Brain-2020-血漿バイオマーカー

脳脊髄液(cerebrospinal fluid, CSF)中のタウ、ニューロフィラメント(neurofilament light chain, FfL)、アミロイドβ(Aβ)は、アルツハイマー病(Alzheimer's disease, AD)のバイオマーカーとして広く使われている。

より非侵襲的な血漿で同じように測定できないだろうか?

 

英Wolf、蘭Ghanbariらの研究グループは、2002-2005年のロッテルダムスタディーの参加者4444人について、その後2016年までのフォローアップデータ(血漿と臨床データ)を解析した。

血漿中のタウ、NfL, Aβ40, Aβ42の量はSimoa NF-light(R)とN3PAアッセイで測定した。

 

フォローアップ期間中(14年間)に549人が認知症を発症し、うち374人がADと診断された。

 

血漿中Aβ42レベルのベースラインが高い人はAD発症のリスクが低かった。(adjusted hazard raito (AHR) 0.61, 95% confidence interval (CI), 0.47-0.78; P < 0.0001)。

 

反対に、血漿中のNfLレベルのベースラインが高い人は、認知症およびADの発症リスクが高かった。

  • 認知症発症リスク:AHR 1.59, 95% CI, 1.38-1.83; P < 0.0001
  • AD発症リスク:AHR 1.50, 95% CI, 1.26-1.78; P < 0.0001

 

血漿中のAβ42↓、NfL↑ を組み合わせると、強い認知症およびAD発症リスクとなった。

  • 認知症リスク:AHR 9.5, 95% CI, 2.3-40.4; P < 0.0001
  • AD発症リスク:AHR 15.7, 95% CI, 2.1-117.4; P < 0.0001

 

観察期間中、血漿中のタウやAβのレベルは認知症発症と相関しなかったが、

NfLレベルは、認知症発症群が非発症群と比較して3.4倍速く増加し(P < 0.0001)、ADと診断される9.6年前から増加していた。

Aβ42レベルはADと診断される数年前から低下していたが、有意差はでなかった。

 

以上の結果から、血漿中の Aβ42↓/NfL↑ は、認知症発症およびAD発症のバイオマーカーとして有用である事が示唆された。

血漿中NfLの増加は、AD特有のではないけれども、ADによる認知症の進行をモニターするツールとして有用であると考えられた。

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