FBXO7mutation

F-box protein 7 (FBXO7) は、常染色体劣性遺伝型パーキンソニズムの原因遺伝子であるが、そのフェノタイプは様々。

 

今回、アメリカ・ワシントン大学のDr. Zabetianらの研究グループは、FBXO7に2箇所の変異を持つ、若年性パーキンソニズムを発症した姉妹(onsetはそれぞれ21才と27歳)について報告した。

FBXO7のヘテロ変異の組み合わせで家族性若年性PD発症

targeted sequencingとcopy number variation解析を行った結果、両者とも

  • FBXO7, exon 1 (p.G39R; c.115G > A)
  • FBXO7, exon 5 (p.L280fs; c.838del)

の2ヶ所の変異を認めた。

両変異とも、in silicoでdeteriousと表示された。

他の遺伝子としては、SNCA, PARK2, PINK2, PARK7が調べられ、いずれも正常だった。

 

今まで報告された家族性PDの症例と違い、この家系は典型的なPDを発症し、錐体路症状を欠き、ドパミン治療によく反応した。

 

今後、若年性PDの症例に遭遇した場合、特に常染色体劣性遺伝型の場合、FBXO7も遺伝子検査項目に追加する必要がある。

References

  1. Lorenzo-Betancor O, Lin YH, Samii A, Jayadev S, Kim HM, Longfellow K, Distad BJ, Yearout D, Mata IF, Zabetian CP. Novel compound heterozygous FBXO7 mutations in a family with early onset Parkinson's disease. Parkinsonism Relat Disord. 2020 Sep 22;80:142-147. doi: 10.1016/j.parkreldis.2020.09.035." Epub ahead of print. PMID:33002721.
  2. https://www.genecards.org/cgi-bin/carddisp.pl?gene=FBXO7