COVID Vaccine

アメリカでは今、約半数の国民が COVID ワクチンの接種が終了し、マスクの規制も緩和されました。

ワクチン接種の優先順位は、医療従事者、お年寄り…その他、という感じ。

臨床系のラボは、全員がワクチン接種し、通常運営に切り替わったようですが、

私達のいる基礎系のラボは、なかなか順番が回ってこず、結局、全員が解禁になる直前にやっと順番が回ってきました。

 

ところが、ワクチン接種予定日に急遽大事なミーティングが入ってしまい、私は受診をキャンセルしてしまいました。

「キャンセルした人は次のアポイントメントの案内の電話を待つように。」

と言われ、電話を待っていましたが、一向にかかってきません……

そんな折、子どもたちの通う日本語補習校からもワクチンの案内が届きました。

大学の再アポイントメントはいつになるかわからなかったので、そちらの方に申し込んで、週末ワクチン接種に行ってきました。

 

調剤薬局でワクチン接種

アポイントメント当日、街の中心の黒人街にある、閉鎖中の調剤薬局に向かいました。

ワクチン接種場所

中に入ると、Paul という陽気な白人のおじさんが出てきて、いろいろ案内してくれました。

Paul「このあたりマリファナの匂いがするでしょ、ごめんね。」

「このあたりは危険なところなの?」

Paul「まあ、見方によってはそうかな?この間も1ブロック先でご近所トラブルで発砲してたからなー、ははは。」

「マジ!?十分危険じゃん……」

 

そんな話をしながら、私は問診票に必要事項を記入し、運転免許証と保険証を提出……待合室で順番を待ちました。

 

しばらくすると、別の男の人がやってきて、別室に案内されました。

「僕は Alex。よろしくね。僕は今、日本語を勉強中なんだよ。だからちょっと日本語わかるよ。『コニチワ』『ダイジョブ?』」

「おー、日本語上手!」

 

その間、おもむろに注射の準備をする Alex……

「やっぱり注射は怖いわ……」

Alex「そんなことないよ。1回目の注射はちょっとヒリヒリするくらい。2回目は熱が出たりするから、翌日は欠勤届を出しておいたほうがいいかもね。」

「へーそーなんだー」

Alex「まあ、1回目で困った事はほとんど起こらないから大丈夫。ところで、君は何年くらい英語を勉強しているの?」

「え、えーと……何年だっけ……」

 

私が、何年英語を勉強しているか考え始めた瞬間、左腕に微かな鈍痛を覚えました。

Alex「はい、終わったよ。」

「え!?いつ!?」

 

……という感じで、私が「1年、2年……」と計算に気を取られている間に、予防接種は終わってしまいました。

「凄すぎる!チクリともしなかった!!」

Alex「ね、痛くなかったでしょ?」

 

私が感動しながら部屋を出ると、再びPaul がやってきました。

Paul「やあ、ドーナツ食べる?ワクチンが終わったら15分副反応をみないといけないでしょ?僕が特別にVIP ルームに案内してあげるよ。」

言われるまま、 VIP ルームという名の給湯室に入ると、Paul がコーヒーを入れてくれました。

Paul「僕は薬剤師で、さっき注射を打った人が、僕の息子の Alex。親子なのに似てないでしょ?ところで君は何の仕事をしているの?」

などと世間話が始まり、私は Paul とお互いの身の上について話し合いました。

しばらくすると、近藤さんという日本人夫婦もやってきて、この施設について教えてもらいました。

 

話をまとめると……

  • Paul の息子 Alex と、近藤さん夫婦の息子が親友同士で、お互い家族ぐるみの付き合いをしている。
  • Alex は薬局に勤めていて、そこにくるお客さんに COVIDワクチンを提供している
  • 日本人夫婦はフィラデルフィアの日本人組織(JAGP)のメンバーで、Paul と Alex に頼み、日本人に COVIDワクチン接種の環境を提供している

とのこと。

つまり彼らの親切心のお陰で、私もやっと1回目のワクチン接種を受けられた、というわけでした。

 

ワクチンの副反応の観察時間は15分と言われていましたが、私はその VIP ルームに1時間近く長居してしまいました。

(その間、予防接種を受けにきた他の人たちは、次々に帰っていきました……)

 

Paul から

「じゃあ、また21日後(2回めのワクチン接種)に会おうね!」

と声をかけられ、私は温かい気持ちで建物を後にしました。