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アミロイドβ

Aβは細胞膜に埋め込まれてイオンチャネルの働きをし、細胞のホメオスタシスを乱す

アミロイドβ (Amyloid beta, Aβ) のオリゴマー、フィブリルなどの集合体には神経毒性があり、シナプス障害を引き起こし、認知機能低下に繋がる事が示唆されています [1] 。 また、Aβがあると、神経活動が異常に興奮する事も分かっています。   では、Aβはどのように神経毒性を発揮するのでしょうか? これまでの研究では、 Aβは、細胞膜や細胞内の膜構造のイオンチャネルを調節す […]

医原生アルツハイマー病!?

「アルツハイマー病 (Alzheimer’s disease, AD) のタウやパーキンソン病 (Parkinson’s disease, PD) のα-シヌクレイン (α-synuclein, α-syn)が、プリオンのように脳内を伝播する」 とわかった時、多くの人達は、 「じゃあ、ADもPDも、狂牛病のように伝染しちゃうんじゃないの?」 と考えました。 けれども、下垂体 […]

Biogen がアデュカヌマブの生産を終了

去年、FDAの迅速承認を受け、大きな波紋と議論を呼び起こした、Biogenとエーザイで開発されたアデュカヌマブ。   先日(1月31日)、Biogenはそのアデュカヌマブの生産を終了するとアナウンスしました。 今後は、アデュカヌマブの後に承認されたレカネマブ等に集中する、という方針のよう。 ……まあ、当然の流れでしょう。   様々な議論を呼びはしましたが、アデュカヌマブのFDA […]

髄液中GAP-43は、Aβに関連したタウ病理を反映する

アルツハイマー病 (Alzheimer’s disease, AD) の二大病理のひとつ、タウ凝集体の病理は、シナプスを介して広がっていくことが分かっています [1,2,3]。 また、二大病理のもう一つ、アミロイドβ (Amyloid beta, Aβ) は、異常な神経活動過活動を誘発し、神経ネットワークを介したタウ病理の脳内進展を増悪させます [4,5,6] 。 ADの患者脳内では、 […]

APOE-E136S (Christchurch) 変異がアルツハイマー病に打ち勝つメカニズム

以前、PSEN1-E280A変異という強力な家族性アルツハイマー病(Alzheimer’s disease, AD)の遺伝子変異を持ちながら、70歳まで認知症を発症しなかった、APOE3 R136S変異(Chistchurch変異、APOE3ch)の症例 [1] について取り上げましたが、 今回、米国ワシントン大学のDr.Holzmanらは、APOE3chのモデルマウスを作製し、マウス […]

“細胞外” のAβプラークの起源は “細胞内” のオートリソソームだった

「オートファジー」は、生態系の恒常性を維持する為になくてはならないものであり、アルツハイマー病(Alzheimer’s disease, AD)を含む数々の変性疾患でオートファジー機能障害との関連性が示唆されています [1]。 ミスフォールドされたタンパクは、ユビキチン・プロテアソーム系(ubiquitin proteasome system, UPS)やマクロオートファジー、シャペロ […]

ジワジワと進展してきたタウが下前頭回でAβと出会った時、新皮質への爆発的広がりの扉が開く

私が研究を始めた頃、アミロイドβ(amyloid beta, Aβ)がアルツハイマー病(Alzheimer’s disease, AD)の根本的原因とする「アミロイド仮説」が全て、のような雰囲気がありました。 「Aβが溜まり始め、それがタウのリン酸化を引き起こし、神経原線維変化(neurofibrillary tangles, NFT)となって神経細胞が死んでいき、認知機能が低下してい […]

ナイアシン受容体のHCAR2がミクログリアを活性化し、ADに保護的に働く

ビタミンB群が神経保護的に働く事は時々聞きますが、その中の1つであるナイアシンは、ビタミンB3に該当し、ニコチン酸(nicotinic acid)とニコチンアミド(nicotinamide)の総称になります。 ニコチン酸は小腸から吸収されると、肝臓で酸化型のNAD+ (Nicotinamide adenine dinucleotide) に代謝され、還元型の NADH の間で電子のやり取りをするこ […]

ガンテネルマブの2回目の第3相治験が始まる:SKYLINE

Roche社は、抗アミロイドβ(Aβ)抗体のガンテネルマブ(gantenermumab)の2回目の第3相治験についてアナウンスしました。 ドナネマブはAβフィブリルに結合するヒトIgG1抗体でAβのN末と中央部を認識します。 多くのAβ抗体が静注薬剤の中、このガンテネルマブは皮下注で使用するので、より患者さん-friendlyなAβ抗体製剤といえると思います。   DIAN研究でも選ばれ […]

Aβ38が多いと認知機能低下がマイルド

アルツハイマー病 (Alzheimer’s disease, AD) の主要病理の1つ、アミロイドβ (Amyloid beta, Aβ) 。 Aβは、アミロイド前駆蛋白 (Amyloid precursor protein, APP) から、まずβセクレターゼでN側が切断され(β切断)、次にγセクレターゼでC側が切断され(γ切断)、Aβとして細胞外に分泌されます [1, 2]。 この […]

ミクログリアはAβの伝播にも関与する?

先日、ミクログリアがタウの伝播に一役買っているかも…という内容の論文 [1] を紹介しましたが、 今回はアミロイドβ(Amyloid beta, Aβ)の話。 ドイツ・Freiburg大学の Dr. Meyer-Luehmann の研究グループは、 「野生型マウスのニューロンをAPPマウスに移植したら、移植したニューロンにAβ病理が現れ、その現象にミクログリアが関与していた」 という内容の研究内容 […]

Aβ蓄積と睡眠不足との関係に視床網様核が関与する

睡眠不足とアルツハイマー病(Alzheimer’s disease, AD)との関係については、以前から研究されており [1, 2]、 このブログでも以前、 「睡眠不足になるとアミロイドβ(Amyloid beta, Aβ)やタウが脳内に溜まりやすくなる」 という内容の報告を取り上げました [3]。 逆に、「ADになると睡眠の質が落ちる」という事も報告されており、ADのモデルマウス達( […]

アデュカヌマブを投与してもよい人は驚くほど少ない

Accelerated Approval Pathway で FDA の承認を受けたアデュカヌマブ。 この動きに乗って、その他のAβ抗体(レカネマブ(エーザイ/バイオジェン)、ドナネマブ(イーライリリー)、ガンテネルマブ(ロシュ)も、次々と申請済みもしくは申請準備を進めています。 アデュカヌマブの承認の根拠となった 第3相臨床試験は、EMERGEとENGAGEですが [1]、 Aβ抗体治療の副作用 […]

活性化ミクログリアがタウ病理の広がりを介在する……かも

アルツハイマー病(Alzheimer’s disease, AD)の代表的な病理といえば、 アミロイドβ(Amyloid beta, Aβ) タウ 神経炎症 血管病変 神経障害 などが挙げられるかと思います。 これらの変化をリアルタイムで見る方法として、AβやタウのPETトレーサーが開発されてきました。 そして、最近は神経炎症の変化を追うため、活性化ミクログリアをターゲットとしたトレー […]

早発性家族性アルツハイマー病の原因遺伝子:Upsala APP deletion

家族性アルツハイマー病 (Alzheimer’s disease, AD) の殆どはAβ産生系の遺伝子に変異があり、10%はアミロイド前駆蛋白 (Amyloid precursor protein, APP) の遺伝子に変異が報告されています。 今回、スウェーデン・Uppsala大学の Dr. Ingelsson らの研究グループは、新たな変異として、APPのUppsala変異を報告し […]

アストロサイト-IL-3/ミクログリア-IL-3Rαのクロストークは、アルツハイマー病に保護的に働く

アルツハイマー病 (Alzheimer’s disease, AD) などの神経変性疾患において、ニューロンだけでなくグリアやサイトカインの役割も次々と明らかになってきています [1]。 インターロイキン3 (Interleukin-3, IL-3) は、炎症や自己免疫疾患との関わりが強いサイトカインですが [2]、 AD のリスク [3, 4, 5, 6] や重症度 [7, 8] と […]

DIAN-TU: ガンテネルマブとソラネズマブの臨床試験の結果

家族性アルツハイマー病 (Alzheimer’s disease, AD) の患者さんを対象に、薬剤の治療効果を観察する DIAN-TU 研究で、 ガンテネルマブ (Gantenerumab) ソラネズマブ (Solanezumab) の4-7年間の観察結果が報告されました [1]。 結果だけみるとネガティブなんですが、バイオマーカーは下がったところもあるよう……アデュカヌマブと似てま […]

加齢により髄膜のCCR7+リンパ球が減り、認知機能が悪くなる

脳の髄膜リンパ管が “再発見” されてから [1, 2]、神経変性疾患と髄膜リンパ管との関連についての研究が立て続けに報告されています [3, 4, 5]。 それと並行して、髄膜内の免疫系についても注目が集まっているようです (Glossary 参照)。 今回、アメリカ・メイヨー・クリニックの Dr. Mesquita, Dr. Kipnis らの研究グループは、 加齢によ […]

Aβ抗体療法成功の鍵は髄膜リンパ管が握っている?

アミロイドβ (Amyloid beta, Aβ) の抗体療法は、アルツハイマー病 (Alzheimer’s disease, AD) の治療として最も期待がかかっている治療法の一つですが、 治験の結果は、マウスの実験結果ほど手応えがない……というのが現状です。 マウスとヒトとで脳内環境が異なる、というのがその答えになるとは思いますが、 では具体的にどこを改善したら、ヒトでもAβ抗体療 […]

ミクログリアが Aβのコア・プラークを作っていた

Alzheimer’s disease (AD) の 主要病理の一つである アミロイドβ (Amyloid beta, Aβ) プラークですが、その形態によって、いくつかの種類に分かれています [1, 2]。(Glossary参照) その中でも、孤発性 AD の脳内で多くを占める Aβプラークは、 中心にコアを持つ、典型的老人斑 (cored plaques) 中心にコアを持たない、び […]

TREM2欠損のAβ&タウ病理への影響

TREM2 (triggering receptor expressed on myeloid cells 2) は、脳内ミクログリアに発現するレセプタータンパク [1, 2]で、この遺伝子の変異はアルツハイマー病 (Alzheimer’s disease, AD) のリスクとなることが知られています [3]。 TREM2とAD病理との関係で最も研究が進んでいるのは、ミクログリアのアミ […]

ドナネマブの第2相臨床試験の結果:良好!

アルツハイマー病 (Alzheimer’s disease, AD) の疾患修飾療法 (disease modifying therapies, DMTs) の1つとして注目されているアミロイドβ (Amyloid beta, Aβ) の免疫療法ですが、 現時点で第3相, 第2/3相臨床試験まで進んでいる「Aβ受動免疫療法」は、下記4つ [1]。 アデュカヌマブ (Aducanumab […]

低用量で効果的なγセクレターゼモジュレータ

アルツハイマー病 (Alzheimer’s disease, AD) の主要病理の1つ、アミロイドβ (Amyloid beta, Aβ) 。 Aβは、アミロイド前駆蛋白 (Amyloid precursor protein, APP) から、β切断・γ切断と2段階の切断を受けて産生されますが、 その切断の仕方により、様々な大きさのAβが産生されます [1]。 Aβの種類 割合 Aβ3 […]

Aβ オリゴマーがmGluR5に結合するのは、男性だけ?

アミロイドβ (Amyloid beta, Aβ) のオリゴマーは毒性が強く、シナプス障害等、アルツハイマー病 (Alzheimer’s disease, AD) の神経変性に関与すると言われています。 一方、グルタミン酸は、学習や記憶に欠かせない分子ですが、そのレセプター Gaq-coupled metabotropic glutamate receptor 5 (mGluR5) は […]

アデュカヌマブの効果はずっと続く?

先月6日に行われたFDAのアデュカヌマブミーティングではだいぶ旗色が悪く、FDA承認は難しそうな印象ですが、 少なくともマウス脳内では成績優秀のようです。 今回、ドイツ・Tübingen大学のDr. Juckerらの研究グループは、アミロイドβ(Amyloid beta, Aβ)プラークができる初期の段階からアデュカヌマブを接種すると、 晩年のAβプラーク病理形成が抑えられる、という内容を報告しま […]

GGA3欠損でBACE1が軸索内に蓄積する

GGA3は、Golgi-localized, gamma adaptin ear-containing, ARF-binding (GGA) ファミリーの一つで、トランス・ゴルジネットワーク–リソソーム間や、エンドソーム–リソソーム間のタンパク輸送等に重要な役割を果たすタンパクとして知られています。 アメリカ・タフツ大学のDr. Tescoらの研究グループは、以前、 マウスの神経細胞でGga3を欠 […]

ヒトの野生型APP遺伝子ノックインマウス

アルツハイマー病(Alzheimer’s disease, AD)の2大病理タンパクであるアミロイドβ(Amyloid beta, Aβ)と過リン酸化タウ。 アミロイド仮説の提唱とともに、多くの変異アミロイド前駆体蛋白質(Amyloid precursor protein, APP)やプレセニリン (Presenilin, PSEN) 遺伝子の過剰発現マウスが開発され、AD研究に重要な […]

Aβプラークの新しいタイプーcoarse-grained plaqueー

アルツハイマー病(Alzheimer’s disease, AD)の2大病理といえば、 アミロイドβ(Aβ)プラークと神経原線維変化(NFT)ですが、 Aβプラークには、その形態や構成Aβによって、いくつかの種類に分類されていました [1]。 Fibrillar plaques : 30–100 µm, Aβ+, 認知機能との相関あり compact / cored-only plaq […]

Aβ抗体の持つ、Aβ凝集阻害機能について検証

1999年にSchenkらの研究グループがアミロイドβ(Amyloid beta, Aβ)抗体による、ADモデルマウス脳内のAβプラーク消失と認知機能改善を報告 [1] して以来、現在まで多くのAβ抗体が開発され、臨床応用に向けて様々な努力が続けられています。 Aβ抗体のAβ除去メカニズムについては、諸説ありますが、現在ではミクログリアの貪食作用を介したAβ除去説が一番に考えられています。 他には […]

認知機能低下の一番の要因は混合病理

心機能障害、糖尿病 (diabetes mellitus, DM)、心血管障害 (cardiovascular disease, CaVD) は、アルツハイマー病病理(Alzheimer’s disease neuropathologic change, ADNC)を持つ患者の認知機能低下の要因として知られている。 今回、スウェーデン・Uppsala大学病院のDr. IrinaとDr. […]

脳外科手術でアミロイドは伝播するか?

以前、死後脳の下垂体から抽出・精製したヒト由来成長ホルモン(human cadaveric pituritary-derived grouth hormone:c-hGH)投与が原因で、数年~数十年後に脳アミロイドーシスを発症した症例の解析について取り上げました [1, 2]。 他にも、硬膜移植での伝播も報告されています [3, 4] 。   これらの手術は、現在行われていませんが、 医 […]

炎症 → Aβ産生のメカニズム

アルツハイマー病(Alzheimer’s disease, AD)の病理学的特徴としては、 アミロイドβ(Amyloid beta, Aβ)や過リン酸化タウの蓄積、炎症、神経細胞脱落etc.が挙げられますが、 Aβ/タウ → 神経炎症という構図がありました。   今回、アメリカ・Memorial Sloan KetteringがんセンターのLiらの研究グループは、 インターフ […]