自動車事故

先日、廃車が決定した我が家の愛車 ▼

車社会のアメリカでいつまでもレンタカーを乗り継いでいるわけにはいかず、

感傷に浸るまもなく、次の車を探さねばなりません。

 

最初は、

「もうあと1年半くらいで日本に帰るし、リースがいいんじゃないかな。」

と考えていましたが、Takに相談すると

「1年半のリースなんてないと思うよ。だいたい3年くらいが多い。

購入した車は帰国する時に売ってある程度お金が戻ってくるんだから、車を買った方がいいよ。」

とのこと。

 

とゆーことで、中古車を購入することにしました。

中古車を選ぶ

事故った車はホンダのPilotでしたが、特にホンダに思い入れがあったというわけではなく、

アメリカに来たばかりの時に世話をしてくれた不動産関係の人がホンダと繋がりがあり、半ば強制的にホンダの車を選択させられた、という感じでした。

 

これを機会にトヨタなど、今まで馴染みのあった車を選ぼうかとも思いましたが、

色々疲れていたので、結局最初に車を購入したホンダのお店で、一回り小さいSUV車を買うことにしました。

 

子供が3人いるので、後部座席とトランクは大きいものを……ということで、ホンダのCR-Vに目星をつけました。

 

携帯で価格を調べると、かなり割引されている様子。

Takに聞くと、

「月末は、奴らも目標額を達成する必要があるから、結構値引きされていることが多いんだ。」

とのこと。

買い物の常識?根切り交渉

Tak「いいか、車を買うときは相手の言いなりになるんじゃなくて、できる限り値切るんだ。

奴らは自分たちの利益が第一で、君たちのことなんて考えていない。

『このあたりにはディーラーはいくらでもあるから、そっちで買うことにする』

と言って、できるだけ安くしてもらうんだ。」

 

なんと……こっちで色々とカモにされてきたとは思っていましたが、

今回は逆に「値切り交渉」を半ば強制される形に……

 

医者で研究者という、かなり世間知らずなキャリアを歩んできた私たち……根切り交渉などしたことがありません。

とゆーか、そんな事は一生できないと思っていました。

 

「今後もお世話になることだし、あんまりいうと向こうも気を悪くしそうだし……」

 

と、案の定尻込みしている夫でしたが、

その隣で、私はつい先日読んだ、「3000人のユダヤ人にYESと言わせた技術」という本の内容を思い出していました。

 

その本はにはビジネスでの交渉術について色々と書かれてありましたが、物の売買での駆け引きの他、

「日本人はお金におおらか過ぎる傾向にあるが、これは決して美徳ではなく、外国人からは見下される対象となる」

という内容の記述もありました。

 

―― 本だけ読んでいても行動しなければ意味がない。素人過ぎて怖いけど、頑張って交渉してみよう。」

と、私は密かに闘志を燃やし始めました。

生まれて始めての根切り交渉

私達はいくつかの車を試乗しましたが、

その車たちの窓に貼られている情報を写真に撮影し、私は次々とTakに送っていきました。

 

その情報を元に、TakはNADAで大体の車の価値を算出し、私に送り返してくれました。

 

また、ある車のナビゲーションスクリーンにちょっとしたヒビを見つけたので、それを写真に撮ってTakに送ると、

「スクリーンの修理代は724ドル。laborを加算して800ドル(約88,000円)値下げするように交渉するんだ。」

とアドバイスされました。

 

やっぱり情報は大事。

今までの自分がいかに情弱だったか思い知らされます。

 

その後も色々と検討し、

私達は2015年のホンダCR-V(店頭表示価格:17,995ドル)を購入することにしました。

 

さて、購入する車が決まり、私達はディーラーのオフィスに通されました。

椅子に座り、まずは車の金額を聞きます。

 

私の第一声は、

「それで、どれくらい安くしてもらえるのかしら?」

でした。

 

これが適切な言葉だったかどうか、全く自信がありませんでしたが、相手は私の目をじっと見て、そしてPC画面に向き直りました。

 

相手は、PCのキーボードをカタカタ叩いて計算し、金額を提示してきました。

その金額は、15,850ドル で、ネットで提示されていた価格と同じでした。

 

「15,000ドルに下げられる?」

 

この金額が適切なのかどうか、全くわかりませんでしたが、単純にキリのいい数字が頭に浮かんだだけでした。

 

ディーラーはすぐに席を立ち、別の場所に行ってしまいました。

 

「大丈夫?」

「わからない」

 

心の中は「こんな素人が交渉できる気がしない」と不安だらけでしたが、幸いな事に今はコロナ禍でマスクをつけているので、表情を読み取られず、かなりハードルがさがりました。

 

しばらくして、ディーラーが戻ってきました。

 

ディーラー「15,650 + 税でどう?」

「(あ、そうか、税金がかかるのね……)税込みで15,500ドルは?」

ディーラー「そんなの無理だ!税金だけで933ドルだぞ!」

「(あ、ちょっと怒った。これ以上は無理って事かな。)わかった。15,500ドル + 税ならいい?」

 

ディーラーは、私の目をしっかりと見つめながら話続け、私もディーラーの目を見ながら話しました。

私的には、交渉も英語も素人で、相手にしてくれるのかどうか不安だらけでしたが、

意外にも、ディーラーは本気で私と交渉してくれている印象でした。

 

ディーラー「わかった。じゃあ、15,500ドル + 税930ドル + 登録料529ドルで、合計16,959ドルだ。」

「ちょっと待って。この紙に全部書いてもらえる?」

 

私は、ディーラーに書いてもらった数字を、すぐにTakにテキストしました。

 

「15,500ドルの車の税金って、どれくらい?」

Tak「x0.6%、15,500ドルだったら930ドルだ。」

「登録料は529ドルだけど、相場?」

Tak「だいたいそれくらい。」

 

税金も登録料も、Takからの情報と同じだったので、私達は合意しました。

 

TakがNADAで算出したこの車の価値は、16,375ドルでした。税金と登録料を計算すると、17,887ドルということになります。

店頭表示価格は、17,995ドル。税金と登録料を入れると、19,604ドルです。

ディーラーが最初に提示した価格は、15,850ドル + 税951ドル + 登録料529ドル = 17,330ドル ということだったので、相場よりは安くしてもらっていました。

 

そして、最終合意した金額は、15,500ドル + 税930ドル + 登録料529ドル = 16,959ドル

最初の提示価格からは4万円ほど、相場からすると10万円以上、店頭表示価格からは30万円近く安くできた計算になります。

 

「月末はノルマを達成するために奴らは一台でも多く売りたいんだ」

というTakの言葉は本当のように思いました。

 

普通に考えれば

  • 車が無くなった
  • 就学児が3人おり、送り迎えに車が必要
  • 他のディーラーの事はよく知らない
  • アメリカの常識をよく知らない

というかなり弱いカードばかりで、

「値下げなんて無理!」

と一蹴すれば簡単に引き下がるような、世間知らず日本人の私でしたが、

相手のディーラーはそんな強引なことはせず、私と対等に話し合ってくれました。

 

「上手な人だったらもっと色々できたんだろうけど、私にはこれが精一杯だな。

あるいは、私の方は交渉できたつもりでも、実は今回もカモにされた、という事もあり得る……」

と思いながら、私はTakに最終結果を報告しました。

 

Tak「凄いぞ!これは良い価格だ!よく頑張った!」

 

Takはテキストで何度も褒めてくれました。

私はそこで始めて、

「ああ、ちゃんと交渉できたんだ。」

と思いました。

 

その後、事務手続きを済ませて建物の外に出ると、あたりはかなり暗くなっていました。

「やっと家に帰れる!」

と叫んでいる子供達を促し、私達は新しく購入した車に乗り込みました。

 

今回学んだ事
  • こちらから切り出さなければ交渉は始まらない。
  • 相手の目をしっかりみて話せば、対等に話してもらえる。
  • 失敗しても死ぬことはなく、何らかの学びが得られるはず。まずはトライ!
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