去年と今年、二度にわたって恩師が来日し、大変濃い時間を過ごさせてもらいました。
その時にもらった言葉から2つ程、ここに書き留めておこうと思います。
論文を読みなさい
1つ目は、去年来日したときに頂いた言葉。
「いい研究のアイデアってどうやったら浮かんでくるの?」という質問に対して答えてくれました。
READ!
とにかく「読む」事。毎日論文を読むの。
自分の分野だけでなく、他の分野に関しても。
その積み重ねによって、適切なタイミングのときに適切なアイデアが浮かんでくるのよ。
「アイデアを生み出す鍵は、論文を読み続けること。」
以前、他の大物研究者と話した時にも同じようなことを言われました。
シンプルで、誰でも知っていることではありますが、やはり一番大切なことのようです。
ずっと一緒に走ってくれる、信頼できるラボマネを得なさい
もう1つは、今年来日した時に頂いた言葉。
私は、その数ヶ月前に無期雇用のポストを得たばかりでした。
OK、今回はあなたに、ラボをスタートアップするときに最も重要なことを伝えるからね。
あなたはこれから、できるだけ早く『一生付き合えるラボマネージャー』を雇いなさい。
あなたのラボを良い軌道に乗せられるかどうかは、よいラボマネージャーを雇えるかどうかにかかっていると思って。
数年で辞めてしまうようではだめ。これからずっと一緒にやっていけるような、信頼できる人を雇って、その人を一生面倒みるという覚悟でやっていくのよ。
恩師のラボには、立ち上げから何十年も一緒に働いている人達が数人います。
そのうち、実験も事務もなんでもできる敏腕ラボマネが1人いますが、彼女の給料は、そのラボの助教の給料よりも高いと聞いています。
日本では、2013年に労働契約法が改定され、「無期転換ルール」が適応されるようになりました。
これは本来、有期契約労働者を守るための法律なのですが、実際のところ、大学では期限の5年が経過する前に「契約期間満了」という形で雇用を終了することが多く、私の周りの有期雇用の人たちは皆「5年で出ていかなければならない」と思っている、という悲しい現状があります。
なんとかこの状況を改善し、一生一緒に走ってくれるパートナーを見つけて、その人の人生を請け負えるようにしたいです。
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他にも色々アドバイスを受けましたが、折をみて少しずつ書き留めていければと思います。
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