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新年を迎えました。

2023年、科学の世界でどのようなイベントが注目されているのでしょうか?

Nature誌の ”2024年に注目すべきサイエンスイベント” からの情報。

今年注目されている領域は、やはりAI、そして月面再着陸、超高速スーパーコンピュータ、などなど。

2024年 注目の科学(Nature)

AIの躍進

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皆さんお馴染みのChatGPT。

去年はChatGPT-4がリリースされ、世界を変えました。

カリフォルニアのOpenAI社は、今年新たにGPT-5をリリース予定とのこと。

またGoogle社も競合となるGeminiを公開予定。

さらに、Googele DeepMindのAIツール、AlphaFold。タンパクの立体構造を高精度に予測してきましたが、この新Ver.がリリースされる予定とのこと。

創薬のデザインや発見の可能性を益々広げそうです。

 

これら、凄まじい進化を遂げるAIですが、問題は、「規制」をどうするか。

国際連合人工知能に関する高位諮問機関(The United Nations High-Level Advisory Body of Artificial Intelligence)では、今年の半ば頃に最終報告を行い、AI使用の国際的なガイドラインを制定する予定だそうです。

星を求めて

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チリのVera C. Rubin天文台が2024年末にオペレーションを開始し、10年かけて南半球の空を調査することになります。

この天文台は、8.4mの望遠鏡と3,200メガピクセルのカメラを搭載しており、多くの一過性の現象や、地球近くの小惑星の発見に期待がかかります。

 

また、チリにあるアタカマ砂漠のサイモンズ天文台は、2024年半ばに完成する予定です。

この次世代の宇宙研究では、宇宙背景放射におけるビッグバンの余韻である原始的な重力波の痕跡を探します。

その望遠鏡には、5万個もの光集光デバイスが搭載され、その数は、現在進行中の類似プロジェクトよりも10倍多いとか。

 

ただ……夜空を明るく汚染する輝かしい人工衛星の増加によって、このような地上ベースの望遠鏡データが使用できなくなる可能性もあり、天文学者は心配しているそうです。

病原体と戦う「蚊」

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World Mosquito Programは、来年ブラジルの工場で、「病気と戦う『蚊』」の生産を始めます。

これらの蚊は、病原性ウイルスの伝播を防ぐ細菌株に感染しており、デング熱やジカウイルスなどの病気から最大7,000万人を保護する可能性があります。

この非営利団体は、今後10年間で年間最大50億匹の細菌感染蚊を生産する予定です。

パンデミックを超えて

COVID-19のパンデミックによる緊急事態が過ぎ、アメリカは3つの次世代ワクチンの開発に資金を投入しています。

そのうち2つは、「経鼻ワクチン」。注射ではなく、鼻腔内に噴霧します。

3番目はmRANワクチンで、抗体とT細胞の反応性を促進し、広域なコロナウイルス変異株をカバーし、免疫力が持続するよう、ワクチンを工夫する予定です。

 

一方、世界保健機構(World Health Organizaion, WHO)は、5月に開催される第77回世界保健総会で、パンデミックに関する条約の最終稿を発表する予定です。

この合意は、世界中の政府に未来のパンデミックを防ぎ、管理するための、より良い設備の提供を目的しています。

194のWHO加盟国は、その規約の条件を決定し、その中には法的拘束力があるかどうかも含まれます。

交渉の中心は、パンデミックを防ぐために必要なツール、ワクチン、データ、専門知識への平等なアクセスを確保すること等です。

月ミッション

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1970年依頼、NASAは有人の月ミッションを打ち上げる予定です。

アルテミス II は、4人の宇宙飛行士(男3人、女1人)を載せて、今年の11月に打ち上げられ、10日間の月の周りを飛びます。

アルテミス II は、その後のアルテミス III ミッションの基盤となり、そのアルテミス III では、初めて女性が月面に降り立つ事になります。

 

中国もまた、2024年に嫦娥六号の月面サンプルリターンミッションを打ち上げる準備をしています。

ミッションが成功すれば、それは月の裏側からサンプルを収集する初めてのミッションとなります。

 

外部太陽系の衛星を探査するミッションには、NASAのクリッパー探査機があります。

この探査機は、来年10月に木星の衛星エウロパに向けて出発します。

その目的は、月の地下の海が生命を育む可能性があるかどうかを判断することです。

 

2024年に計画されている日本の火星の衛星探査ミッション(MMX)は、フォボスとデイモスの火星の衛星を訪れます。

フォボスに着陸し、2029年に地球に戻すための表面サンプルを収集します。

暗黒物質(ダークマター)を明るく照らす

2024年には、暗黒物質の粒子を検出する実験「アクシオン」の結果が明らかにされます。

アクシオンは太陽によって放射され、光に変換されると考えられていますが、これらの微小な粒子は非常に感度の高い検出器と極めて強力な磁場が必要であるため、まだ実験的に観測されていません。

ハンブルクのドイツ電子シンクロトロンにあるBabyIAXO実験では、10メートルの磁石と超感度の高いノイズフリーX線検出器からなる太陽望遠鏡を使用し、1日12時間、太陽の中心の変換を光子に捉えます。

 

また2024年は、素粒子物理学の標準模型で最も神秘的な粒子であるニュートリノの質量が明らかになるかもしれません。

2022年のKarlsruhe Tritium Neutrino実験の結果によれば、ニュートリノの最大質量は0.8電子ボルトでした。

科学者たちは2024年までにデータの収集を終え、これら微小な粒子の確かな測定を行うことが期待されています。

「意識」に関する論争:第二ラウンド

今年は、「意識」の神経基盤に関する、新しい洞察がもたらされるかもしれません。

意識の2つの理論を一連の対立的な実験を通じて検証している大規模なプロジェクトは、第二の実験の結果を2024年末までに発表する予定です。

第一ラウンドでは、両方の理論が観察された脳画像データと完全に一致しなかったため、哲学 vs 神経科学の25年間の賭けは哲学の勝利となりました。

第二ラウンドでは、神経科学が主観的な経験の謎を解読する方向に近づく可能性があるとのこと……注目です!

地球を守る

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2024年の後半には、オランダのハーグにある国際司法裁判所が気候変動との戦いに対する各国の法的義務についての見解を示し、気候に損害を与えていると見なされる者に対する法的結果を判定する可能性があります。

判決は法的拘束力を持たないものの、国際司法裁判所の影響力は各国に気候目標を強化するよう促し、国内の法的なケースで引用される可能性があります。

 

国際プラスチック条約の交渉は、プラスチック汚染を排除するための拘束力のある国際協定を確立しようとしていて、来年までにまとめられる予定です。

1950年代以来、世界は100億トン以上のプラスチックを生産しており、そのうち7割以上が現在は廃棄物となっています。

これらの廃棄物は主に海洋を汚染し、野生動物に害を与えています。

ただし、研究者たちの間では、昨年始まった国連の交渉が進行が遅すぎて、意図した目標を達成できないのではないか、という懸念が高まっています。

超高速スーパーコンピューター

昨年、サイエンス誌の「今年のブレイクスルー研究」でも取り上げられていましたが、

来年初め、研究者たちはヨーロッパ初のエクサスケールスーパーコンピュータであるJupiterを稼働させる予定です。

 

この巨大なマシンは1秒間に1兆通り(10^18乗、10億億通り)の計算を実行できます。

研究者たちはこのマシンを使用して、医学的な目的で人間の心臓と脳の「デジタルツイン」モデルを作成し、地球の気候の高解像度シミュレーションを実行します。

 

アメリカの研究者は2024年に2つのエクサスケールマシンを導入します。

一つはイリノイ州レモントのアーゴン国立研究所にあるAuroraで、もう一つはカリフォルニア州リバモアのローレンス・リバモア国立研究所にあるEl Capitanです。

科学者たちはAuroraを使用して脳の神経回路のマッピングを作成し、El Capitanを使用して核兵器爆発の影響をシミュレートする予定です。

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