hospital

彼が再び眠りについた後、静かに時が流れていきました。

 

「うーん……。あ、お母さん。」

久しぶりに、彼の口からはっきりとした声を聞きました。

 

「手術終わったよ。気分はどう?」

私が尋ねると、彼は

「うん。大丈夫だよ。」

と答えました。

 

看護師さんを呼んで体を起こしてもらうと、少しふらつきましたが、嘔気はほとんどないとのこと。

形成の術後にここまで状態が良くなるとは予想していませんでした。

 

「まだお腹の動きが弱いから、お水は口をゆすぐだけにしてね。」

看護師さんから言われ、彼は

「はーい。」

と答えていました。

 

「手術、よく頑張ったね。偉かったね。」

と声をかけると、彼は、

「うーん、僕、眠ってたから、頑張ったかどうかわからないよ。でも、顔の骨を折っちゃったって言われたよ。◯◯くんは石頭だなぁ。」

と、飄々と答えました。

 



 

―― このままMRIの所見がなければよかったのに。

彼の症状が改善してほっとする一方で、胸中の不安は、寄せては返す波のように、動き続けていました。

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