CITIプログラム

私の所属する大学の必須トレーニングの一つに、Responsible Conduct of Research (RCR) についてのトレーニングがあります。

CITIという機関のRCRプログラムを受け、合格すると証書が与えられます。

CITIプログラムの中のResponsible Conduct of Researchのテーマは、全部で9つのコースがあり、すべてパスしなければなりません。

今回は、「Authorship(オーサーシップ)」についてです。

Authorship(オーサーシップ)

共著に入っている論文がどれだけあるかは、研究キャリアを積む上でかなり重要な要素となります。

が、Authorshipについての、はっきりとした規定は、まだないそうです。

ただし、世の中の共通のルールというものはあり、

各ジャーナルでもある程度定義されています。

共著者は、全員、その論文の内容の全てに責任を追う

例えば後から捏造・改竄・盗用の問題が上がった場合、論文に載っているAuthor全員に責任があり、処罰の対象となり得る。

共著に入るべき人

<研究中>

  • 研究のデザインをした人
  • データを解析した人
  • 研究遂行の上でディスカッションなどに関わった人

<執筆中>

  • 原稿を書いた人
  • 原稿内で、重要な点を指摘し、論文の質の向上に大きく貢献した人

<論文投稿中>

  • Publicationの内容として最終的に同意した人

<論文投稿後>

  • Publication後、その論文の全てに責任を追う人

共著に入るべきでない人

※ 「知識」や「知恵」などのリソースを提供した人にAuthorshipの権利がある

  • MaterialやTequniqueを提供しただけでは、Authorshipとして不十分
  • その研究の研究資金を提供しただけでも不十分
  • 共著者の上司というだけで共著に入る事はできない

NGなAuthorship

<Ghost author>

論文を書いた人が共著者に入っていない

<Honorary or Gift Authorship>

研究や論文作成に全く関わっていないのに、共著者に入っている

その研究室の上司だったり、学位論文が必要な大学院生だったり

その論文はPublicationに値するか

研究を遂行し、色々な人とディスカッションする上で、研究の方向性が変わってくることもある。

その際、もとは同じ研究内容を2つに分けて投稿し、1st Authorの名前を別の人に宛がうなどしてはならない。

論文の質を維持する事を第一の目的とすべし。

事前の話し合い

Authoshipのトラブルは大きくなりやすいので、共同研究を始めたり、アドバイスや助けを求めたりする段階で、Authorshipについて話し合っておく必要がある。

特に、言葉や文化の違う人達で共同研究する場合、論文投稿の段階になって知らない人が共著に入っているなどの事例が多い。

重複Publicationについて

基本的に同じ内容の論文を別の雑誌に投稿してはならない。

例外としては、

  • 別の国の言葉に翻訳し、その国の雑誌から出版する場合
  • 対象となる読者が違う雑誌で、内容を変更して出版する場合
  • あるテーマをもとに集めた論文集として出版する場合

etc...

その際、必ず、著者全員の透明性を確保する。

My View

今所属している研究室は、Authorshipについて厳格ですっきりしていますが、

日本で研究していた時は、

「これってGift Authorshipじゃ…」

と思う事例を多く経験しました。

 

先にも書きましたが、

Authorshipは、研究に携わる人達の人生やラボの運営維持etc.にとって非常に大きな意味を持つため、

上司がGift Authorshipでなんとかしようとしている場合、

下から声を上げることは難しかったです。

 

でも、もし、いつか独立する事があったら、

研究に関わった人達全員がすっきりするような

透明性のあるAuthorshipを心がけたいと思います。

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