居住地とADの関係

アルツハイマー病 (Alzheimer's disease, AD) の発症率が、住んでいる場所によって変わる?

アメリカ・ウィスコンチン大学のKindらの研究グループは、こんな若干ナイーブとも思える問題にメスを入れました。

食事内容、治安、教育の質、健康的な生活習慣、ストレスの程度など、健康障害に直結するファクターの程度は、居住地の貧富によって大きく変わります。

そのような健康格差をマップにし、一昨年NEJMに報告していました。

今回は、そのAD版。↓

彼らは、1990年から2016年の間にカリフォルニアとウィスコンチンのADブレインバンクに登録された検体(447人、男性 56%)の居住地を調べ、マップを作成しました。

年齢、性別、死亡年等で補正した結果、低所得者層の多い地域に住んでいた人たちは、脳内のAD病理を多く認めました。

これらの結果から、低所得者地域に住むことは、AD発症と重症化のリスクと結論付けています。

今回の結果は、

  • アメリカの一部のブレインバンクを元に作成されたもので、アメリカ人全体の結果を反映しているわけではない事
  • 検体はブレインバンクの施設に近い人達が多くなっている事
  • データに含まれる富裕層と貧困層の割合が異なる事(富裕層30%、貧困層13%)

等、Limitationもありますが、このような試みを国全体で行う事で、より正確な地理データができあがるんじゃないかと思います。

ADになるかならないか、経済的なファクターが影響するかも、と思うとちょっと切ないですが、

ADは第3の糖尿病と言われるように、生活習慣との関連が深いし、多分事実なんじゃないかと思います。

行政の関与も重要、という事ですね。

References

  1. Powell WR, Buckingham WR, Larson JL, et al. Association of Neighborhood-Level Disadvantage With Alzheimer Disease Neuropathology. JAMA Netw Open. 2020;3(6):e207559. doi: 10.1001/jamanetworkopen.2020.7559
  2. Kind AJH, Buckingham WR. Making Neighborhood-Disadvantage Metrics Accessible - The Neighborhood Atlas. N Engl J Med. 2018;378(26):2456-2458. doi: 10.1056/NEJMp1802313
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