髄液中p-tau205はアルツハイマー病の脳内のタウ病理を反映する 更新日:2024年1月30日 公開日:2024年1月29日 Original Article 私達にとってはおなじみのリン酸化タウ抗体AT8。エピトープはタウのS202とT205のリン酸化部位です [1] 。 このp-tau202/205抗体は、AD脳の神経原線維変化を綺麗に検出します。 じゃあ、これって、アルツ […] 続きを読む
髄液中GAP-43は、Aβに関連したタウ病理を反映する 公開日:2024年1月25日 Original Article アルツハイマー病 (Alzheimer's disease, AD) の二大病理のひとつ、タウ凝集体の病理は、シナプスを介して広がっていくことが分かっています [1,2,3]。 また、二大病理のもう一つ、アミロイドβ ( […] 続きを読む
低複雑性ドメインのアミノ酸主鎖同士の水素結合が、特定のタンパクの液液相分離および凝集化に関与 更新日:2023年5月11日 公開日:2022年8月12日 Original Article タンパク質は、通常、20種類のアミノ酸がバランス良く含まれている事が多く、それらのタンパク質はAnfinsenのドグマに従い、特定の構造に折りたたまれます。 しかしながら、20%程度のタンパク質の中には、限られた種類のア […] 続きを読む
タウの “マスター” リン酸化部位 更新日:2023年5月11日 公開日:2022年7月27日 Original Article Alzheimer's disease(AD)の主要病理の一つ、過リン酸化タウ。 タウには、リン酸化、ユビキチン火、アセチル化、メチル化、SUMO化、糖化……と、様々な翻訳後修飾(post-translational m […] 続きを読む
ジワジワと進展してきたタウが下前頭回でAβと出会った時、新皮質への爆発的広がりの扉が開く 更新日:2024年2月3日 公開日:2022年5月4日 Original Article 私が研究を始めた頃、アミロイドβ(amyloid beta, Aβ)がアルツハイマー病(Alzheimer's disease, AD)の根本的原因とする「アミロイド仮説」が全て、のような雰囲気がありました。 「Aβが溜 […] 続きを読む
神経変性疾患の新たなキープレイヤー!?②:TMEM106Bの凝集体は神経疾患の他、健常高齢者脳内でも観察される 更新日:2022年4月7日 公開日:2022年4月6日 Original Article 前回 [1] に引き続き、 TMEM106Bに関する論文。 今回は、Nature誌に掲載された、イギリス・MRC研究所のDr. Goedert、Dr. Scheresらの研究グループからで、色々な神経変性疾患の他、健常高 […] 続きを読む
神経変性疾患の新たなキープレイヤー!?①:TMEM106Bの凝集体が色々な変性疾患で観察される 更新日:2022年4月4日 公開日:2022年4月2日 Original Article 先日、TMEM106Bに関する驚きの論文がCellに1報、Natureに2報掲載されました。 Cellの論文は、アメリカ・コロンビア大学のDr.Fitzpatric、カナダ・英コロンビア大学のDr.Mackenzieらの […] 続きを読む
Glymphaticドレナージは細胞外タウを洗い流して、タウ凝集化や神経障害を防ぐ 更新日:2022年4月2日 公開日:2022年3月29日 Original Article 私達の脳は液体で満たされており、 脳の間質内:脳間質液(interstitial fluid, ISF) 脳室や脳周囲:脳脊髄液(cerebrospinal fluid, CSF) と名付けられています。 ISFは、間質 […] 続きを読む
PSPとCBDの脊髄にTDP-43病理 更新日:2022年3月25日 公開日:2022年3月21日 Original Article 前頭側頭葉変性症(Frontotemporal lobar degeneration, FTLD) は、人格変化、情動異常、言語障害などを特徴とする認知症の1つで、若年性認知症(65歳以下)の症例数としては、アルツハイマ […] 続きを読む
リコンビナントのタウでも本物に近い構造の凝集体が作れる 更新日:2022年3月25日 公開日:2022年3月17日 Original Article タウは微小管結合タンパクで、その異常凝集体はアルツハイマー病(Alzheimer's disease, AD)の主要病理の1つと言われています。 他にも、前頭側頭型認知症(frontotemporal dementia, […] 続きを読む
保護中: 閉経後の女性に朗報?FSHを抑えてアルツハイマー病を防ぐ 更新日:2024年6月24日 公開日:2022年3月13日 Original Article この投稿はパスワードで保護されているため抜粋文はありません。 続きを読む
タウのインターラクトームマップ 更新日:2022年3月8日 公開日:2022年3月5日 Original Article タウは、アルツハイマー病(Alzheimer's disease, AD)の主要病理の1つである神経原線維変化(neurofibrillary tangles, NFT)の構成タンパクの1つで、これまでに色々なタンパクと […] 続きを読む
進行の早いアルツハイマー病のタウの構造の違いを間接的に検証 更新日:2022年3月3日 公開日:2022年1月20日 Original Article アルツハイマー病(Alzheimer's disease, AD)は、認知症をきたす疾患の中で最も症例の多い疾患ですが、同じADでも、10年以上かけてゆっくり進行するタイプもあれば、発症から数ヶ月~1年程度で急激に症状が […] 続きを読む
タウ+ニューロンを貪食したミクログリアは、お腹いっぱいになるとそれを吐き出してタウ伝播に一役買ってしまう…… 更新日:2022年3月3日 公開日:2021年11月29日 Original Article 脳のお掃除屋さんのミクログリア。 アミロイドβ(Amyloid beta, Aβ)とかタウとか、脳内で蓄積すると困るタンパク達を貪食して除去しようとしてくれていますが、反面、活性化したミクログリアが炎症性サイトカインを出 […] 続きを読む
ウイルス蛋白が凝集体伝播を促す? 更新日:2024年2月3日 公開日:2021年11月5日 Original Article 1997年、「狂牛病やクロイツフェルト・ヤコブ病(Creutzheldt-Jakob disease, CJD)ではプリオン蛋白が細胞間を伝播して病態を広げていく」という事を見出した Dr. Prusiner がノーベル […] 続きを読む
活性化ミクログリアがタウ病理の広がりを介在する……かも 更新日:2022年3月3日 公開日:2021年10月24日 Original Article アルツハイマー病(Alzheimer's disease, AD)の代表的な病理といえば、 アミロイドβ(Amyloid beta, Aβ) タウ 神経炎症 血管病変 神経障害 などが挙げられるかと思います。 これらの変 […] 続きを読む
タウフィラメントの構造でタウオパチーを分類する 更新日:2022年3月3日 公開日:2021年10月16日 Original Article クライオ電子顕微鏡法(cryo-electron microscopy, cryo-EM)でのフィラメント構造解析については、このブログでも何回かとりあげました。 主に、イギリス・MRC分子生物学研究所の […] 続きを読む
運動は認知機能低下を抑制できるー特に血漿中タウが高い人に効果的 更新日:2022年3月3日 公開日:2021年9月10日 Original Article 運動がアルツハイマー病などの認知症予防に効果的であることは、このブログでも何度かとりあげました。 機序的にも疫学的にも、運動の認知機能に対するポジティブな効果は疑いようがないんじゃないかと思います。 でも運動の効果って、 […] 続きを読む
タウのオリゴマーはアストロサイトの老化および HMGB1 分泌を促し、神経障害や認知機能障害を悪化させる 更新日:2022年3月3日 公開日:2021年8月17日 Original Article 神経変性疾患分野では、老化細胞 (senescent cells) への注目が集まっていると思います。 以前、老化したグリアを除去するとモデルマウスのタウ病理と認知機能が改善したという論文を紹介しましたが、 今回は、その […] 続きを読む
LDL受容体を過剰発現すると、APOE の発現を抑えてタウ介在性神経変性が改善する 更新日:2022年3月3日 公開日:2021年7月13日 Original Article アルツハイマー病 (Alzheimer's disease, AD) と脂質異常症の関係は以前から報告されており、Low-density lipoproteins (LDL) とアミロイドβ (Amyloid beta, […] 続きを読む
タウのアセチル化を抑制すると、外傷性神経変性を抑制できる 更新日:2022年3月3日 公開日:2021年7月9日 Original Article 外傷性脳損傷 (traumatic brain injury, TBI) は、外傷による神経障害を指し、特に後にタウやTDP-43が異常凝集し、神経変性が起こる慢性外傷性脳症候群 (chronic traumatic e […] 続きを読む
Klotho-VSヘテロを持つ人達は、Aβ依存的タウの沈着および認知機能低下が少ない。 更新日:2022年3月3日 公開日:2021年6月23日 Original Article 昨年、寿命に関わる膜タンパク Klotho遺伝子 の、F352V (rs9536314) とC370S (rs9527025) の二つのミスセンス変異をヘテロで持つ人達(Klotho-VShet)はアルツハイマー病 (A […] 続きを読む
Biogen のタウ抗体(Gosuranemab)の治験結果は「効果なし」 更新日:2022年3月3日 公開日:2021年6月19日 Original Article 「アデュカヌマブ」が初めてのアミロイドβ (Amyloid beta, Aβ) 抗体としてFDAの限定承認を受け、良くも悪くも注目されている Biogen ですが、 もちろん、他のアプローチによるアルツハイマー病 (Al […] 続きを読む
タウワクチン「AADvac1」の第二相試験の結果 更新日:2022年3月3日 公開日:2021年6月15日 Original Article アデュカヌマブのFDA限定承認で注目を集める、アルツハイマー病 (Alzheimer's disease, AD) の免疫療法ですが、 もちろん、アミロイドβ (Amyloid beta, Aβ) だけでなく、もう一つの […] 続きを読む
ニューロンのAPOEは免疫系を介してアルツハイマー病の神経障害に寄与する 更新日:2022年3月3日 公開日:2021年6月7日 Original Article アポリポタンパクE (Apolipoprotein E, APOE) は、孤発性アルツハイマー病 (Alzheimer's disease, AD) の最大のリスク多型ですが、その多くはアストロサイトから分泌されます [ […] 続きを読む
将来アルツハイマー病になるかどうか、凄い精度で診断するツール 更新日:2022年3月3日 公開日:2021年6月3日 Original Article アルツハイマー病 (Alzheimer's disease, AD) のバイオマーカーは年々進化していっているように感じています。 私が修練医だった頃は、髄液中Aβ42/40比の有用性は報告されていたものの、たいていは神 […] 続きを読む
タウのアセチル化がシャペロン介在性オートファジーを抑制し、タウ病理を促進する 更新日:2022年3月3日 公開日:2021年5月18日 Original Article アルツハイマー病 (Alzheimer's disease, AD) の主要病理の一つ、タウは、リン酸化の他、アセチル化、ユビキチン化、SUMO化、ニトロ化など、色々な翻訳後修飾(post-translational m […] 続きを読む
アルツハイマー病のタウ病理の広がり方は4種類 更新日:2022年3月3日 公開日:2021年5月14日 Original Article アルツハイマー病 (Alzheimer's disease, AD) の主要病理の一つ、神経原線維変化 (neurofibrillary tangles, NFTs) は、主に過リン酸化タウで構成されています。 このタウ […] 続きを読む
アストロサイトのAPOE4を除去するとタウ介在性神経障害が改善する 更新日:2022年3月3日 公開日:2021年4月16日 Original Article 先日アポリポタンパクE4(Apolipoprotein E4, APOE4)とタウについての論文を紹介しましたが[1]、 その記事を書いた翌日に同じラボからこの論文が出たので、 「どーしよーかなー。」 と思いましたが、つ […] 続きを読む
アンチセンスオリゴでAPOE4を減らすとタウマウスの神経障害が改善する 更新日:2022年3月3日 公開日:2021年4月14日 Original Article アポリポタンパクE4(Apolipoprotein E4, APOE4)は、アルツハイマー病(Alzheimer's disease, AD)の強力なリスク因子として注目されています [1]。 APOE4のAD増悪の機序 […] 続きを読む
内因性のタウを持続的に抑制すると、アルツハイマー病モデルマウスのタウ病理が改善する 更新日:2022年3月3日 公開日:2021年4月4日 Original Article 異常に凝集したタウを取り除く事は、アルツハイマー病 (Alzheimer's disease, AD) 治療ターゲットの1つですが、 「内因性のタウを減らせば、異常タウによる病態もよくなるんじゃ?」 という考えから研究し […] 続きを読む
TREM2欠損のAβ&タウ病理への影響 更新日:2022年3月3日 公開日:2021年3月23日 Original Article TREM2 (triggering receptor expressed on myeloid cells 2) は、脳内ミクログリアに発現するレセプタータンパク [1, 2]で、この遺伝子の変異はアルツハイマー病 (A […] 続きを読む
エクソソームで運ばれたタウは、透過性の亢進したリソソームから細胞質へ漏出し、凝集体のシードとなる 更新日:2022年3月3日 公開日:2021年1月22日 Original Article タウオパチ-の脳内では、 「異常に凝集したタウが細胞間を伝播して、伝播先の内因性タウを凝集させ、どんどんタウ凝集体が広がっていく」 と考えられていますが、 その細胞間を伝播するルートには、 直接膜を透過 マクロピノサイト […] 続きを読む
ADタウの翻訳後修飾について網羅的に解析 更新日:2022年3月3日 公開日:2021年1月10日 Original Article アルツハイマー病(Alzheimer's disease, AD)の主要病理の一つに、 「過剰にリン酸化したタウが凝集体を作り、それが脳内を広がっていく」 事はよく言われていますが、 タウは通常の脳でも、多くの部位がリン […] 続きを読む
歯状回アストロサイトに蓄積したタウの、ニューロンへの影響 更新日:2022年3月3日 公開日:2020年12月15日 Original Article タウオパチーに分類される神経変性疾患 アルツハイマー病(Alzheimer's disease, AD) 進行性核上性麻痺(Progressive supranuclear palsy, PSP) 大脳皮質基底核変性症( […] 続きを読む
認知機能低下の一番の要因は混合病理 更新日:2022年3月3日 公開日:2020年10月14日 Original Article 心機能障害、糖尿病 (diabetes mellitus, DM)、心血管障害 (cardiovascular disease, CaVD) は、アルツハイマー病病理(Alzheimer's disease neurop […] 続きを読む