アデュカヌマブのFDA限定承認で注目を集める、アルツハイマー病 (Alzheimer's disease, AD) の免疫療法ですが、
もちろん、アミロイドβ (Amyloid beta, Aβ) だけでなく、もう一つの AD 主要病理であるタウに対する免疫療法(ワクチン、抗体療法)もどんどん開発され、続々と臨床試験が行われています。
今回、Axon Neuroscience SE社が、タウワクチン「AADvac1」の第二相試験の結果を報告しました。
AACvac1の第二層試験:ADAMANT
- 対象者:軽度AD
- 参加人数:196人
- 観察期間:24ヶ月間
- AADvac1の投与群
- AADvac1 40 μg / dose:117人
- プラセボ:79人
- 副反応の出現率
- AADvac1:84.6% (重症: 17.1%)
- プラセボ:81.0% (重症: 24.1%)
- 認知機能低下抑制効果:なし
- その他のバイオマーカー
- CSF中のNfL上昇率がAADvac1で低下
という感じで、
- 副反応の出現率はプラセボと有意な差はなく、安全性はまあまあOK
- 認知機能低下抑制効果はあまりはっきりしなかったけれど、NfL上昇率を抑制しているので、神経障害の程度を軽減できるんじゃないか
という極々淡い期待を抱かせる結果となりました。
Axon 社は参加人数を増やして Phase IIb 試験を予定しているとのこと。
次は認知機能に差がでるといいのですが……どうなるでしょうか?