John brown's baby

うちの子供達のピアノの先生はジャズ音楽が専門で、子供たちにもコードを教えてくれています。

「習い事って続くかしら……」

と心配していましたが、意外にもみんなある程度ちゃんと練習していて、毎回progressしているように見えます。

私も子供の頃ずっとピアノを習っていましたが、練習ゼロでレッスンに臨んだ日も数しれなかったので、

「子供なのによくそんなちゃんと練習できるもんだなー。」

と逆に関心しています。

 

 

そんなある日の事、

長男(11歳)が、先生から新しい曲をもらって練習を始めました。

譜面はメロディーとコードだけで、それを元に適当に(?)伴奏をつけて弾きます。

彼はかなり壮大な伴奏をつけて弾いていましたが、そのメロディーに聞き覚えがあり、私は思わず口遊みました。

 

「ごんべえさんの赤ちゃんが風邪引いた~♪」

 

すると子供たちが一斉に振り返り、

子供たち「何その歌!?」

と驚きの眼差しで聞いてきました。

 

「え?この歌、知らない?」

と、逆に驚きながら、私は全歌詞を歌い上げました。

♪ 権兵衛さんの赤ちゃんが風引いた
権兵衛さんの赤ちゃんが風引いた
権兵衛さんの赤ちゃんが風引いた
そこで慌てて湿布した ♪

子供たちは興味津々。

子供たち「なんで風邪引いて湿布するの!?ふざけてるの?」

 

確かに。

私も子供の頃、同じ疑問を持ちましたが、

「慌てててトンデモナイ間違いをしちゃったんだろう。」

くらいに考えていました。

 

でもそう言えば、この曲はアメリカでも聞いた事があります。

特に記憶に残っているフレーズは同じ曲調で、

♪ Glory, Glory, Hallelujah
Glory, Glory, Hallelujah
Glory, Glory, Hallelujah
His soul goes marching on ♪

と歌い上げている所。

歌詞から察するに、これはちゃんとした讃歌のようです。

また日本では他にも、「友達讃歌」のメロディーが同じ旋律で歌われています。

でもやっぱり馴染みがあるのは

「ごんべえさんの赤ちゃんが風邪引いた~♪」

という歌詞。

どうして日本ではこんなふざけた歌詞で歌われているのか、子供たちから催促されるまま、インターネットで調べました。

John Brown's Body(リパブリック讃歌)

元々この曲は、南北戦争中に歌われていた行進曲で、1862年に歌詞が付けられ、アメリカ愛国歌「リパブリック讃歌(The Battle Hymn of the Republic」として歌われてきました。

全歌詞は下記▼

John Brown's body

John Brown's body lies a-moldering in the grave
John Brown's body lies a-moldering in the grave
John Brown's body lies a-moldering in the grave
But his soul goes marching on

The stars above in Heaven are looking kindly down
The stars above in Heaven are looking kindly down
The stars above in Heaven are looking kindly down
On the grave of old John Brown

Glory, Glory, Hallelujah
Glory, Glory, Hallelujah
Glory, Glory, Hallelujah
His soul goes marching on

He captured Harper's Ferry with his nineteen men so true
He frightened old Virginia till she trembled through and through
They hung him for a traitor, they themselves the traitor crew
But his soul goes marching on

Glory, Glory, Hallelujah
Glory, Glory, Hallelujah
Glory, Glory, Hallelujah
His soul goes marching on

John Brown とは、南北戦争直前の1850年代にアメリカで活躍した活動家。

歌の中では、

「John Brown の亡骸は墓の中にあるが、彼の魂は行進し続ける」

と歌われていて、志の高い彼の活動と精神を讃えた内容でした。

アメリカでの替え歌:Jorn Brown's baby

で、その後、この壮大な歌詞をrhymeした替え歌が作られ、人々の間で歌われるようになりました。

John Brown's Baby

John Brown's baby
has a cold upon its chest

John Brown's baby
has a cold upon its chest

John Brown's baby
has a cold upon its chest

And they rubbed it with camphorated oil.

内容は、

「John Brown の赤ちゃんが風引いたので、樟脳油(camphorated oil)を塗った」

というのもの。

アメリカでは以前、風邪を引いて咳のある子供の胸に樟脳油を塗って症状緩和を図る、という習慣がありました。

(現在は、樟脳を食べた子供が死亡した例もあり、経皮吸収もされるので、子供が風邪を引いても樟脳油を塗らないように警告されているようです。)

この歌がそのまま日本に輸入されたわけですが、この時日本では樟脳油を胸に塗るという習慣がなかったので、

「湿布を貼った」

というふうに訳されたようです。

 

意外と忠実に和訳されていて、

全然関係のないところから権兵衛さんにとんでもない行動をとらせて笑いをとろうとした歌ではなかったようです。

John Brown の赤ちゃんが風邪引いた

子供たちは、こちらの替え歌

「John Brown の赤ちゃんが風邪引いた~♪」

を大変気に入りました。

 

「John Brown はきっと Peanuts(スヌーピーのお話)に出てくる Charlie Brown のおじいさんの事だよ。」

charlie-brown

という事になり、しばらくみんなで

「John Brown の赤ちゃんが風邪引いた~♪」

と大合唱していました。

 

……日本に帰ったら、「ごんべえさんの赤ちゃん」に戻してもらえるかなー。

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