Alzforum

今年に入ってから、身内の手術やメンターの他界などであまり頭が働かず、論文もアブストをさらっと見るだけで、内容をまともに読めていませんでした。

でも、このまま停滞していても良くないので、一人抄読会を再開しようと思います。

仕切り直しの初回は、論文ではなく Alzforum から。

先月に投稿されていた2021年のまとめ記事で、頭を整理し直したいと思います。

Aβ抗体による治療

アデュカヌマブ(Aducanumab)

2020年から常に注目されてきたアデュカヌマブ。

現在、アデュヘルム (Aduhelm) として製品化され、アルツハイマー病(Alzheimer's disease, AD)治療薬として使用されています。

FDAは6月にアデュカヌマブを承認し、一部では「AD治療に新たな時代が来た」と期待で迎えられましたが、

一部では

  • 不十分なデータで無理やり通した
  • コストがかかる($56,000/year(約560万円/年) + MRI等の検査費)
  • 適応範囲が広すぎる
  • Phase 3 の論文が査読なしに publish された

などの理由でこの薬の使用を懐疑的にみています。

 

それから半年経って、アデュカヌマブ側もバックアップデータが出たり、提示された問題に向き合って色々改善されたりしています。

  • アデュカヌマブ投与で血漿中p-tau181レベルが下がり、タウ病理抑制にも関与する可能性が示唆された
  • 適応範囲が早期ADに狭められた
  • Biogenは薬価を半分に
  • Phage 4 試験を予定

 

アデュカヌマブといえばアミロイド関連画像異常(amyloid-related imaging abnormalities, ARIA)の副作用問題も気になりますが、去年12月 Phase 3 試験における ARIA の程度が正式に発表され、ARIA 関連の死亡例や治療例の過半数がADに血管障害を合併している事が報告されました。

今後、アデュカヌマブを投与してもよいかどうか、慎重に判断する必要がありそうです。

 

ただ色々問題を抱えてはいますが、アデュカヌマブは他のAβ治療薬に対するFDA承認の門戸を開いた、という事は確実のようです。

レカネマブ(Lecanemab)

レカネマブ(Eisai/Biogen)については、ARIAの発症がアデュカヌマブよりも少ない事が報告されています。

2021年のPhase 2 open-label 試験では、

  • Aβ減少
  • 血漿中Aβ42/40比の変化
  • 血漿中p-tau217の減少
  • 認知機能低下を抑制

などが報告されており、特に認知機能低下を抑制した、というデータはとても期待が持てます。

ドナネマブ(Donanemab)

ドナネマブ(Lilly)も、2021年の試験でレカネマブと似たような結果が得られています。

  • 認知機能低下は若干抑制
  • Aβはほぼ消失
  • 血漿中p-tau217の減少
  • タウPETでのタウ蓄積の減少

Lillyは、スタディデザインをちょっと変えて、Phase 3 試験を予定しています。

ガンテネルマブ(Gantenerumab)

ガンテネルマブ(Chugai Pharmaceutical Co., Ltd., Hoffmann-La Roche)は、ちょっと毛色の違ったAβ抗体で、皮下注投与になります。

Roche は FDA の accelerated approval を避け、じっくりと Phase 3 データを解析する予定のようです。

DIAN-TU では、常染色体顕性遺伝のAD患者のうち、18歳でまだ脳内のAβ沈着が少ない人達を対象にスタディをデザインしましたが、

そこでガンテネルマブを primary prevention トライアルに使用することを決定しています。

また、改定Ver.のガンテネルマブは、Transferrin受容体1を介して、よりBBBを通過しやすいように改善しており、効率的に脳内のAβに届くようになっています。

タウを標的とした治療

タウ抗体

タウ抗体に関しては、4つのタウN末抗体中、3つが失敗に終わり、

  • ザゴテネマブ(Zagotenemab, Lilly): Phase 2、360人を対象、認知機能改善なし。
  • チラボネマブ(Tilavonemab, Abbvie): Phase 2、453人を対象、認知機能改善なし。
  • ゴスラネマブ(Gosuranemab, Biogen): 654人の早期ADを対象、ADAS-cog13のスコアが悪化。

残り1つはギリギリ崖っぷちの状態。

  • セモリネマブ(Semorinemab, Genentech): 2つの共同主要評価項目のうちの1つで効果ありそうな結果。非盲検試験で同様の結果が出るかどうか注目。

 

これらの結果を受けて、科学者達は、タウ抗体のターゲットをタウの中間部にシフトしています。

まだ結果は出ていませんが、少なくとも6つのタウ抗体で、FDA承認に向けての治験が進んでいるようです。

  • JNJ-63733657(Janssen, Phase 2)
  • べプラネマブ(Bepranemab, UCB, Phase 2)
  • E2814(Eisai, Phase 1 終了)
  • PNT001(Phase 1 終了)
  • AF87908(Lundbeck, Phase1 終了)
  • BIIB076(Biogen, Phase 1 終了)

低分子化合物

タウを標的とした低分子化合物は、

  • O-GlcNAcase enzyme inhibitor(Lilly, Phase 2)
  • ASN51(Asceneuron, Phase 1)

で治験が進められています。

両剤とも、タウのグリコシル化を促し、タウの凝集化を防ぐ機能を持っています。

遺伝子治療

遺伝子治療は、

  • BIIB080(Ionis/Biogen, Phase 1/2): タウのアンチセンスオリゴヌクレオチド(ASO)。明らかな副作用なしに、脳脊髄液(cerebrospinal fluid, CSF)タウレベルを半分にまで減少させた。

がPhase 1/2 で良好な結果を得、今年 Phase 2 が予定されています。

 

ASO に関しては、去年3月にハンチントン病をターゲットとしたトミネルセン(Tominersen)が効果なしという結果が出てがっかりしましたが、

今年は少なくとも6つの ASO で治験が予定されています。

ターゲット遺伝子は、

  • C9ORF72
  • SOD1
  • LRRK2
  • FUS
  • 家族性PDの遺伝子

などです。

その他のAD治療ターゲット

AD治療薬は、Aβやタウだけが標的ではありません。

  • APOE
  • 脂質代謝
  • エンドソーム
  • リソソーム
  • オートファジー
  • 神経炎症
  • TREM2

などをターゲットにした薬剤も続々と開発され、治験が進められています。

バイオマーカー

一昨年に引き続き、新たなバイオマーカーや既存のバイオマーカーの見直しなど、続々と報告がありました。

CSF/血漿中Aβ

体液マーカーについては、血漿中のAβ42/40の測定が質量分析法 (mass spectrometry, MS)で可能になり、C2N社の mass-spec である Precivity は、CSF中よりも血漿中のAβ42/40比の変化を何年も前から検出できることを報告し、

脳のAβ42クリアランスの遅れがADの初期症状の1つである可能性が示唆されました。

アミロイド陽性者と陰性者の差が小さい事が懸念されていますが、現在進行中の AHEAD3 および AHEAD45 の二次予防試験において、Precivity はスクリーニングに使用されています。

CSF/血漿中タウ

タウの体液マーカーとしては、血漿中 p-tau181 がアミロイドや脳萎縮だけでなく、神経障害や認知機能低下も予測できる事が報告されました。

また、p-tau231がリン酸化タウとして最初に上がってくる可能性や、CSF/血漿中のグリアのマーカー(GFAP, YKL40)がそれよりも早い段階で上昇してくる可能性などが報告され、

現在 19種類の血漿中のタンパクを調べる事で、97%の精度でAD発症を予測できる、と考えられています。

イメージング

去年はイメージングの分野も躍進しました。

MRI上の青斑核(locus coeruleus, LC)の変性が早期ADのバイオマーカーと相関することが報告されました。

LCは最初にタウタングルが溜まる所ですが、細胞群が非常に小さいので、現在のタウPETでは検出できません。

けれどもMRIで変性を見ることで、早期ADでの変化を捉える事が可能ということがわかりました。

またアミロイドPETの研究では、ある一定レベルのAβが脳内に蓄積した段階(SUVR 1.2)からAD発症までを予測可能、という報告もありました。

一方で、タウPETも、早期ADの認知機能低下を予測できる、という報告があり、イメージングの精度もどんどん上がってきているようです。

ジェネティックス

去年の報告で、家族性ADの新たな変異として、APP の Uppsala変異が報告されました。

また、ゲノムワイド関連解析(genome-wide association study, GWAS)も、他の解析法と組み合わせ(eg. PWAS x GWAS, TWAS x GWAS)、新たなリスク遺伝子を同定しました。

ミクログリア

多機能ミクログリア。その機能も、毎年少しずつ解明されてきています。

2021年には、シナプス可塑性に関与するミクログリアのサブタイプが報告され、

ミエリンをすり減らすミクログリア "White-matter-associated microglia (WAM)" がAβプラーク形成を助長する、という報告もありました。

他にも、ミクログリアがリソソームをゴミ圧縮機のように利用して、Aβを圧縮し、Aβコアプラーク内に吐き出している、というエビデンスも出ており、この機能によってミクログリアは毒性の高いAβが拡散するのを防いでいる可能性が示唆されました。

一方で、ミクログリアの活性化がタウの広がりに先行する、という報告もあり、

タウ伝播だけでなく、Aβの伝播にも関与する可能性を示唆する報告もありました。

結局、ミクログリアはAD病理に対して良い働きも悪い働きもしているような感じで、まだまだわからない事だらけ、という印象です。

新しく作製されたAPPノックインマウスでは、Aβプラークが大量に沈着するのに並行して、ADでみられるようなミクログリアの転写プロファイル(TREM2の上昇、プラークを取り込むグリア内にAβと脂質が取り込まれる etc.)が観察され、Aβとミクログリアの関係を明らかにするツールの1つとして期待されています。

アストロサイト/APOE

数年前まではミクログリアの影に隠れがちだったアストロサイトの機能についても、続々と報告されるようになりました。

アストロサイトは、リソソームが機能しなくなると、その小器官と内容物を細胞外に捨てて、それによって近くにいるニューロンを殺してしまうこと、

アストロサイトの神経毒性が長鎖脂肪酸に起因し、ELOVL1という脂質エロンガーゼを処理すると反応性アストロサイトが抑制されること、

タウオリゴマーに晒されたアストロサイトは老化状態に入り、老化を近傍の細胞に伝播させるタンパクを放出、これによってタウの毒性を悪化させ、タウ伝播を促進すること、

などが報告されました。

専門家の間では、多様な反応性アストロサイトをうまく表現する terminology はないかと検討中らしいです。

また、アストロサイトと他の細胞とのクロストークに関する研究も報告されました。

アストロサイトーミクログリアのクロストークに関しては、ADでミクログリアがより多くのIL-3受容体を作り、アストロサイト由来のIL-3によってミクログリア細胞表面受容体TREM2の下流シグナル伝達が強化され、Aβ除去が促進される、という報告がありました。

アストロサイトとAPOEについても去年多数報告があり、APOE4を発現するアストロサイトは、不飽和脂肪酸を蓄積する事や、

ヒトAPOE発現マウスでアストロサイトのAPOE4を特異的に欠失させると、タウ毒性および神経変性が改善する事が報告されました。

APOEに関しては、エンドソーム・リソソーム系を介したリサイクリングの促進が治療ターゲットとなる可能性も示唆されました。

APOE4は、初期エンドソームのpH6.4で粘着性を帯び、この小胞のpHをほんのちょっと下げるだけでAPOE4のトラフィッキングを改善し、アミロイドーシスを抑制する効果が有ることが報告されました。

またAPOEがエンドソームの取り込まれる際に結合するLDL受容体の発現を上げると、APOEレベルが減少し、ミクログリアの活動を抑え、タウオパチーマウス(P301S)のタウ毒性を和らげる事も報告されました。

免疫細胞

去年は、硬膜に存在する免疫細胞について色々と驚きの結果が報告されました。

頭蓋骨の骨髄には単球とB細胞で満たされている事が発見され、これらの細胞は頭蓋内の狭い通路を通って髄膜に押し出されます。

この細胞はB細胞やT細胞が成熟する場所である脾臓や胸線に行くことはなく、もっと言えば血管に入る事もなく、そこから炎症性シグナルに反応して脳実質や脊髄に浸潤していきます。

このような適応免疫細胞の "private stock" は、脳を "自己" として区別し、このような特別な機能を与えたのではないかと考える科学者もいるようです。

 

一方で、頭蓋骨の骨髄の役割に懐疑的な人達もいるようです。

ある研究チームは、髄膜自体がB細胞を生成している事を報告しており、シングルセルRNA-Seqで、硬膜に成熟および未熟なB細胞のニッチがあることがわかりました。

これらの機能は、加齢に伴う神経変性疾患において、重要な発見と言えると思います。

脳の髄膜リンパドレナージがAβやα-シヌクレイン(α-synuclein, α-syn)等、異常タンパクの排泄に重要であることも続々と報告されていますし、

加齢によって髄膜のCCR7+リンパ球が減り、認知機能が悪くなることも報告されました。

また、末梢の免疫細胞に関しても重要な報告がありました。

パーキンソン病では、T細胞がα-Synを認識して血管内からレヴィ小体の周囲に動員される様子が観察され、炎症性サイトカイン IL-17A を放出するようです。

これら末梢の免疫細胞達がどのようにして血液脳関門(blood-brain barrier, BBB)を通過するのかはまだ完全には解明されていません。

去年プレプリントで報告(今年Natureに掲載)された、人の脳血管系の高解像度発現マップは、この疑問や血管と神経変性に関するその他の疑問の解決に役立つかもしれません。

この報告では、剖検脳から血管や血管周囲の細胞を分離する方法を発見し、single-nuclei RNA-Seq を行いました(VINE-Seqと命名)。

この方法により、新しいタイプのペリサイトや繊維が細胞が同定された他、血管細胞がADリスク遺伝子上位45個のうち30個を発現している事が明らかになり、ADにおける血管細胞の役割について新たな情報を提示することとなりました。

また、同様のシングル核による空間発現解析により、マウスが加齢するにつれて、脳室を取り囲みCSFを生成する血管網である脈絡叢で炎症が急速に進行することがわかりました。

プロテイノパチー

去年のAβプラークに関する報告では、まずAβ42が高密度コアを作り、その周囲をAβ38が取り囲むようにして沈着する様子が観察されました。

タウ

タウに関しては、これまで神経原線維変化はほぼ死骸のように考えられていましたが、実は1週間程度の半減期でタウ凝集体が出たり入ったりしている事がわかりました

またAβプラークや神経原線維変化はAβやタウ以外にも多くのタンパクで構成されているようで、メチル化RNAとそのタンパクパートナーであるHNRNPA2Bがタウと結合し、ADの進行に伴って神経原線維変化内に蓄積することが報告されました。

タウ病理がどのように広がるかについては、ある領域から関連領域にタウが移動していく事や、一部の脆弱な細胞でシードが新たに複製される事などでADや関連疾患の進行が決まるのではないかと考えられていましたが、去年報告されたアミロイド成長の速度論的モデルでは、後者の可能性が強そうです。

このモデルでは、タウの種が複製されることで蓄積ペースが決まり、拡散はごく僅かな役割に留まる事を示唆しています。

では何が細胞を脆弱化させるのか、この疑問に対して、single-nucleus RNA-Seq の研究が解決の緒を提示しました。

この報告では、興奮性ニューロンのサブセットが、神経原線維変化の近くで発見され、転写因子RORBを発現している事を指摘しています。

Cryo-EM

プロテイノパチー全般に関しては、去年も cryo-EM が大活躍しました。

これまで cryo-EM で色々なタウオパチーの構造を解明してきたMichel Goedertらのグループが、cryo-EM上の構造を元にしたタウオパチーの新たな分類を提唱しました。

また、TDP-43 凝集体の cryo-EM 構造も報告され、これで主な神経変性疾患の原因タンパク凝集体のほとんどが cryo-EM で解析されたと言えそうです。

ビッグデータ

今まで論文を読んできて、「ビッグデータを扱った研究が最近凄く増えているなー」と思います。

機械学習やAIなどの技術が進んだお陰で、それまでは不可能だった事が可能になってきている印象です。

勿論、頑張って宝探しをしても無駄骨に終わることも多いっぽい印象もありますが、解析手法や出てきた結果などは着実に進歩していると思います。

 

去年報告されたビッグデータからわかった事といえば、RNA-seqでADに3つの異なるタイプ

  • Aβプラーク、神経原線維変化、神経炎症を伴う典型的なタイプ
  • タウ病変が顕著にみられるタイプ1
  • タウ病変が顕著にみられるタイプ2

がある事や、

タウの広がりにも4種類ある事

  • 辺縁系タイプ
  • 内側側頭葉タイプ
  • 後頭葉タイプ
  • 外側側頭葉タイプ

などが挙げられます。

また、single-nucleus RNA-Seq で、常染色体顕性ADに特有の細胞集団が発見されました。

またオミックス解析は、AD脳の初期変化を捉えるためにも使用され、プレプリントの報告では、ADの異なるステージで発現量が変化する53のタンパク質が同定されました。

エンドサイトーシスやシナプスでkのうするタンパクは、前臨床段階で変動しており、さらに45-70歳の健常人トランスクリプトーム解析から、将来ADになりそうなタンパク発現プロファイルを同定しました。

 

さらに(これは本当に超大作といえると思いますが)、オミックス解析を電験、超解像度顕微鏡、蛍光顕微鏡、質量分析と組み合わせる事で、樹状突起スパインを精密に描画することに成功しました。

この "nanoscopy" 法は、ADやその他の神経変性疾患でシナプスが失われた時に何が起こるかの重要な情報を提示しています。

また、"SynTOF(シナプス質量分析)" と呼ばれる新しい技術により、ADおよびコントロール脳の数百万個の個々のシナプスを分析することができるようになりました。

この研究では、CD47でコーディングされたスパインが、タウ病変を持つ人々で生き残る可能性が高いことを発見しました。

通常、この免疫受容体は癌と関連していますが、脳での研究はあまり進んでいませんでした。もしかしたら、ミクログリアがスパインを刈り取る際に "don't eat me" シグナルを出しているのかもしれません。

大規模なオミックスプロジェクトでは、特にデータ収集と解析の標準がないため、再現性が問題となります。

そこで昨年、NIHは「ヒト人工多能性幹細胞神経変性疾患イニシアチブ(iNDI)」を発表しました。

IPSCは広く使われており、多くの場合、神経細胞やグリアに分化し、病気のリスクや進行のモデルとして役立っています。

iNDIは、神経変性に関連する134種類の遺伝子変異のいずれかを健康なドナー細胞に持たせ、分化した細胞やデータを利用できるようにするものです。

ウイルスと認知症

去年もCOVID-19がひたすら猛威を奮っていましたが、一方で、COVID-19と認知症に関する研究もたくさん発表されました。

報告によると、COVIDは既存の神経変性疾患の病態を悪くする可能性があり、特に ApoE4 キャリアの人たちはコロナウイルスに感染しやすく、重症化もしやすいようです。

さらに、スパイクを含むSARSキャプシド糖タンパク質は、アミロイド形成タンパク質を拡散させる細胞外小胞の放出を促進する可能性があることもわかりました。

さらに、SARS-CoV-2はライソゾーム受容体TMEM106Bを発現する細胞にのみ感染することが判明しました。

この遺伝子はADやFTDのリスク変異が知られていますが、それがCOVIDに影響するかは未だ不明です。

他のウイルスについては、単純ヘルペスとADのリスクに関する論争が続いています。

2021年に行われたある研究では、ヨーロッパ4カ国で一貫した相関は認められませんでしたが、スウェーデンの50万人以上を対象とした別の研究では、未治療のヘルペス感染が、特にApoE4キャリアにおける高い認知症リスクに関係していることが示唆されました。

個人的な振り返り

こうしてAlzforumの1年のまとめ記事を眺めていると、ほとんどの内容は把握していましたが、記事にするつもりでそのまま書かなかった論文も多かったなーと思いました。

単純にテクニシャンが外れて執筆作業に宛がう時間が激減した、という事が理由ではありますが、

書かないくらいだったらさらっとでも書いた方が良さそうだなー、と思います。

Twitterではほぼ毎日配信していましたが、やっぱり記事にした方が、自分の理解が曖昧な部分も可視化されるし、記憶の定着も良いようです。

 

とゆーことで、今年は「さらっとでも書く」事を目標の1つに加えようと思いました。

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