ナイアシン受容体のHCAR2がミクログリアを活性化し、ADに保護的に働く 更新日:2023年5月11日 公開日:2022年4月30日 Original Article ビタミンB群が神経保護的に働く事は時々聞きますが、その中の1つであるナイアシンは、ビタミンB3に該当し、ニコチン酸(nicotinic acid)とニコチンアミド(nicotinamide)の総称になります。 ニコチン酸 […] 続きを読む
髄液中の可溶性TAM受容体(sAXLとsTyro3)はアルツハイマー病のバイオマーカーになり得るか 更新日:2023年5月11日 公開日:2022年4月22日 Original Article 神経炎症は、アルツハイマー病(Alzheimer's disease, AD)を含む多くの神経変性疾患で認める初見で、病態との関連も多く報告されています。 炎症を語る上で外せない細胞の1つがミクログリアですが、そのミクロ […] 続きを読む
神経変性疾患の新たなキープレイヤー!?③:FTLD-TDPにみられるアミロイドフィブリルはTDP-43じゃなくてTMEM106B!? 更新日:2023年5月11日 公開日:2022年4月10日 Original Article TMEM106B凝集体のcryo-EM解析第3段。 前回までのおさらいですが、最近、TMEM106B凝集体に関する論文がCellに1報、Natureに2報掲載されました。 Cellの論文は、アメリカ・コロンビア大学のDr […] 続きを読む
神経変性疾患の新たなキープレイヤー!?②:TMEM106Bの凝集体は神経疾患の他、健常高齢者脳内でも観察される 更新日:2022年4月7日 公開日:2022年4月6日 Original Article 前回 [1] に引き続き、 TMEM106Bに関する論文。 今回は、Nature誌に掲載された、イギリス・MRC研究所のDr. Goedert、Dr. Scheresらの研究グループからで、色々な神経変性疾患の他、健常高 […] 続きを読む
神経変性疾患の新たなキープレイヤー!?①:TMEM106Bの凝集体が色々な変性疾患で観察される 更新日:2022年4月4日 公開日:2022年4月2日 Original Article 先日、TMEM106Bに関する驚きの論文がCellに1報、Natureに2報掲載されました。 Cellの論文は、アメリカ・コロンビア大学のDr.Fitzpatric、カナダ・英コロンビア大学のDr.Mackenzieらの […] 続きを読む
Glymphaticドレナージは細胞外タウを洗い流して、タウ凝集化や神経障害を防ぐ 更新日:2022年4月2日 公開日:2022年3月29日 Original Article 私達の脳は液体で満たされており、 脳の間質内:脳間質液(interstitial fluid, ISF) 脳室や脳周囲:脳脊髄液(cerebrospinal fluid, CSF) と名付けられています。 ISFは、間質 […] 続きを読む
CSF中sTREM2から、ミクログリアの善戦の跡を垣間見る 更新日:2022年3月26日 公開日:2022年3月25日 Original Article TREM2 (triggering receptor expressed on myeloid cell 2) は、脳内では主にミクログリアに発現する膜貫通型の糖蛋白です。 このTREM2をコードする遺伝子TREM2の点 […] 続きを読む
PSPとCBDの脊髄にTDP-43病理 更新日:2022年3月25日 公開日:2022年3月21日 Original Article 前頭側頭葉変性症(Frontotemporal lobar degeneration, FTLD) は、人格変化、情動異常、言語障害などを特徴とする認知症の1つで、若年性認知症(65歳以下)の症例数としては、アルツハイマ […] 続きを読む
リコンビナントのタウでも本物に近い構造の凝集体が作れる 更新日:2022年3月25日 公開日:2022年3月17日 Original Article タウは微小管結合タンパクで、その異常凝集体はアルツハイマー病(Alzheimer's disease, AD)の主要病理の1つと言われています。 他にも、前頭側頭型認知症(frontotemporal dementia, […] 続きを読む
保護中: 閉経後の女性に朗報?FSHを抑えてアルツハイマー病を防ぐ 更新日:2024年6月24日 公開日:2022年3月13日 Original Article この投稿はパスワードで保護されているため抜粋文はありません。 続きを読む
変異GCaseはシャペロン介在性オートファジーを阻害する 更新日:2024年2月3日 公開日:2022年3月9日 Original Article ゴーシェ病の原因遺伝子 GBA1。 GBA1 はリソソーム脂質加水分解酵素グルコセレブロシダーゼ(Glucocerebrosidase, GCase)をコードする遺伝子で [1] 、GBA1のホモ変異でGCaseの活性が […] 続きを読む
タウのインターラクトームマップ 更新日:2022年3月8日 公開日:2022年3月5日 Original Article タウは、アルツハイマー病(Alzheimer's disease, AD)の主要病理の1つである神経原線維変化(neurofibrillary tangles, NFT)の構成タンパクの1つで、これまでに色々なタンパクと […] 続きを読む
進行の早いアルツハイマー病のタウの構造の違いを間接的に検証 更新日:2022年3月3日 公開日:2022年1月20日 Original Article アルツハイマー病(Alzheimer's disease, AD)は、認知症をきたす疾患の中で最も症例の多い疾患ですが、同じADでも、10年以上かけてゆっくり進行するタイプもあれば、発症から数ヶ月~1年程度で急激に症状が […] 続きを読む
Aβ38が多いと認知機能低下がマイルド 更新日:2022年3月3日 公開日:2022年1月16日 Original Article アルツハイマー病 (Alzheimer's disease, AD) の主要病理の1つ、アミロイドβ (Amyloid beta, Aβ) 。 Aβは、アミロイド前駆蛋白 (Amyloid precursor prote […] 続きを読む
Aβがp181タウとp217タウを誘導する 更新日:2022年3月3日 公開日:2022年1月12日 Original Article アルツハイマー病(Alzheimer's disease, AD)の2大病理といえば「アミロイドβ(Amyloid beta, Aβ)」と「タウ」ですが、 この2つの病理はどちらが先か、という議論は以前から続いていました […] 続きを読む
加齢による炎症増加のメカニズムに核ラミナの減少が関与 更新日:2024年2月3日 公開日:2022年1月8日 Original Article 加齢による慢性炎症は、アルツハイマー病やパーキンソン病などの神経変性疾患と密接に関係しており、 炎症がこれら変性疾患の二次的変化だけでなく、増悪因子として働く事は周知の事実だと思います。 でも、どうして歳をとると慢性炎症 […] 続きを読む
運動すると血漿中のクラステリンによって脳の炎症が抑えられ、認知機能がUPする 更新日:2022年3月3日 公開日:2021年12月23日 Original Article 運動の認知機能等に対する効果については、このブログでも何度かとりあげてきました。 運動がアルツハイマー病(Alzheimer's disease, AD)などの変性疾患病理を抑えたり神経新生を促したりして、認知機能を保つ […] 続きを読む
記憶の固定化には2日目の睡眠も大事みたい 更新日:2022年3月3日 公開日:2021年12月11日 Original Article 私が大学生の頃、よく一夜漬けで勉強し、後から後悔していました。 テスト初日はなんとかなっても、2日目、3日目となるとそうはいかない…… 後に「記憶の固定にはその日の睡眠が重要」ということを知り、「やっぱりなー」と腑に落ち […] 続きを読む
グリアを神経に変えて病気を治す…という論文には間違いがあったらしいーその2 更新日:2022年3月3日 公開日:2021年12月7日 Original Article 先日、「アデノ随伴ウイルスベクターを使ってNeuroD1を過剰発現させ、アストロサイトをニューロンに形質転換する」という論文の間違いについて取り上げましたが [1]、 今回は「レンチウイルスで同じNeuroD1を過剰発現 […] 続きを読む
ミクログリアはAβの伝播にも関与する? 更新日:2024年2月3日 公開日:2021年12月3日 Original Article 先日、ミクログリアがタウの伝播に一役買っているかも…という内容の論文 [1] を紹介しましたが、 今回はアミロイドβ(Amyloid beta, Aβ)の話。 ドイツ・Freiburg大学の Dr. Meyer-Lueh […] 続きを読む
タウ+ニューロンを貪食したミクログリアは、お腹いっぱいになるとそれを吐き出してタウ伝播に一役買ってしまう…… 更新日:2022年3月3日 公開日:2021年11月29日 Original Article 脳のお掃除屋さんのミクログリア。 アミロイドβ(Amyloid beta, Aβ)とかタウとか、脳内で蓄積すると困るタンパク達を貪食して除去しようとしてくれていますが、反面、活性化したミクログリアが炎症性サイトカインを出 […] 続きを読む
Aβ蓄積と睡眠不足との関係に視床網様核が関与する 更新日:2022年3月3日 公開日:2021年11月25日 Original Article 睡眠不足とアルツハイマー病(Alzheimer's disease, AD)との関係については、以前から研究されており [1, 2]、 このブログでも以前、 「睡眠不足になるとアミロイドβ(Amyloid beta, A […] 続きを読む
コロナ後遺症「ブレインフォグ」の原因?新型コロナウイルス感染で脳の微小血管が障害される 更新日:2022年3月3日 公開日:2021年11月21日 Original Article 新型コロナウイルス(SARS-Cov-2)の脳内感染等についてはこのブログでも何度か取り上げましたが、 現在、新型コロナウイルス感染後遺症の一つ「ブレインフォグ(brain fog)」に悩まされている人が多いという現状を […] 続きを読む
黒質のドパミン神経特異的にミトコンドリア機能を阻害したら、パーキンソン病の各症状が順に現れる 更新日:2024年2月3日 公開日:2021年11月17日 Original Article パーキンソン病(Parkinson's disease, PD)の原因には、遺伝要因の他に環境要因も示唆されています [1, 2]。 有名なのは、農薬の一種であるロテノン(rotenone)や、合成麻薬の成分の一つである […] 続きを読む
タスクフォーカスのトレーニングをしたら頭がキレッキレになる……ということをマウスで実証 更新日:2022年3月3日 公開日:2021年11月13日 Original Article 「余計な事に気をとられず、タスクフォーカスしたい!」と思っているのは、私だけじゃないはず… 世の中にはタスクフォーカスのトレーニング法の本なども多数出版されており、需要は多いんじゃないかと思います。 時々「今日は集中でき […] 続きを読む
保護中: TRIP12によるGcaseのユビキチン化がPD病理を促進する 更新日:2024年6月24日 公開日:2021年11月9日 Original Article この投稿はパスワードで保護されているため抜粋文はありません。 続きを読む
ウイルス蛋白が凝集体伝播を促す? 更新日:2024年2月3日 公開日:2021年11月5日 Original Article 1997年、「狂牛病やクロイツフェルト・ヤコブ病(Creutzheldt-Jakob disease, CJD)ではプリオン蛋白が細胞間を伝播して病態を広げていく」という事を見出した Dr. Prusiner がノーベル […] 続きを読む
アデュカヌマブを投与してもよい人は驚くほど少ない 更新日:2024年2月7日 公開日:2021年11月1日 Original Article Accelerated Approval Pathway で FDA の承認を受けたアデュカヌマブ。 この動きに乗って、その他のAβ抗体(レカネマブ(エーザイ/バイオジェン)、ドナネマブ(イーライリリー)、ガンテネルマブ […] 続きを読む
FDG-PETは、神経変性だけじゃなくミクログリアの糖代謝も反映していた 更新日:2022年3月3日 公開日:2021年10月28日 Original Article 先日に引き続き、ミクログリアのイメージングのお話。 アルツハイマー病(Alzheimer's disease, AD)の診断をつける上で、画像データは欠かせませんが、だいたい single-photon emission […] 続きを読む
活性化ミクログリアがタウ病理の広がりを介在する……かも 更新日:2022年3月3日 公開日:2021年10月24日 Original Article アルツハイマー病(Alzheimer's disease, AD)の代表的な病理といえば、 アミロイドβ(Amyloid beta, Aβ) タウ 神経炎症 血管病変 神経障害 などが挙げられるかと思います。 これらの変 […] 続きを読む
グリアを神経に変えて病気を治す……という論文には間違いがあったらしい 更新日:2022年3月3日 公開日:2021年10月20日 Original Article 以前このブログで、「グリアに遺伝子改変操作を加えて機能性ニューロンに変化させる」という内容の論文を紹介しました。 上記2つはマウスのPtbp1をノックダウンしてアストロサイトをニューロンに変える [1, 2] という方法 […] 続きを読む
タウフィラメントの構造でタウオパチーを分類する 更新日:2022年3月3日 公開日:2021年10月16日 Original Article クライオ電子顕微鏡法(cryo-electron microscopy, cryo-EM)でのフィラメント構造解析については、このブログでも何回かとりあげました。 主に、イギリス・MRC分子生物学研究所の […] 続きを読む
ミクログリアはナノチューブを介して、お隣さんにα-synをおすそ分けする 更新日:2024年2月3日 公開日:2021年10月8日 Original Article ミクログリアは脳内のお掃除屋さんで、アミロイドβ(Amyloid beta, Aβ)、タウ、αシヌクレイン(α-synuclein, α-syn)など、神経変性疾患に関わる様々な病的蛋白を貪食・分解・除去してくれています […] 続きを読む
もっと大規模な、ADのGWAS解析 更新日:2022年3月3日 公開日:2021年10月4日 Original Article アルツハイマー病 (Alzheimer's disease, AD) の90%は孤発性で、リスク遺伝子多型に関しては今までにも何度かゲノムワイド関連解析 (genome-wide association study, G […] 続きを読む
早発性家族性アルツハイマー病の原因遺伝子:Upsala APP deletion 更新日:2022年3月3日 公開日:2021年9月30日 Original Article 家族性アルツハイマー病 (Alzheimer's disease, AD) の殆どはAβ産生系の遺伝子に変異があり、10%はアミロイド前駆蛋白 (Amyloid precursor protein, APP) の遺伝子に […] 続きを読む
CHAMP7の核内集積がNPC異常のきっかけになり、ALS特有のTDP-43異所性凝集を誘導する 更新日:2022年3月3日 公開日:2021年9月26日 Original Article 筋萎縮性側索硬化症 (Amyotrophic Lateral Sclerosis, ALS) は、主に上位下位の運動神経が障害されていく疾患で、約10%が家族性、90%が孤発性に発症します。 ALSで同定されているものの […] 続きを読む