自作漫画

長女(9歳)は、不定期に自分で絵本や漫画を作っており、

出来上がると、私達両親に見せに来ます。

いずれのお話も、長女の頭の中に浮かんだストーリーを浮かんだままに書かれている感じで、色々な意味で独創的です。

 



 

そんなある日の事。

長女が私の所にやってきて言いました。

長女「誰も私の本を読んでくれないの。」

 

私は不思議に思い、

「え、でもお父さんもお母さんも読んでるでしょう?」

と聞き返しました。

長女「でも、お母さんとお父さんは、私が『読んで』ってお願いしたから読んでるでしょ?
そうじゃなくて、私がお願いしなくても読んでほしいから、見える所に置いてあるのに、全然読んでくれないの……。」

 

そう言って悲しそうにしている長女の視線の先に目を向けると、

リビングのテーブルの上に彼女が最近作った漫画の作品が並べられており、そのテーブルに向かい合うように設置されているソファーの上で、長男(11歳)が自分の好きな漫画を読んでケラケラ笑っていました。

 

「なるほど……そーゆーことね。」

 

私は長男の元に向かい、妹の作った漫画を読んでほしいと言おうとしましたが、すぐに彼女に止められました。

「だめ、読んでって言ったらだめなの。無理やり読ませるのは嫌なの。」

 

「おぉっと、これは結構難しい課題。さて、どうしたものか……。」

と思いながら、私は長男の隣に座ってみました。

向こうの方では、長女が壁にしがみついて、まるで星飛雄馬のお姉さんのように(古い……)こちらを見つめています。

 

「えーっと……長男くん。あ、なんかここにも面白そうな漫画があるよ。」

 

長男は、「え、何言ってんの?」と言わんばかりの顔で振り向きました。

そして私の視線の先に気づき、そのままテーブルの上の漫画達に目を落としました。

長男「あー、そーゆーこと。」

「面白そうだから、読んでみない?」

 

長男は自分の好きな漫画を読んでいる途中だったので、「えー、でも……」とだいぶ嫌そうでしたが、

私の顔と、遠くの妹の姿を交互に見やり、「しょうがないか。」という感じで1冊手にとりました。

 

長男「うん、まあ……面白いね。」

「こっちに続編があるよ。」

長男「え、まだ読むの?」

「……(表情で必死の訴え)。」

長男「……しょうがないなー。」

 

そんなやり取りを交わし、長男はテーブルの上の漫画を全部読んでくれました。

 

彼が

「うん、まあ、面白いね。」

というたびに、向こう側の星明子は、壁にしがみついたまま、満面の笑みを浮かべていました。

 

 

お兄ちゃん、ありがとう☆

にほんブログ村 子育てブログ ワーキングマザー育児へ