夕食の時間、思い出したように長女(9歳)が話しかけてきました。
「明日は節分っていうのがあって、鬼に豆を投げるんでしょう?
お父さんが教えてくれたの。」
日本にいたときも節分の豆まきはかるーくやってきたのですが、彼女はあまり覚えていないようです。
長女「だから、明日、私は鬼のお面をつくるから、お母さんはお豆を用意してね。」
彼女から言われ、私は戸棚を探しました。
ちょうど、以前買っていた大豆があったので、これを鬼に投げるか、それとも茹でて食べるかで議論となり(茹でる前に6時間ほど水につけておく必要があるので、鬼に投げてから当日その豆を食べる事は難しいと説明しました)、最終的に茹でて食べる事になりました。
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翌日、食卓には大豆たっぷりの五目ひじきが並べられました。
食事が終わり、私がシャワーを浴びていると……
子供たち「お母さん、お母さん、こっち見て。」
振り返ると、そこには世にも恐ろしい鬼……のお面をかぶった夫が覗き込んでおり、私は思わず叫び声を上げました。
浴室から出ると、子供たちは既にスタンバイしていて、其々の手には、おもちゃのパチンコ玉やら、大小様々なボールやらが握られていました。
子供たち「いくよー!鬼はー外!鬼はー外!」
子供たちは叫びながら、全力でパチンコ玉を鬼に投げつけ、鬼はクッションでそれを防ぎながら応酬していました。
最終的に鬼はバスルームに追い出され、子供たちの勝利。
子供たち「やったー!」
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……無事に福がやってきてくれたことでしょう。