PSPのPET

進行性核上性麻痺(Progressive supranuclear palsy, PSP)は、

核上性注視障害、姿勢反射障害による易転倒性、認知症などを主症状とする慢性進行性の変性疾患で、

病理学的には、4リピートタウの凝集体(tufted astrocyte)等と特徴とします。

 

今回、ドイツ・ミュンヘン大学のBrendelらの研究グループは、

PSPのバイオマーカーとして、

18F-PI-2620のPETの結果を報告しました。

 

PSPのバイオマーカー

彼らは、18F-PI-2620のPETを、

  • PSP(n = 40)
  • 健常人(n = 2)
  • その他の神経変性疾患(Parkinosn disease (PD)/multiple system atrophy (MSA), n = 10; Alzheimer disease (AD), n = 10)

に施行した。

 

PSPはさらに、

Rechardson症候群(RS)あり/なしや、PSPスコア等のサブ解析も行った。

  • PSP-RS: PSP with Richardson syndrome
  • PSP-non-RS: PSP without Richardson syndrome
  • PSP-CBS: PSP with predominant corticobasal syndrome
  • PSP-F: PSP with predominant frontalpresentation
  • PSP-P: PSP with predominant parkinsonism
  • PSP-PGF: PSP with predominant gait freezing
  • PSP-SL: PSP with predominant speech/language disorder

結果、PSP-RS、PSP-non-RSともに、被殻・淡蒼球での18F-PI-2620の集積を認めた。

ADもタウの凝集体と特徴とするが、こちらは基底核ではなく、大脳皮質に多く集積し、PSPと区別できた。

 

PSPのPhenotype毎にみると、

PSP-RS > PSP-non-RS > PSP-F > PSP-CBS

の順に、集積率が下がっていた。

 

これらの結果から、18F-PI-2620 PETが、PSPのバイオマーカーとして有用であると考えられた。

My View

今まで、PSPの診断は主に神経所見から、ということが多かったので、

このように疾患特異的なバイオマーカーが実用化されると、

診断の特異性が上がって素晴らしいと思います。

 

個人的には、CBDとPSPが識別できればといいなと思うのですが、

両方とも4リピートタウなので、All or Noneのバイオマーカーは難しそうですね。

 

でも、CBDとPSPは凝集体の蓄積場所が異なるので、

CBD -> 皮質寄り
PSP -> 脳幹部寄り

のような感じで識別できないでしょうか。

 

それにしても、

私が修練医の頃は、FDG-PETくらいしか使用されていませんでしたが、

最近は、アミロイドPET、タウPET、シヌクレインPETと、

PETがバイオマーカーとして使えるようになってきていて、

医学の進歩って、ほんと日進月歩ですね。

References

  1. Brendel M, Barthel H, van Eimeren T, et al. Assessment of 18F-PI-2620 as a Biomarker in Progressive Supranuclear Palsy. JAMA Neurol. 2020;e202526. Published 2020 Jul 7. doi: 10.1001/jamaneurol.2020.2526
  2. Kroth H, Oden F, Molette J, et al. . Discovery and preclinical characterization of [18F]PI-2620, a next-generation tau PET tracer for the assessment of tau pathology in Alzheimer’s disease and other tauopathies. Eur J Nucl Med Mol Imaging. 2019;46(10):2178-2189. doi: 10.1007/s00259-019-04397-2
  3. Mueller A, Bullich S, Barret O, et al. . Tau PET Imaging with 18 F-PI-2620 in patients with Alzheimer disease and healthy controls: a first-in-humans study. J Nucl Med. 2020;61(6):911-919
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