長女(9歳)は、不定期に自分で絵本や漫画を作っており、
以前、子供達の突然の執筆活動について紹介(こちら)しましたが、その後の活動について紹介します。 長女(6歳)は、その後断続的に絵本(それぞれ10ページほど)を作り続け、その数は10冊程になりました。 いずれも、絵本好 …
休日、ダイニングテーブルを囲み、兄弟3人で公文の宿題を解いていた時の事。 国語で「老人と海」の問題を読んでいた長男(8歳)が、突然、 「僕、海を題材にした小説が書けると思う!今から書くから、出来上がったら出版してね。」 …
出来上がると、私達両親に見せに来ます。
いずれのお話も、長女の頭の中に浮かんだストーリーを浮かんだままに書かれている感じで、色々な意味で独創的です。
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そんなある日の事。
長女が私の所にやってきて言いました。
長女「誰も私の本を読んでくれないの。」
私は不思議に思い、
私「え、でもお父さんもお母さんも読んでるでしょう?」
と聞き返しました。
長女「でも、お母さんとお父さんは、私が『読んで』ってお願いしたから読んでるでしょ?
そうじゃなくて、私がお願いしなくても読んでほしいから、見える所に置いてあるのに、全然読んでくれないの……。」
そう言って悲しそうにしている長女の視線の先に目を向けると、
リビングのテーブルの上に彼女が最近作った漫画の作品が並べられており、そのテーブルに向かい合うように設置されているソファーの上で、長男(11歳)が自分の好きな漫画を読んでケラケラ笑っていました。
私「なるほど……そーゆーことね。」
私は長男の元に向かい、妹の作った漫画を読んでほしいと言おうとしましたが、すぐに彼女に止められました。
妹「だめ、読んでって言ったらだめなの。無理やり読ませるのは嫌なの。」
私「おぉっと、これは結構難しい課題。さて、どうしたものか……。」
と思いながら、私は長男の隣に座ってみました。
向こうの方では、長女が壁にしがみついて、まるで星飛雄馬のお姉さんのように(古い……)こちらを見つめています。
私「えーっと……長男くん。あ、なんかここにも面白そうな漫画があるよ。」
長男は、「え、何言ってんの?」と言わんばかりの顔で振り向きました。
そして私の視線の先に気づき、そのままテーブルの上の漫画達に目を落としました。
長男「あー、そーゆーこと。」
私「面白そうだから、読んでみない?」
長男は自分の好きな漫画を読んでいる途中だったので、「えー、でも……」とだいぶ嫌そうでしたが、
私の顔と、遠くの妹の姿を交互に見やり、「しょうがないか。」という感じで1冊手にとりました。
長男「うん、まあ……面白いね。」
私「こっちに続編があるよ。」
長男「え、まだ読むの?」
私「……(表情で必死の訴え)。」
長男「……しょうがないなー。」
そんなやり取りを交わし、長男はテーブルの上の漫画を全部読んでくれました。
彼が
「うん、まあ、面白いね。」
というたびに、向こう側の星明子は、壁にしがみついたまま、満面の笑みを浮かべていました。
お兄ちゃん、ありがとう☆
無理やり読ませるのが嫌なのはちょっとわかる!
アピールしなくても気づいて評価してもらえた方が嬉しいですよね。