TMEM106Bのコア蛋白の蓄積がTDP-43の病態に関与
TMEM106Bは、TDP-43陽性封入体を伴う前頭側頭葉変性症(frontotemporal lobar denegeration with TDP-43 immunoreactive inclusions, FTLD-TDP)のリスク遺伝子として同定されました [1]。 またTDP-43タンパク凝集体はFTLD [2] や辺縁系優位型加齢性TDP-43脳症(limbic-predominant […]
TMEM106Bは、TDP-43陽性封入体を伴う前頭側頭葉変性症(frontotemporal lobar denegeration with TDP-43 immunoreactive inclusions, FTLD-TDP)のリスク遺伝子として同定されました [1]。 またTDP-43タンパク凝集体はFTLD [2] や辺縁系優位型加齢性TDP-43脳症(limbic-predominant […]
先日、TDP-43プロテイノパチーにおける cryptic exons の発現が筋萎縮性側索硬化症(Amyotrophic lateral sclerosis, ALS)などで発症前から増加するという論文 [1] を紹介しましたが、 cryptic exonsは、ALSや前頭側頭型認知症(fronto-temporal dementia, FTD)だけではなく、アルツハイマー病 (Alzheime […]
TAR DNA-binding protein 43(TDP-43)には様々な機能が報告されていますが、その中でも重要なものとして、「遺伝子を正確に転写させる機能」があります。 筋萎縮性側索硬化症(Amyotrophic lateral sclerosis, ALS)や 前頭側頭型認知症(fronto-temporal dementia, FTD)などのTDP-43プロテイノパチーでは、このTDP […]
TMEM106Bは、後期エンドソーム/リソソームの膜タンパクで、TDP-43プロテイノパチーのリスク多型となる遺伝子の一つでもあり [1]、以前から注目されていました。 特に昨年、FTLD-TDPや、普通のAging脳内にTMDM106B凝集体がたくさん存在していたという事で [2, 3, 4] 、このブログでも3回に渡って詳しく取り上げました。 この論文が出てすぐ、あちこちのラボで「これまでの脳 […]
タンパク質は、通常、20種類のアミノ酸がバランス良く含まれている事が多く、それらのタンパク質はAnfinsenのドグマに従い、特定の構造に折りたたまれます。 しかしながら、20%程度のタンパク質の中には、限られた種類のアミノ酸のみで構成された領域がみられ、これらは低複雑性ドメイン(low-complexity domain, LCD)と呼ばれています。 このLCDは、細胞内での液液相分離(liqu […]
先日、TDP-43の凝集体はアミロイドフィブリル状の構造をしておらず、もっとグチャッとしている……のような内容の論文 [1] について考察しましたが、 それに関連して……今回は、TDP-43のC末断片(TDP-25)凝集体のお話。 TDP-43凝集体の構成成分の中に25-35kDaのTDP-43C末断片が多く存在しているという報告があり、これはTDP-43封入体を持つ前頭側頭葉変性症 […]
TMEM106B凝集体のcryo-EM解析第3段。 前回までのおさらいですが、最近、TMEM106B凝集体に関する論文がCellに1報、Natureに2報掲載されました。 Cellの論文は、アメリカ・コロンビア大学のDr.Fitzpatric、カナダ・英コロンビア大学のDr.Mackenzieらの研究グループからで、FTLD-TDP, PSP, DLBの患者さんの脳内でTMEM106Bの凝集体があ […]
前回 [1] に引き続き、 TMEM106Bに関する論文。 今回は、Nature誌に掲載された、イギリス・MRC研究所のDr. Goedert、Dr. Scheresらの研究グループからで、色々な神経変性疾患の他、健常高齢者の脳内でもTMEM106Bの凝集体が観察された、というcryo-EMでの解析 [2]。 ざっくりおさらいですが、TMEM106Bは274aaのII型膜貫通型蛋白で […]
先日、TMEM106Bに関する驚きの論文がCellに1報、Natureに2報掲載されました。 Cellの論文は、アメリカ・コロンビア大学のDr.Fitzpatric、カナダ・英コロンビア大学のDr.Mackenzieらの研究グループからで、FTLD-TDP, PSP, DLBの患者さんの脳内でTMEM106Bの凝集体があることをcryo-EMとMSの解析から明らかになった、というもの [1]。 N […]
前頭側頭葉変性症(Frontotemporal lobar degeneration, FTLD) は、人格変化、情動異常、言語障害などを特徴とする認知症の1つで、若年性認知症(65歳以下)の症例数としては、アルツハイマー病(Alzheimer’s disease, AD)に次いで2番目に多いとも言われています [1]。 この疾患は遺伝学的、病理学的観点から、筋萎縮性側索硬化症(Amy […]
筋萎縮性側索硬化症 (Amyotrophic Lateral Sclerosis, ALS) は、主に上位下位の運動神経が障害されていく疾患で、約10%が家族性、90%が孤発性に発症します。 ALSで同定されているものの中で最も多い遺伝子変異は C9orf72の6塩基反復配列の伸長で、家族性ALSの約40%、孤発性ALSの約8%に認められています。 C9orf72がALSを発症する機序の一つとして […]
「頭部外傷 (traumatic brain injury, TBI) 」には、 一回の強い外傷によって生じる頭部外傷 複数回の慢性的な外傷によって生じる脳障害 に分けられます。 後者の中に、「慢性外傷性脳症 (chronic traumatic encephalopathy, CTE) 」も分類されます。 CTE は、複数回の頭部外傷後に進行性の認知機能低下を生じる神経変性疾患です [1]。 ボ […]
筋萎縮性側索硬化症 (Amyotrophic Lateral Sclerosis, ALS) は、特に運動ニューロンの障害を特徴とする神経難病です [1]。 この運動神経の変性・細胞死が進行することで、数ヶ月から数年のペースで四肢体幹の筋肉が萎縮していき、呼吸筋の萎縮により自力での呼吸も難しくなります。 TDP-43は、2006年にALSと前頭側頭葉変性症(Frontotempora […]
筋萎縮性側索硬化症 (Amyotrophic Lateral Sclerosis, ALS) 前頭側頭型認知症 (frontotemporal dementia, FTD) の2疾患には神経細胞内のTDP-43凝集体を主要病理とする症例が多く報告されており、このような症例は 「TDP-43プロテイノパチー」に分類されます。 家族性ALS/FTDで最も多く報告されている遺伝子変異は、「C9orf72 […]
TAR DNA-binding protein 43 (TDP-43) は、筋萎縮性側索硬化症 (amyotrophic lateral sclerosis, ALS) や前頭側頭葉変性症(Frontotemporal lobar degeneration, FTLD)内に見られる凝集蛋白として同定されました [1] が、 その後、高齢者の脳内に凝集体として高率に存在することが明らかとなり、それら […]
今回は、前頭側頭葉変性症(Frontotemporal lobar degeneration, FTLD)の約半数を占める 「TDP43凝集体を伴うFTLD(FTLD-TDP)」 …に深く関与する、 ProgranulinとTMEM106bについてのお話。 研究の背景 Progranulin Progranulin(PGRN)は成長因子の一種であり、 細胞増殖、腫瘍形成、創傷治癒、発達、炎症etc […]
心機能障害、糖尿病 (diabetes mellitus, DM)、心血管障害 (cardiovascular disease, CaVD) は、アルツハイマー病病理(Alzheimer’s disease neuropathologic change, ADNC)を持つ患者の認知機能低下の要因として知られている。 今回、スウェーデン・Uppsala大学病院のDr. IrinaとDr. […]
以前は全く別の疾患と考えられていたものが、共通のリスク因子や病理を持つことが多いという認識が広まり、神経変性疾患の枠組みも大きく変わってきていると感じます。 今回の論文は、frontotemporal lobar degeneration with TDP-43 (FTLD-TDP) の修飾因子としてGBASで上がってきたTMEM106Bが、 PD患者の認知機能低下とも関連していそう、 というお話 […]
前頭側頭型認知症(Frontotemporal dementia: FTD)と筋萎縮性側索硬化症(Amyotrophic lateral sclerosis: ALS)は共通の臨床症状、遺伝子異常、病理像を呈する。 染色体9番目のオープンリーディングフレーム72(C9orf72)のイントロン1にある、6塩基の繰り返し配列(GGGGCC: C4C2)の拡張(700~数千回)は、ALS/FTDの中でも […]
筋萎縮性側索硬化症(Amyotrophic Lateral Sclerosis: ALS)の多くの症例と、前頭側頭型認知症(Fronttemporal dementia:FTD)の約45%の症例でDNA-binding protein 43(TDP-43)の機能障害が確認されている。 また、家族性ALSの症例の中にTDP-43遺伝子の変異も確認された。 しかしながら、TDP-43の異常と神経変性を […]
ALSや封入体筋炎等の神経変性疾患で、TDP-43タンパクは細胞体に凝集体を形成している。しかし、ほとんどの患者には、TARDBP(TDP43をコードする遺伝子)の変異はなく、発症のメカニズムは不明である。 Voglerらは、TDP-43が正常の筋再生に重要な役割を果たしていることを明らかにした。 TDP-43とRNAはアミロイド様の筋顆粒を形成し、筋再生に関与する 筋細胞体内のTDP-43陽性& […]