CSFタウと認知機能低下

スペインAugust Pi i Sunyerバイオメディカル研究所のLorenaらの研究グループは、ADバイオマーカーと長期的な認知機能低下について検証した。

  • 対象者:認知機能正常者(cognitively and biologically normal, CBN; n = 32)
  • 認知機能評価:Ancient Farming Equipment Test; AFE-T
  • バイオマーカー:脳脊髄液(CSF)中タウ、MRI
  • 観察機関:18カ月

彼らは、CSF中タウの値で、CBNを2群に分けた。

  • CSFタウ ↓ :(tau < 228.64 pg/ml; n = 16)
  • CSFタウ ↑ :(tau > 228.64 pg/ml; n = 16)

MRIでは、voxel-based morphometry (VBM) で皮質のボリュームを測定した。

 

結果、

CSF中タウの値と、AFE-Tでの長期的な認知機能低下に相関があった。 (B = –0.17, p < 0.05; r = –0.414; p < 0.01)

CSF中タウ ↑ 群では、認知機能低下が顕著だった。(F(1,31) = 8.37; p < 0.01)

VBM解析では、内側側頭葉、中前頭葉、後部小脳のネットワークの皮質のボリューム低下とAFE-Tの結果とで相関がみられた。

以上の結果から、CSF中タウ増加は、その後の長期的な認知機能低下を示唆するマーカーとして有用と考えられた。

Reference

  1. Tort-Merino, Adrià et al. ‘Tau Protein Is Associated with Longitudinal Memory Decline in Cognitively Healthy Subjects with Normal Alzheimer’s Disease Cerebrospinal Fluid Biomarker Levels’. 1 Jan. 2019 : 211 – 225.
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