GGA3欠損でBACE1が軸索内に蓄積する
GGA3は、Golgi-localized, gamma adaptin ear-containing, ARF-binding (GGA) ファミリーの一つで、トランス・ゴルジネットワーク–リソソーム間や、エンドソーム–リソソーム間のタンパク輸送等に重要な役割を果たすタンパクとして知られています。 アメリカ・タフツ大学のDr. Tescoらの研究グループは、以前、 マウスの神経細胞でGga3を欠 […]
GGA3は、Golgi-localized, gamma adaptin ear-containing, ARF-binding (GGA) ファミリーの一つで、トランス・ゴルジネットワーク–リソソーム間や、エンドソーム–リソソーム間のタンパク輸送等に重要な役割を果たすタンパクとして知られています。 アメリカ・タフツ大学のDr. Tescoらの研究グループは、以前、 マウスの神経細胞でGga3を欠 […]
パーキンソン病(Parkinson’s disease, PD) 認知症を伴うパーキンソン病(Parkinson’s disease dementia, PDD) レヴィ(Lewy)小体型認知症(Dementia with Lewy bodies, DLB) などは、 αシヌクレイン(α-synuclein, α-syn)の凝集を主成分とした、 Lewy小体(Lewy bo […]
COVID19のワクチンの中間報告で盛り上がりをみせるアメリカですが、新規感染者数はうなぎのぼり。 マスク・隔離・長期間の我慢が苦手な人達は、 「もう無理!」 と、公共の場に集まって食事したり遊んだりしています。 また、経済的に困窮してなんとか働こうとする人達もいるので、 クラスターが追えないくらいに、再び感染が広がっています。 今回、アメリカ・スタンフォード大学のDr. Lesko […]
「妊娠中に過度のストレスにさらされると、お腹の赤ちゃんの発育に良くない」 と、よく言われますが…… イギリス・エジンバラ大学のDr. Boardmanらの研究グループは、妊娠中のお母さんのストレスと子供の脳の発育について科学的に検証しました [1]。 妊娠中のストレスは胎児の脳の発達に影響する 著者らは、78組の母子を対象に、 母親の妊娠中の毛髪に含まれるコルチゾールの量(hair cortiso […]
αシヌクレイン(α-synuclein, α-syn)は、パーキンソン病、レビィ小体型認知症、多系統萎縮症など、シヌクレイノパチーの主要病理タンパクとして研究が進められており、 α-syn凝集体の多様性が疾患や病理の多様性を生んでいる、という考えが主流となっています。 α-synは、タウetc.と違って、ただ振盪させているだけでモノマーが勝手に凝集していくのですが、 今までは、その時のバッファーの […]
アルツハイマー病(Alzheimer’s disease, AD)には、これまで多くのリスク遺伝子が報告されており、特にAPOE4は最も強力なリスク多型と言われています。 ADのリスク遺伝子ランキング(Alzform/TopResults.asp [1] より) # Gene Polymorphism Ethnicity OR (95% CI) P-value 1 APOE APOE_ […]
アルツハイマー病(Alzheimer’s disease, AD)の2大病理タンパクであるアミロイドβ(Amyloid beta, Aβ)と過リン酸化タウ。 アミロイド仮説の提唱とともに、多くの変異アミロイド前駆体蛋白質(Amyloid precursor protein, APP)やプレセニリン (Presenilin, PSEN) 遺伝子の過剰発現マウスが開発され、AD研究に重要な […]
以前、A53T変異の入ったBAC-SNCA-Tgマウスを解析していた事があり、 その際、α-シヌクレイン(α-syn)のオリゴマー抗体(SynO1)とフィブリル抗体(SynF2)を使って、 α-synのオリゴマーが特定の部位で増加している、 という研究結果を報告しましたが… その時のアッセイで、 SynO1もSynF2も、ある程度まではモノマーに結合するなー SynO1はフィブリルに […]
今回は、前頭側頭葉変性症(Frontotemporal lobar degeneration, FTLD)の約半数を占める 「TDP43凝集体を伴うFTLD(FTLD-TDP)」 …に深く関与する、 ProgranulinとTMEM106bについてのお話。 研究の背景 Progranulin Progranulin(PGRN)は成長因子の一種であり、 細胞増殖、腫瘍形成、創傷治癒、発達、炎症etc […]
アルツハイマー病(Alzheimer’s disease, AD)の2大病理といえば、 アミロイドβ(Aβ)プラークと神経原線維変化(NFT)ですが、 Aβプラークには、その形態や構成Aβによって、いくつかの種類に分類されていました [1]。 Fibrillar plaques : 30–100 µm, Aβ+, 認知機能との相関あり compact / cored-only plaq […]
α-シヌクレイン(α-synuclein, α-syn) は、ミクログリアを活性化し、神経障害に関与する事が知られていますが、その詳細なメカニズムについては議論が続いています。 アメリカNIH, NIAのDr. Kim, Dr. Masliahらの研究グループは、 α-synのオリゴマーがToll-like receptro2 (TLR2) を介してミクログリアを活性化し [1]、 nuclear […]
1999年にSchenkらの研究グループがアミロイドβ(Amyloid beta, Aβ)抗体による、ADモデルマウス脳内のAβプラーク消失と認知機能改善を報告 [1] して以来、現在まで多くのAβ抗体が開発され、臨床応用に向けて様々な努力が続けられています。 Aβ抗体のAβ除去メカニズムについては、諸説ありますが、現在ではミクログリアの貪食作用を介したAβ除去説が一番に考えられています。 他には […]
脳内での細胞達の動向をみるために、シングルセルRNAシークエンス(single-cell RNA-Seq, scRNA-Seq)が注目され、 これまで、マウス脳内やヒト脳内での各細胞のheterogeneityについて多数報告されてきました [1, 2, 3] 。 特にミクログリアでは、今までマウスとヒトとでだいぶプロファイルが違うと言われてきており [4]、 ミクログリアを扱う同僚の一人は、 「 […]
心機能障害、糖尿病 (diabetes mellitus, DM)、心血管障害 (cardiovascular disease, CaVD) は、アルツハイマー病病理(Alzheimer’s disease neuropathologic change, ADNC)を持つ患者の認知機能低下の要因として知られている。 今回、スウェーデン・Uppsala大学病院のDr. IrinaとDr. […]
valosin-containing protein (VCP) は、全ての真核生物と古細菌などに存在するATPaseで、 ユビキチン-プロテアソーム系(Ubiquitin-proteasome system, UPS) アポトーシス オートファゴソーム形成 etc. 様々なタンパク分解系に関与し、 タンパク複合体、オルガネラ、クロマチンなど、大きなタンパクの分解に関与すると言われています [1] […]
レム睡眠行動異常(rapid-eye-movement sleep behavior disorder, RBD)は、レム睡眠期の筋緊張低下が消失し、夢の内容によって実際に体が動いてしまう症状です。 RBDとパーキンソン病(Parkinson disease, PD)関連疾患との関係は強く、 特発性RBD(isolated RBD, iRBD)の発症から10年以上経つと、多くの患者さんがパーキンソ […]
F-box protein 7 (FBXO7) は、常染色体劣性遺伝型パーキンソニズムの原因遺伝子であるが、そのフェノタイプは様々。 今回、アメリカ・ワシントン大学のDr. Zabetianらの研究グループは、FBXO7に2箇所の変異を持つ、若年性パーキンソニズムを発症した姉妹(onsetはそれぞれ21才と27歳)について報告した。 FBXO7のヘテロ変異の組み合わせで家族性若年性P […]
以前、死後脳の下垂体から抽出・精製したヒト由来成長ホルモン(human cadaveric pituritary-derived grouth hormone:c-hGH)投与が原因で、数年~数十年後に脳アミロイドーシスを発症した症例の解析について取り上げました [1, 2]。 他にも、硬膜移植での伝播も報告されています [3, 4] 。 これらの手術は、現在行われていませんが、 医 […]
ここ3週間ほど、ほぼ毎日、異様に疲れを感じていて、 特に、夕方、晩御飯を作っている時など 「体がいうことをきかない…」 としんどくなることが多く、困っています。 「足に乳酸が溜まっているわー。」 と表現する、あの感じ… そんな今日び、 「そういえば、ちょっと前に疲れの脳内メカニズムについて調べた論文が出てたなー。」 と思い出し、読んでみました。 アメリカ・ […]
オートファジーは、ノーベル賞を受賞された大隅先生らが酵母で多くの関連遺伝子を同定され、 最近では、発生と分化、がんや神経変性疾患、廊下、免疫応答、抗原提示、細胞死、病原体の排除など、実に多くの機構に関与している事がわかっています [1] 。 現在は30を超えるATG遺伝子が見いだされており、 そのうち、オートファゴソームの形成に必須の遺伝子は18個(atg1-atg10, atg12,-atg14 […]
アルツハイマー病(Alzheimer’s disease, AD)の病理学的特徴としては、 アミロイドβ(Amyloid beta, Aβ)や過リン酸化タウの蓄積、炎症、神経細胞脱落etc.が挙げられますが、 Aβ/タウ → 神経炎症という構図がありました。 今回、アメリカ・Memorial Sloan KetteringがんセンターのLiらの研究グループは、 インターフ […]
脳内には、神経活動の量に合わせて、局所の血流があがる Neurovascular Coupling (NVC) というシステムがあります。 高齢者の方や、アルツハイマー病(Alzheimer’s disease, AD)などの認知症の患者さんの脳内では、このシステムが弱っており、 認知機能低下との関連が注目されています。 今回、アメリカ・コーネル大学のIadecolaらの […]
細胞間同士のナノチューブの存在は、in vitroやex vivoの実験で以前から指摘されていましたが、 今回、カナダ・モンテリオール大学のAlarcon-Martinezらの研究グループは、 マウスの網膜と脳内でペリサイト同士のナノチューブを初めて可視化しました。 ペリサイト同士のナノチューブが見えた! 著者らは、まずペリサイトを蛍光標識したマウス(NG2-DsRed)の網膜内で、 ペリサイト同 […]
「脳」と「腸」の関係は深く、「脳腸相関(gut-brain axis)」と呼ばれています。 脳から投射される神経シグナルは腸管運動に影響して、ストレスで便秘になったり下痢になったりします。 反対に、腸内細菌等、腸の状態によって血液循環中の物質構成比が変化し、脳機能に影響を及ぼすことが知られています。 神経変性疾患の世界では、特にパーキンソン病などのシヌクレイノパチーで、腸から病気が始 […]
以前、p-tau181が血漿サンプルで測定可能で、かなりアルツハイマー病(Alzheimer’s disease, AD)特異的なバイオマーカーになり得る [1, 2]、という話(こちら)をしました。 また、別のタウリン酸化サイト、p-tau217を脳脊髄液(cerebrospinal fluid, CSF)で測定したところ、p-tau181よりも感度・特異度が優れていた [3, 4] […]
進行性核上性麻痺(Progressive supranuclear palsy, PSP)は、 核上性注視障害、姿勢反射障害による易転倒性、認知症などを主症状とする慢性進行性の変性疾患で、 病理学的には、4リピートタウの凝集体(tufted astrocyte)等と特徴とします。 今回、ドイツ・ミュンヘン大学のBrendelらの研究グループは、 PSPのバイオマーカーとして、 18F […]
タウ屋以外の人にとってはちょっとマニアックな話かもしれませんが…… タウP301Sのトランスジェニックマウス [1] やタウオパチー [2] [3] の脳から抽出したタウ凝集体を野生型マウスに接種すると、 レシピエントのマウス脳内でタウ凝集体が伝播していきますが、 合成タウから作製したタウ凝集体を野生型マウスの脳内に接種しても伝播しない [4]、 というのが今まで報告されていました。 &nbs […]
ヒストンは、長いDNAを折りたたんで、核内に収納するという役割が一般的に知られている事ですが、 アメリカ・カリフォルニア大学ロサンゼルス校(UCLA)のKurdistaniらの研究グループは、 ヒストンH3-H4の四量体が、銅イオンの還元化酵素としての役割を持つ、という事を明らかにしました。 タイトルを見たときには 「ふーん、そんな機能もあるんだ。」 と思っただけでしたが、バックグラ […]
以前、孤発性アルツハイマー病(Alzheimer’s disease, AD)で、 アミロイド前駆体蛋白質(Amyloid precursor protein, APP)が、転写後にゲノム遺伝子に挿入されるという現象が多く起こっている、 という論文を紹介しました。 私自身、大変驚いた論文だったのですが、 その現象が、 「他の実験で使われたAPP遺伝子の挿入されたベクターがコンタミしてい […]
”血液脳関門(blood-brain barrier, BBB)”。 高い選択性を持ち、 このバリア機能の為、 血中の多くのタンパクは脳内に移行しない、 と考えられています。 年をとると、このBBBが破綻し、 認知機能障害と相関する、という研究結果が今まで報告されていました1, 2。 今回、アメリカ・スタンフォード大学のWyss-Corayらの研究グループは、 若齢/老齢マウスを使っ […]
脳は、体重の2%程度の重さしかありませんが、体循環の約20%の血流量を必要とします [1] 。 それだけ脳という組織は酸素を必要とする、ということですが、 ドイツのStrakaらの研究グループは、 実際に脳の細胞達がどれくらい活動時に酸素を消費しているか、 直接計測してみたそうです [2] 。 脳の酸素消費量は本当に神経活動量と相関していた 彼らは、アフリカツメガエル(Xenopus Laev […]
死んだ細胞を処理するのは主にミクログリアと考えられていますが、特殊な環境下ではアストロサイトの貪食も確認されていました 1 。 ニューロンが死ぬ時に出す、“eat-me” シグナルの一つにphosphatidylserineがありますが 2, 3 、 そのシグナルをキャッチして細胞骨格を変化するのに必要な Axl や Mertk 等は、ミクログリアにもアストロサイトにも発現 […]
脳内の掃除屋としてのミクログリア。 場合によっては炎症を引き起こし、困ったさんにもなります。 活性化ミクログリアは、その形態を劇的に変化させますが、ここで鍵となるのがサイトケラチンの再構築です。 Rhoa、Rac1、Cdc43などのRhoファミリーは、GTPaseに分類され、 脳内では、サイトケラチンのダイナミックス、ミクログリアの活性化etc.に関与すると言われています [1] 。 […]
同じアルツハイマー病(Alzheimer’s disease, AD) でも、進行の早い人と遅い人がいるのはなぜ? マサチューセッツ工科大学(MIT)/ハーバード大学のHymanらの研究グループは、進行の早い人ADと多いADのサンプルを生化学的に解析し、その理由を追求しました [1]。 同じADでも病気の進行が早かったり遅かったりするのはなぜ? AD進行の多様性について調 […]
昨日、バイオジェンとエーザイがアルツハイマー病 (Alzheimer’s disease, AD) 治療薬としてアデュカヌマブの申請を完了したとアナウンスしました。 承認されれば、ADに対する初の疾患修飾療法(desease-modifying therapy, DMT)となるわけで、注目されます。 このアデュカヌマブは、 昨年3月、第三相試験(EMERGE, ENGAGE)で、 […]
今まで、産後に記憶力や集中力が落ちるという報告があり、それを自覚する女性も多かったんじゃないかと思います。 私も、産後しばらくはぼーっとする事が多く、予定していた仕事の半分も進められないという事がよくありました。 今回、アメリカPurdue大学から出ていた研究では、 産後1年以上経ったお母さん達は、出産していない女性と比べてもそんなに記憶力・注意力の低下はなかったとのこと。 むしろ注 […]