E4, APOE4)は、アルツハイマー病(Alzheimer’s disease, AD)の最も強力なリスク因子として知られています。 アミロイドβ(Amyloid beta, Aβ)の産生やタウ病理の増悪因子として有名ですが、血管障害のリスク因子としても多方面から注目されており、多くの報告があります。 アメリカ・南カ […]
子どもは親の気持ちを敏感に察知するもの。。。 ワシントン大学のWatersらのグループは、 7歳から10歳までの子供とその親(N = 214, N = 214; Ndyads = 107; 47% fathers) を対象に、 親がストレスを隠す事がどれくらい子供に影響を与えるか、調べた。 親のストレスは子供に伝わる 107人の親達のうち父親47%、母親53%。 親達はまず別室でストレスのかかるタ […]
Genome-wide association studies (GWAS) により、脳疾患に関連する様々な遺伝子変異が同定された。 しかしながら、single cellでの解析は未開。 そこで、スウェーデンKarolinska研究所のSullivan、Hjerling-Lefflerらの研究グループは、マウスのsingle-cell transcriptomeデータとヒトのGWAS […]
Klotho (KL) は、寿命に関わる膜タンパクとして注目されている。 F352V (rs9536314) とC370S (rs9527025) の二つのミスセンス変異は、機能的ハプロタイプKL-VSとして知られており、Klothoタンパク質の分泌や機能に影響を与える。 このKL-VSのヘテロ接合体(KL-VSHET+)では、血漿中KLレベルが上昇し、ホモ接合体に比べると健康長寿であると報告され […]
脳内のグリア細胞を神経細胞に変化させると、神経変性疾患などで失った神経を補充し、機能改善させる事ができる。 以前、中国の研究グループから、in vitroでpolypyrimidine tract-binding protein 1 (Ptbp1)をノックダウンすると、線維芽細胞などが機能的な神経細胞に変化する事が報告されていた(Xue et al., Cell, 2013)。 今回、中国の別のグ […]
アルツハイマー病(Alzheimer’s disease, AD)や前頭側頭葉変性症(frontotemporal lober degeneration, FTLD)で主要な病的タンパクとして注目されているタウが、細胞間を伝播して脳内を広がっていくことはコンセンサスとなっている。 今まで、ヘパラン硫酸プロテオグリカン(Heparan sulfate proteoglycans, HSP […]