今ラボでは、大きなグラントが無くなって、長年働いていた職員が次々と辞めていっています。
その日は突然やってきました。 ある日のミーティングでPIから短いアナウンスがありました。 「もうすぐ、大きなグラントが1つ終わる。更新はしていない。ラボの予算は大幅に減る。多くの人は雇えないから。」 &nb …
そして先日、私の研究のアシスタントをしてくれていたテクニシャンのお別れパーティーがありました。
彼女は、このラボに15年働いていました。
リストラを宣告されてから、彼女は自分で職を探し、近くの製薬会社への転職が決まりました。
PI達の対応はかなり冷たいものでしたが、彼女の友達は今までの彼女の功績を讃え、PI達に内緒でこっそりお別れ会を開いてくれたのです。
親しい人たちだけを呼び、シャンパンとケーキを準備してくれました。
また、今まで彼女と関わりのあった元ラボメンバーたちに連絡をとり、パーティー前にZoomで会って話ができるようにセッティングしてくれていました。
パーティーの前日、私は何か渡せる物がないかと、近所の雑貨屋さんを探しました。
ふと入った陶磁器専門店で、私は象の置物を見つけました。
白い陶器に、青をベースにした綺麗な模様が施されています。
その象は、鼻をまっすぐ上に伸し、まるで夢を掴もうとしているように、私には感じました。
お店の人に聞くと、象は「Goodluck and Happiness」の象徴とのこと。
彼女の新たな門出に相応しいんじゃないかと思い、それを買ってパーティーに持っていきました。
お別れは辛いですが、このラボが閉まるまでダラダラ在籍するより、転職先でもっと可能性を追求する方が彼女にとってはいい事なんだと思います。
まだ若いので、何でもできるはずです。
最後はCOVID-19の事を一時忘れて、皆で抱き合いました。
彼女の今後益々の活躍を期待しています。