息子は、先生の話をじっと聞き、「はい。」と答えました。
私達は、先生に丁寧にお礼を言って、生徒指導室を後にしました。
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帰り道、息子はなぜか嬉しそうにしていました。
「今日、来てくれてありがとう。」
「印象的な誕生日になったね。」
「うん、僕、大人になっても忘れないと思う。」
「いい先生だったね。」
「うん。あの先生はいい先生なんだ。理科の先生なんだけど、あの先生の授業、面白いしね。」
…… 息子が面白いと思える授業があるだけでも、ありがたい限りです。
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「でもね。ほんとのこというとね……コレ言ったらお母さん怒っちゃうかもだけどね。僕が捕まったのって、マイナーな事なんだ。」
「どういうこと?」
「まずはじめに、僕は普段歩きスマホしてないし、今回は本当に友達が尋ねてきたからサイトを見せようとしただけなんだ。
それに、歩きスマホ禁止って、これまで言われてなかったんだ。学校でスマホ使ったら没収ってゆールールだけだったのに、最近突然、学校の外でも歩きスマホしてたら没収ってルールに変わったんだ。
みんなは歩きスマホしてるけど、僕はしないのに……多分これで捕まったのって、僕が初めてだと思う。生徒指導の先生、いきなり胸ぐら掴んできて、僕、びっくりしたんだ。学年主任の先生はいい先生だけど、生徒指導の先生は、最近ちょっとピリピリしてるよね。まあ、しょうがないかもだけど。」
「。。。そうなの。」
「あ、ねえ、本当は買い食い禁止なんだけど、今日はお母さんがいるから、駅でジュース買ってもいいよね?僕、喉が乾いたからジュース飲みたいな。」
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あの先生の話を聞いて、彼の心に何か残ったのかどうか……彼の言動からは全く推量できませんが……
なにはともあれ、誕生日おめでとう。