アメリカでは6月中旬から夏休みに入りましたが、休みの間も子供達が交流できるようにと、長女(6歳)のクラスメイトが、クラス全員をプールパーティーに招待してくれました。
パーティーは、自宅の庭にあるプールで開催されるとの事。
長女は「もちろん参加!」と興奮しています。
兄弟姉妹の参加も可能で人数制限もなかったので、私達は家族で参加と返事をしました。
いざ、裏庭の自宅プールへ!
当日、車でホストの家に向かうと、エントランスを入った路上に既に何台か車が駐車されています。
私達もそのあたりに車を停め、家の隣にある裏庭に通じる門から中に入りました。
裏庭は2段階構成になっていて、母屋のすぐ裏にバーベキュー会場がセッティングされており、その先の階段を上がると、プールと、プール用と思われる小屋(中にはソファーやテレビなど、リビング風の家具一式)がありました。
プールにはたくさんの遊具が浮かんでおり、滑り台も設置されています。
先に到着した友達は、バシャバシャ泳いだり、浮き遊具のロデオにまたがったり、サメの口の中でゴロゴロしたり、ボールを次々と浮きバスケットゴールの中に投げ込んだりと、思い思いに遊んでいました。
「やったー!プールだー!」
私の子供達も、興奮して、上に羽織っていた服を急いで脱ぎ捨て、一斉にプールに飛び込みました。
ところが……
勢いよく飛び込んだら……足がつかない!
プールは私達が考えていた以上に深かったようです。
子供達は足が届かず、手足をバタバタさせながら完全に沈んでいきました。
「え!ちょっと!」
目の前で自分の子供達が藻掻きながら沈んでいく姿をみて、私はあわてて服のままプールに飛び込み、子供達を救出しました。
飛び込むと、プールは私でも首くらいまで水面が来るくらいの深さです。
アメリカの自宅プールは……深かった。
自宅のプールといえば、ビニールプールでパシャパシャ遊ぶイメージしかなかった私は、あまりのプールの深さに驚きました。
後から聞くと、手前の方は浅瀬ですが、奥の方は3メートル以上の深さになっているという事でした。
この家のプールが特殊なのではなく、このあたりの家では、それくらいまでの深さのプールはそんなに珍しくはないとのこと。
奥の深い所は大人が頭から飛び込んでも大丈夫なくらいの深さにセッティングされているという事でした。
なるほど……自宅プールというものは子供がパシャパシャ楽しむためじゃなく、大人が飛び込んだりして楽しむ事を想定して作られているのか……
うーむ、完全に想定外でした。
下二人は一気に水恐怖症に……。
子供達は、ホストから全員フローターを貸してもらいました。
長男(9歳)は、しばらく水泳スクールに通っていたので泳ぎのコツを思い出し、フローターをつけたまま楽しく泳ぎだしました。
長女(6歳)は、フローターを前後逆につけていたので、水に入った途端にひっくりかえり、再び溺れました……そして、私はまた服のまま飛び込んで彼女を救出しました。
彼女は数分の間に2回溺れた事がトラウマとなり、「もう帰りたい。」と言って、一切水に入ろうとしなくなりました。
友達が寄ってきて、「一緒に遊ぼう。」と誘ったり、水鉄砲ならぬ水マシンガンで水をかけたりしてくれましたが、彼女は全く見向きもしません。
次男(3歳)は、しばらく浮きボートに乗って楽しんでいましたが、ボートがひっくり返って、これまた溺れ、私は3度目の飛び込みとなりました。
彼も2度溺れた事で、「もう水に入りたくない。」と言って、プールサイドにあがってしまいました。
私達は、2人に浅瀬で遊ぶよう説得を試みましたが、彼らは頑として水に入ろうとしませんでした。
結局再び水に入れないまま、お昼ご飯。
「お肉が焼けたよー!」
ホストの人たちから声がかかり、皆はプールから上がって隣のバーベキュー会場に移動しました。
ホスト夫婦は、食事、デザート、おやつなどたくさんの食べ物を用意してくれており、とても食べきれない量でした。
ひとしきり食べると、子供達は用意されていた水風船を壁にぶつけて遊んだり、またプールに飛び込んでボール遊びやシューティングを再開させたりしました。
長男は再びプールに入りましたが、下二人は結局庭で遊びました。
・
・
・
それぞれひとしきり遊んだところで、私達は「そろそろ帰るね。」と皆に挨拶をして、車に乗り込みました。
私の服はある程度乾いていましたが、ジーンズはまだ濡れていたので、車の座席にバスタオルを敷いてシートに座りました。
私は、濡れたジーンズのベタつきを感じながら、
「自宅プール、恐るべし……」
と心の中で呟き、車のエンジンをかけました。