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アルツハイマー病

APOE4は進行期ADでCypAを介して血管障害を起こすが、そのメカニズムはAβ非依存的

APOE4は、孤発性アルツハイマー病 (Alzheimer’s disease, AD) の最大のリスク多型ですが、 動脈硬化による心筋梗塞や脳梗塞を起こすリスクも高く、血液脳関門(blood-brain barrier, BBB)など、血管障害のメカニズムについても研究が進んでいます。   アメリカ・カリフォルニア大学の Dr. Zlokovic らの研究グループは、以前、 […]

Klotho-VSヘテロを持つ人達は、Aβ依存的タウの沈着および認知機能低下が少ない。

昨年、寿命に関わる膜タンパク Klotho遺伝子 の、F352V (rs9536314) とC370S (rs9527025) の二つのミスセンス変異をヘテロで持つ人達(Klotho-VShet)はアルツハイマー病 (Alzheimer’s disease, AD) になりにくいという論文を紹介しましたが[1] 、 今回、ドイツ・ミュンヘン大学の Dr. Neiuzel、Dr. Ewe […]

ニューロンのAPOEは免疫系を介してアルツハイマー病の神経障害に寄与する

アポリポタンパクE (Apolipoprotein E, APOE) は、孤発性アルツハイマー病 (Alzheimer’s disease, AD) の最大のリスク多型ですが、その多くはアストロサイトから分泌されます [1]。 以前、アストロサイト由来のAPOEがAD病理に与える影響について取り上げました [2, 3]。 でも、ニューロンから極わずかに分泌されているAPOEも、ADの病 […]

将来アルツハイマー病になるかどうか、凄い精度で診断するツール

アルツハイマー病 (Alzheimer’s disease, AD) のバイオマーカーは年々進化していっているように感じています。 私が修練医だった頃は、髄液中Aβ42/40比の有用性は報告されていたものの、たいていは神経診察と脳MRI、SPECTやFDG PETくらいで診断していました。 今では、アミロイドPETに加えてタウPETが登場し、近年は髄液中ではなく血漿のリン酸化タウが測定 […]

加齢により髄膜のCCR7+リンパ球が減り、認知機能が悪くなる

脳の髄膜リンパ管が “再発見” されてから [1, 2]、神経変性疾患と髄膜リンパ管との関連についての研究が立て続けに報告されています [3, 4, 5]。 それと並行して、髄膜内の免疫系についても注目が集まっているようです (Glossary 参照)。 今回、アメリカ・メイヨー・クリニックの Dr. Mesquita, Dr. Kipnis らの研究グループは、 加齢によ […]

タウのアセチル化がシャペロン介在性オートファジーを抑制し、タウ病理を促進する

アルツハイマー病 (Alzheimer’s disease, AD) の主要病理の一つ、タウは、リン酸化の他、アセチル化、ユビキチン化、SUMO化、ニトロ化など、色々な翻訳後修飾(post-translational modification, PTM)を受けており、様々な機序で病態に関与すると言われています。 今回、アメリカ・アインスタイン メディカルセンターの Dr. Cuervo […]

アルツハイマー病のタウ病理の広がり方は4種類

アルツハイマー病 (Alzheimer’s disease, AD) の主要病理の一つ、神経原線維変化 (neurofibrillary tangles, NFTs) は、主に過リン酸化タウで構成されています。 このタウ病理の広がり方については、Dr. Braak の提唱する「Braak仮説」が最も有力とされています [1]。 ただ、実際の AD 患者さんの脳MRIをみていると、Pos […]

ミクログリアが Aβのコア・プラークを作っていた

Alzheimer’s disease (AD) の 主要病理の一つである アミロイドβ (Amyloid beta, Aβ) プラークですが、その形態によって、いくつかの種類に分かれています [1, 2]。(Glossary参照) その中でも、孤発性 AD の脳内で多くを占める Aβプラークは、 中心にコアを持つ、典型的老人斑 (cored plaques) 中心にコアを持たない、び […]

アストロサイトのAPOE4を除去するとタウ介在性神経障害が改善する

先日アポリポタンパクE4(Apolipoprotein E4, APOE4)とタウについての論文を紹介しましたが[1]、 その記事を書いた翌日に同じラボからこの論文が出たので、 「どーしよーかなー。」 と思いましたが、ついでに紹介。 アメリカ・ワシントン大学のDr. Holzmanらの研究室からの報告です[2]。 アストロサイトのAPOE4を除去するとタウ介在性神経障害が改善する APOEは、脳内 […]

アンチセンスオリゴでAPOE4を減らすとタウマウスの神経障害が改善する

アポリポタンパクE4(Apolipoprotein E4, APOE4)は、アルツハイマー病(Alzheimer’s disease, AD)の強力なリスク因子として注目されています [1]。 APOE4のAD増悪の機序としては、アミロイドβ (Amyloid β, Aβ)の凝集促進やクリアランス低下、タウを介した神経障害、血管系の異常など、様々報告されてきました。   アメ […]

内因性のタウを持続的に抑制すると、アルツハイマー病モデルマウスのタウ病理が改善する

異常に凝集したタウを取り除く事は、アルツハイマー病 (Alzheimer’s disease, AD) 治療ターゲットの1つですが、 「内因性のタウを減らせば、異常タウによる病態もよくなるんじゃ?」 という考えから研究し、 内因性タウを抑制して認知機能が改善したり [1]、アミロイドβ (Amyloid beta, Aβ) による神経障害が改善したり [2]、といった結果が報告されてい […]

TREM2欠損のAβ&タウ病理への影響

TREM2 (triggering receptor expressed on myeloid cells 2) は、脳内ミクログリアに発現するレセプタータンパク [1, 2]で、この遺伝子の変異はアルツハイマー病 (Alzheimer’s disease, AD) のリスクとなることが知られています [3]。 TREM2とAD病理との関係で最も研究が進んでいるのは、ミクログリアのアミ […]

ドナネマブの第2相臨床試験の結果:良好!

アルツハイマー病 (Alzheimer’s disease, AD) の疾患修飾療法 (disease modifying therapies, DMTs) の1つとして注目されているアミロイドβ (Amyloid beta, Aβ) の免疫療法ですが、 現時点で第3相, 第2/3相臨床試験まで進んでいる「Aβ受動免疫療法」は、下記4つ [1]。 アデュカヌマブ (Aducanumab […]

低用量で効果的なγセクレターゼモジュレータ

アルツハイマー病 (Alzheimer’s disease, AD) の主要病理の1つ、アミロイドβ (Amyloid beta, Aβ) 。 Aβは、アミロイド前駆蛋白 (Amyloid precursor protein, APP) から、β切断・γ切断と2段階の切断を受けて産生されますが、 その切断の仕方により、様々な大きさのAβが産生されます [1]。 Aβの種類 割合 Aβ3 […]

アルツハイマー病で特に障害されやすい細胞の共通点:RORB

脳神経内科が取り扱う神経変性疾患の多くは、疾患ごとに特定の部位の神経細胞が障害されやすくなっており、それに伴って疾患特異的な神経症状を呈します。 例えば、 アルツハイマー病 (Alzheimer’s disease, AD) やレヴィ小体型認知症 (Dementia with Lewy bodies, DLB) :前脳基底核のコリン作動性神経細胞 パーキンソン病 (Parkinson& […]

Rab5の発現を上げると、エンドソーム障害とともにAD-likeな病理病態が起こる

アルツハイマー病 (Alzheimer’s disease, AD) では、エンドソームの機能障害が確認されており [1]、 エンドソームの機能障害は、アミロイドβ (Amyloid beta, Aβ) の沈着より先に生じる事が、ダウン症の患者さんや早期AD患者さんで確認されています [2, 3]。 以前このブログでも、エンドソームの膨張にフォーカスした論文を紹介しました [4]。 今 […]

Uch-L1 → Cdk5 → Drp1 のトランスニトロシル化が、ADのシナプス障害に関与する

過剰な一酸化窒素(nitric oxide, NO) は、神経障害をきたし、アルツハイマー病 (Alzheimer’s disease, AD) やパーキンソン病 (Parkinson’s disease, PD) 等、神経変性疾患の病態に関与すると言われています [1, 2, 3]。 特に、Drp1のS-ニトロシル化 (SNO) は、ミトコンドリアの分裂を促進し、シナプス […]

ADタウの翻訳後修飾について網羅的に解析

アルツハイマー病(Alzheimer’s disease, AD)の主要病理の一つに、 「過剰にリン酸化したタウが凝集体を作り、それが脳内を広がっていく」 事はよく言われていますが、 タウは通常の脳でも、多くの部位がリン酸化しており、 他にも、ユビキチン化、アセチル化、メチル化、SUMO化、ニトロ化、糖化 etc. 様々な翻訳後修飾(post-translational modific […]

Alzforum: 2020年のまとめと2021年の展望

アルツハイマー病 (Alzheimier’s disease, AD) 等の変性疾患を研究する人達ならほぼほぼお世話になっているであろう、Alzforum。 今年も例年通り、2020年のまとめと、2021年の展望を発表しました。 2020年を振り返って 昨年は、COVID-19の影響で、AD患者さんは、社会的隔離による認知症症状の悪化に苦しみました。 また、研究者達にも大きな影響を与え […]

Aβプラークの新しいタイプーcoarse-grained plaqueー

アルツハイマー病(Alzheimer’s disease, AD)の2大病理といえば、 アミロイドβ(Aβ)プラークと神経原線維変化(NFT)ですが、 Aβプラークには、その形態や構成Aβによって、いくつかの種類に分類されていました [1]。 Fibrillar plaques : 30–100 µm, Aβ+, 認知機能との相関あり compact / cored-only plaq […]

脳外科手術でアミロイドは伝播するか?

以前、死後脳の下垂体から抽出・精製したヒト由来成長ホルモン(human cadaveric pituritary-derived grouth hormone:c-hGH)投与が原因で、数年~数十年後に脳アミロイドーシスを発症した症例の解析について取り上げました [1, 2]。 他にも、硬膜移植での伝播も報告されています [3, 4] 。   これらの手術は、現在行われていませんが、 医 […]

p-tau217は、血漿測定でも優秀

以前、p-tau181が血漿サンプルで測定可能で、かなりアルツハイマー病(Alzheimer’s disease, AD)特異的なバイオマーカーになり得る [1, 2]、という話(こちら)をしました。 また、別のタウリン酸化サイト、p-tau217を脳脊髄液(cerebrospinal fluid, CSF)で測定したところ、p-tau181よりも感度・特異度が優れていた [3, 4] […]

SORL1欠失ニューロンでは初期エンドソームが膨らむ

アルツハイマー病 (Alzheimer’s disease, AD) では、 アミロイドβ (Amyloid beta, Aβ)の凝集・沈着 タウの細胞内凝集 が2大病理ですが、 細胞内病理の一つとして、エンドソームの膨張も特徴的だとか1。 Aβに関しては、アミロイド前駆蛋白 (Amyloid precursor protein, APP) のトラフィッキングがAβ産生に影響しますが、 […]

Klotho-VSヘテロは、APOE4に打ち勝つ

Klotho (KL) は、寿命に関わる膜タンパクとして注目されている。 F352V (rs9536314) とC370S (rs9527025) の二つのミスセンス変異は、機能的ハプロタイプKL-VSとして知られており、Klothoタンパク質の分泌や機能に影響を与える。 このKL-VSのヘテロ接合体(KL-VSHET+)では、血漿中KLレベルが上昇し、ホモ接合体に比べると健康長寿であると報告され […]

LRP1がタウ取り込みの鍵?

アルツハイマー病(Alzheimer’s disease, AD)や前頭側頭葉変性症(frontotemporal lober degeneration, FTLD)で主要な病的タンパクとして注目されているタウが、細胞間を伝播して脳内を広がっていくことはコンセンサスとなっている。 今まで、ヘパラン硫酸プロテオグリカン(Heparan sulfate proteoglycans, HSP […]

軽度行動異常の段階でAβが溜まっている

高齢者の認知機能障害に先立ち、軽度行動異常(mild behavioral impairment, MBI)が起こる事がある。 カナダCalgary大学のGauthierらのグループは、症状のない高齢者を対象に、MBIとアルツハイマー病(Alzheimer’s disease, AD)バイオマーカーに相関があるかどうかを調べた。 軽度行動異常の段階でAβが溜まっている 方法: 96人の […]

アスピリンは認知機能低下を防げなさそう

Aspirin in Reducing Events in Elderly (ASPREE) studyの結果が発表された。 インシデントのアルツハイマー病(Alzheimer’s disease, AD)、軽度認知機能障害(mild cognitive impairment, MCI)、その他の認知機能低下の患者さんを対象に、低用量アスピリンが認知機能低下を防げるかコホート研究を行っ […]

血漿中P-tau181はADの有望なマーカーとなり得る

先月のNature Medicineに抱き合わせで発表された、血漿P-tau181に関する報告を2報紹介します。 血漿中P-tau181はADの有望なマーカーとなり得る スウェーデン・Lund 大学からの報告 1つ目の論文はこちら (概要) アルツハイマー病(Alzheimer’s disease, AD)では、血漿中のタウ181のリン酸化が増加している模様。 スウェーデンのLund大 […]

歯状回苔状細胞のシナプス障害/記憶障害にmiR-128のSTIM2抑制が関与する

中国华中科技大学(Huazhong University of Science and Technology)のLuらのグループは、以前、歯状回にある苔状細胞(mossy cells, MCs)は、記憶の正確性に関与するという事を報告していた。 アルツハイマー病(Alzheimer’s disease, AD)では、細胞死よりも先にシナプス障害がおこると報告されている。であれば、 海馬 […]

血漿中のタウ/ニューロフィラメント/Aβは認知症のバイオマーカーとして有効

脳脊髄液(cerebrospinal fluid, CSF)中のタウ、ニューロフィラメント(neurofilament light chain, FfL)、アミロイドβ(Aβ)は、アルツハイマー病(Alzheimer’s disease, AD)のバイオマーカーとして広く使われている。 より非侵襲的な血漿で同じように測定できないだろうか?   英Wolf、蘭Ghanbariら […]

アルツハイマー病にフェロトーシスが関与?

アルツハイマー病(Alzheimer’s disease, AD)では、βアミロイド(Amyloid beta, Aβ)やタウ病理と共に、鉄代謝の障害が起こっている。 フェロトーシスは最近同定された鉄依存性の細胞死であるが、AD病理との関連は明らかではなかった。 英King大学のSoらのグループは、タンパク解析やメタボローム解析などを組み合わせて、AD患者(n = 7)と認知機能正常コ […]

SERP1はγセクレターゼ機能を調節してAβ産生に関与する

γセクレターゼは、アミロイド前駆タンパク(amyloid protein precuror, APP)を切断し、アミロイドβ (amyloid beta, Aβ)産生に関与する。 γセクレターゼの機能を調節する分子機構はいくつかあるが、Notchシグナリング等、APP以外のγセクレターゼ機能にも影響してしまうため、アルツハイマー病(Alzheimer’s disease, AD)への臨 […]