Thanksgiving Day 当日。私がターキーを買いに行っている間、長女(8歳)は台所で何やら作っていたようです。
買い物から帰り、台所でターキーの丸焼きを作り始めると、
長女「お母さん、お料理で忙しいのはわかってるんだけど、ちょっと休憩できそうになったら教えてね。」
と話しかけてきました。
私は、
―― また何やら、彼女の "ごっこ遊び" が企画されているんだろうな。
と思いながら、
「OK。ターキーをオーブンに入れたら時間がとれるから、その時教えるね。」
と返事しました。
そして約束通り、ターキーを焼き始めて娘に知らせると、
長女「じゃあ、お父さんも呼んできて。今からレストランがあるの。」
長女と次男(6歳)は、去年のクリスマスにレストランを開いてくれたのですが、
2020年クリスマス・イブの夜。 クリスマス・ツリーの下には、2週間前に書かれたサンタさんへの手紙が置かれ、その横のダイニングテーブルには、ドリンクとクッキーが用意されました。 そして、サンタさんが早く来ても大丈夫なよう …
その時と同じように、ピアノの椅子の上にスカーフのテーブルクロスが掛かっており、その上にはダンボールで作ったお花と、付け出しのりんご、手作りのメニューが置かれていました。
メニュー表の中身は、前回よりも種類が増えていて、彼らが新しく覚えた料理が追加されていました。
私は、冷蔵庫にフルーツサラダが入っていたのを見つけていたので、私も夫もフルーツサラダを注文しました。
すると、小さく刻まれ、かわいいお皿に盛り付けられたフルーツサラダが2皿出てきました。
フルーツサラダを二人で美味しくいただいていると、長女が言いました。
長女「 昨日、お母さんが『レストランに行きたい』って言ってたでしょ。だからレストランを作ったの。お母さん、嬉しい?」
私はハッとしました。
昨日、何も準備していない状態で「明日はターキーだね!」と言われ、私はかなり焦っていました。
その時、
「お母さんだってお料理せずにごちそう食べたい。たまにはレストランに食べに行きたい。」
と口走ったのを、娘は聞き逃さなかったようです。
その時から、彼女はレストランを開くことを計画していたようでした。
長女の作ったフルーツサラダを食べ終わると、次男が
「僕の作ったフルーツサラダもあるんだよ!食べたい?」
と言って、冷蔵庫から大きなボールに入ったフルーツを取り出してきました。
私達はフルーツサラダ第2弾を食べ始めましたが、その時二人がこちらをじーっとみている事に気づきました。
私「一緒に食べる?」
子ども達「え、いいの!?やったー!」
そう言って、二人は自分たちのフォークを持ってきて、ペロリと平らげてしまいました。
長女「あ、私達で全部食べちゃった。ごめんね。」
二人とも、よっぽど食べたかったのでしょう。
長女「今日は Thanksgiving Day だから、フリーです。また来てね。」
そう言って、小さなレストランは閉店しました。
感謝の気持ちで心が満たされた私は、キッチンに戻り、ターキーの焼き加減をみるためオーブンの扉を開けました。