APOE-E136S (Christchurch) 変異がアルツハイマー病に打ち勝つメカニズム
以前、PSEN1-E280A変異という強力な家族性アルツハイマー病(Alzheimer’s disease, AD)の遺伝子変異を持ちながら、70歳まで認知症を発症しなかった、APOE3 R136S変異(Chistchurch変異、APOE3ch)の症例 [1] について取り上げましたが、 今回、米国ワシントン大学のDr.Holzmanらは、APOE3chのモデルマウスを作製し、マウス […]
以前、PSEN1-E280A変異という強力な家族性アルツハイマー病(Alzheimer’s disease, AD)の遺伝子変異を持ちながら、70歳まで認知症を発症しなかった、APOE3 R136S変異(Chistchurch変異、APOE3ch)の症例 [1] について取り上げましたが、 今回、米国ワシントン大学のDr.Holzmanらは、APOE3chのモデルマウスを作製し、マウス […]
「余計な事に気をとられず、タスクフォーカスしたい!」と思っているのは、私だけじゃないはず… 世の中にはタスクフォーカスのトレーニング法の本なども多数出版されており、需要は多いんじゃないかと思います。 時々「今日は集中できたー」と思う事があり、そんな時はちょっと賢くなったような気になりますが、 実際のところ、(少なくともマウスでは)賢くなる方向に神経回路が変化するみたいです。 今回、ア […]
運動がアルツハイマー病などの認知症予防に効果的であることは、このブログでも何度かとりあげました。 機序的にも疫学的にも、運動の認知機能に対するポジティブな効果は疑いようがないんじゃないかと思います。 でも運動の効果って、年齢や性別、基礎疾患などによって様々なような気がしますね。 今回、アメリカ・Rush 大学の Dr Desai らの研究グループは、血漿中のタウをバイオマーカーとして、運動の有無や […]
神経変性疾患分野では、老化細胞 (senescent cells) への注目が集まっていると思います。 以前、老化したグリアを除去するとモデルマウスのタウ病理と認知機能が改善したという論文を紹介しましたが、 今回は、そのメカニズムに注目した論文。 アメリカ・テキサス大学の Dr. Kayed らの研究グループは、アルツハイマー病 (Alzheimer’s disease, AD) や […]
昨年、寿命に関わる膜タンパク Klotho遺伝子 の、F352V (rs9536314) とC370S (rs9527025) の二つのミスセンス変異をヘテロで持つ人達(Klotho-VShet)はアルツハイマー病 (Alzheimer’s disease, AD) になりにくいという論文を紹介しましたが[1] 、 今回、ドイツ・ミュンヘン大学の Dr. Neiuzel、Dr. Ewe […]
アルツハイマー病 (Alzheimer’s disease, AD) のバイオマーカーは年々進化していっているように感じています。 私が修練医だった頃は、髄液中Aβ42/40比の有用性は報告されていたものの、たいていは神経診察と脳MRI、SPECTやFDG PETくらいで診断していました。 今では、アミロイドPETに加えてタウPETが登場し、近年は髄液中ではなく血漿のリン酸化タウが測定 […]
高齢者の体内では、「炎症」関連のマーカーが高くなっており、脳内では健常人でも軽度の炎症が起こっています。 私は野生型マウス (C57BL/6J) 脳内を若齢と老齢で比較した事があるのですが、 老齢マウスの脳内では、アストロサイトおよびミクログリアの増生が顕著で、初めて見た時に 「健康なのに、年をとったというだけでこんなに脳内環境が違うのか。」 と、大変驚いたのを覚えています。 この「 […]
高血圧は、脳心血管系に重大なダメージを与えることは言う前でもありませんが、高血圧自体に症状はなく、 急性期高血圧でなければ、脳心血管系の破綻→重篤な疾患(脳卒中や心筋梗塞 etc.)となるまでには数十年の経過がかかるので、 「気にはなるけれども……」 と言いながら放置してしまう人もいるようです。 血圧には、収縮期血圧と拡張期血圧とありますが、 「血圧○○mmHg以上」というときには、 […]
心機能障害、糖尿病 (diabetes mellitus, DM)、心血管障害 (cardiovascular disease, CaVD) は、アルツハイマー病病理(Alzheimer’s disease neuropathologic change, ADNC)を持つ患者の認知機能低下の要因として知られている。 今回、スウェーデン・Uppsala大学病院のDr. IrinaとDr. […]
同じアルツハイマー病(Alzheimer’s disease, AD) でも、進行の早い人と遅い人がいるのはなぜ? マサチューセッツ工科大学(MIT)/ハーバード大学のHymanらの研究グループは、進行の早い人ADと多いADのサンプルを生化学的に解析し、その理由を追求しました [1]。 同じADでも病気の進行が早かったり遅かったりするのはなぜ? AD進行の多様性について調 […]
アポリポプロテインE4(Apolipoprotein E4, APOE4)は、アルツハイマー病(Alzheimer’s disease, AD)の最も強力なリスク因子として知られています。 アミロイドβ(Amyloid beta, Aβ)の産生やタウ病理の増悪因子として有名ですが、血管障害のリスク因子としても多方面から注目されており、多くの報告があります。 アメリカ・南カ […]
Klotho (KL) は、寿命に関わる膜タンパクとして注目されている。 F352V (rs9536314) とC370S (rs9527025) の二つのミスセンス変異は、機能的ハプロタイプKL-VSとして知られており、Klothoタンパク質の分泌や機能に影響を与える。 このKL-VSのヘテロ接合体(KL-VSHET+)では、血漿中KLレベルが上昇し、ホモ接合体に比べると健康長寿であると報告され […]
高齢者の認知機能障害に先立ち、軽度行動異常(mild behavioral impairment, MBI)が起こる事がある。 カナダCalgary大学のGauthierらのグループは、症状のない高齢者を対象に、MBIとアルツハイマー病(Alzheimer’s disease, AD)バイオマーカーに相関があるかどうかを調べた。 軽度行動異常の段階でAβが溜まっている 方法: 96人の […]
Aspirin in Reducing Events in Elderly (ASPREE) studyの結果が発表された。 インシデントのアルツハイマー病(Alzheimer’s disease, AD)、軽度認知機能障害(mild cognitive impairment, MCI)、その他の認知機能低下の患者さんを対象に、低用量アスピリンが認知機能低下を防げるかコホート研究を行っ […]
K+チャネル機能は脳機能を調節する。 National Institute of Child Health and Human DevelopmentのHoffmanらのグループは、peptidyl-prolyl cis–trans isomerase NIMA-interacting 1 (Pin1) が、A型K+チャネルサブユニット Kv4.2 とその補助サブユニット dipept […]
ビタミンB12でPDの認知症予防? 米メイヨークリニックのSavicaらの研究グループは、パーキンソン病 (Parkinson’s disease, PD) の患者の血漿中ビタミンB12(VitB12)レベルを調べた。 結果、PDで認知症を発症しなかった患者群で血漿中のVitB12レベルが高かった(648.5 ng/L vs 452 ng/L, p < 0.05) 。 VitB1 […]
Presenilin1 E280A変異(PSEN1 E280A)は家族性アルツハイマー病(Familial Alzheimier’s disease: FAD)の原因となる最も多い遺伝子変異である。 ハーバード大学のArboleda-Velasques、Antioquia大学のLoperaらは、コロンビアのPSEN1 E280A変異の家系で、この変異を持ちながら70代まで軽度認知機能障 […]
以前は全く別の疾患と考えられていたものが、共通のリスク因子や病理を持つことが多いという認識が広まり、神経変性疾患の枠組みも大きく変わってきていると感じます。 今回の論文は、frontotemporal lobar degeneration with TDP-43 (FTLD-TDP) の修飾因子としてGBASで上がってきたTMEM106Bが、 PD患者の認知機能低下とも関連していそう、 というお話 […]
スペインAugust Pi i Sunyerバイオメディカル研究所のLorenaらの研究グループは、ADバイオマーカーと長期的な認知機能低下について検証した。 対象者:認知機能正常者(cognitively and biologically normal, CBN; n = 32) 認知機能評価:Ancient Farming Equipment Test; AFE-T バイオマーカー:脳脊髄液( […]
Aβプラークはアルツハイマー病(Alzheimer’s disease; AD)のhallmarkである。 NIHのZhang, Mattsonらは、AD患者の脳内およびADマウスモデル(APP/PS1)の脳内を調べ、AβプラークにOlig2-/NG2陽性のオリゴデンドロサイト前駆細胞(oligodendrocyte progenitor cells; OPCs)が集まっており、これら […]
アルツハイマー病(Alzheimer's deisease:AD)では、神経活動が異常となり、これがさらにAD病理を悪化させる事が知られている。 ガンマ振動(gamma oscillations)と呼ばれる、神経活動の30-90Hzの波長は、高次認知機能に関連があり、ADモデルマウスではこの波長が障害される。 マサチューセッツ工科大学のLi-Huei Tsaiらは、以前、オプトジェネシスによりガン […]
細胞の老化は不可逆的な細胞周期の停止に特徴的な分泌の表現型を伴う現象で、様々な細胞内および細胞外の要因から引き起こされる。 p16INK4Kという細胞周期停止タンパクは、加齢に伴う組織の変性を促し、動脈硬化や関節炎などに関与することがわかっている。また老化細胞は、老化した脳や神経変性疾患でも検出されているが、その役割は解明されていない。 今回、Bussianらは、タウ遺伝子のMAPTP301S変異 […]