p-tau181

先月のNature Medicineに抱き合わせで発表された、血漿P-tau181に関する報告を2報紹介します。

血漿中P-tau181はADの有望なマーカーとなり得る

スウェーデン・Lund 大学からの報告

1つ目の論文はこちら

(概要)

アルツハイマー病(Alzheimer's disease, AD)では、血漿中のタウ181のリン酸化が増加している模様。

スウェーデンのLund大学のHanelidze, Hanssonらのグループは、認知症無し、軽度認知機能障害(mild cognitive impairment, MCI)、アルツハイマー病(Alzheimer's disease, AD)の被験者589人を対象に、血漿中のP-tau181を測定した。

血漿中P-tau181は、プレクリニカルADで軽度上昇し、MCIや認知症群でさらに上昇した。

血漿中P-tau181の濃度は、脳脊髄液(cerebrospinal fluid, CSF)中のP-tau181の濃度、タウPETの陽性率、Braak stageと正の相関を示した。

アメリカ・カリフォルニア大学サンフランシスコ校からの報告

2つ目の論文はこちら

(概要)

血漿中のバイオマーカー測定は、最近承認された、CSF検査やアミロイドベータ(Amyloid beta, Aβ)PETよりも低侵襲である。

アメリカUCSFのBoxerら、Advancing Research and Treatment for Frontotemporal Lober Degeneration (AFTFL) investigatorsらは、AD/その他のタウオパチー/コントロール群の、血漿中P-tau181濃度を調べた。

AD患者では、血漿中P-tau181がコントロール群に比べて3.5倍高く、他のタウオパチー(CBS, PSP, bvFTD, nfvPPA, svPPA)ではほとんど上がっていなかった。

特にADとFTLDは明確に区別できた。

一方、血漿中ニューロフィラメント軽鎖(Neurofilament light chain, NfL)は、
ADで上昇していたが、他のタウオパチーではもっと上昇しており、ADと他のタウオパチーとの区別はつけられなかった。

血漿中P-tau181は、Braak Stage、アミロイドPET、タウPETと正の相関があった。

My View

先日、血漿中のタウ/NfL/Aβの組み合わせがバイオマーカーとして有効、という報告を読みました(こちら)が、今回の報告を読むと、P-tau181をみれば万事OK、という事のよう。

こっちの方がよさそうだな。

このアッセイは、以前京都府立大の徳田先生たちのラボから報告がありました(Tatebe et al., Bol Neurodegen, 2017)。

この時は、20人のADと15人のコントロール群の血漿中P-tau181を測定し、有意差をもってADで上がっていましたが、若干感度が悪かった様子。

今回は、さらに感度があがっており、他のタウオパチーとも識別可能ということで、かなり有用な印象。

普通に血液でADの診断ができる日がきそうだな。

References

  1. Janelidze, S., Mattsson, N., Palmqvist, S. et al. Plasma P-tau181 in Alzheimer’s disease: relationship to other biomarkers, differential diagnosis, neuropathology and longitudinal progression to Alzheimer’s dementia. Nat Med 26379–386 (2020). https://doi.org/10.1038/s41591-020-0755-1
  2. Thijssen, E.H., La Joie, R., Wolf, A. et al. Diagnostic value of plasma phosphorylated tau181 in Alzheimer’s disease and frontotemporal lobar degeneration. Nat Med 26387–397 (2020). https://doi.org/10.1038/s41591-020-0762-2
  3. Tatebe, H., Kasai, T., Ohmichi, T. et al. Quantification of plasma phosphorylated tau to use as a biomarker for brain Alzheimer pathology: pilot case-control studies including patients with Alzheimer’s disease and down syndrome. Mol Neurodegeneration 1263 (2017). https://doi.org/10.1186/s13024-017-0206-8
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