superoxide dismutase-1 (SOD1) の変異は、家族性筋萎縮性側索硬化症 (familial Amyotrophic Lateral Sclerosis, fALS) の原因遺伝子として知られています。
アメリカ・マイアミ大学の Dr. Benatar らのグループは、このSOD1変異の方々が、ALSの症状を発症する前に、アンチセンスオリゴヌクレオチド(antisense oligonucleo- tides, ASO)の "Tofersen" を投与する、第三相治験の内容を発表しました。
Biogen のサポート。
SOD1変異を持つ参加者を3群に分け、
- Part A: 血漿中のニューロフィラメント軽鎖 (NfL) が設定閾値に上昇するまで自然経過
- Part B: NfL 上昇群を2群に分け、片方は tofersen 100mg, 片方はプラセボを投与し、2年間観察。
- Part C: ALS症状発症群。オープンラベルで tofersen を選択。
この治験の結果は、現在進行中の発症後SOD1-ALSに対する tofersen 投与の治験結果と比較し、ベストな投与タイミングを評価することができます。
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私の担当ではなかったですが、以前勤めていた病院で、16歳の de novo の SOD1 変異患者さんが入院されていました。
発症から1年後に亡くなりましたが、青春真っ盛りの時期にこのような病気を発症し、みんな辛い気持ちになりました。
彼女のような de novo 変異の場合、発症後からしか使えないと思いますが、SOD1-fALS の家系の方々にとって待望の治験だと思います。
いい結果が得られますように。