ラボの最終日が近づいてきたある日の事、同僚達が私達夫婦のFarewell Partyを開いてくれました。
当日は、PIがピザを注文してくれて、有志の人達が手作りのお菓子やジュースを持ってきてくれました。
午後1時、みんなは1階のカンファレンスルームに集まり、Farewell Partyがスタート。
COVID-19前までは、このようなイベントは普通に行われていましたが、
ソーシャルディスタンスを強いられるようになってからは、このように集まる事は自粛しており、実に3年ぶりパーティーとなりました。
私はラボのみんなと久しぶりに語りあい、楽しいひとときを過ごしました。
「じゃあ、そろそろ挨拶をさせてもらうわね。」
PIが立ち上がり、私達夫婦がここに来てから今までの様子や、これからもどんどんコラボレーションを続けていくことなどを話しました。
「Co-PIもここにいたら、どんなに良かったことか。彼はあなた達二人の事が大好きだったから。」
PIはそう言って、涙を流しました。
彼女は最近は元気になってきましたが、Co-PIの話になるとやっぱり涙してしまいます。
私達もしんみりしながら頷きました。
「あなた達にプレゼントがあるの。この大学のポートレート集よ。
日本に帰っても、いつでもこのラボの事を思い出せるように。」
そう言って、PIは私達に青い包に包まれた1冊の本を手渡してくれました。
私達は、感謝の気持ちでいっぱいになりながら、その重い本を受け取りました。