COVID19で自宅軟禁中、
今まで盛大に行われていたお友達の誕生日会はほとんど中止となりました。
けれども、こちらの親たちは色々と趣向を凝らし、
子供達の特別な日をプロデュースしています。
一番多いのは、ビデオメッセージを送ってほしいというリクエスト。
クラスのみんなに働きかけ、友達からのビデオメッセージを集めます。
それを親が編集して、当日の家族パーティーで子供にサプライズショーをする、というもの。
そんなある日、長女(7歳)のお友達のT君から、
eviteで招待状が届きました。
「誕生日に、バースデー・パレードを行うので、是非参加してください。」
ん?バースデー・パレードとは何ぞや?
私の頭に浮かんだのは、
庶民が路上に集まり、皇族の人達が車から手を降っているパレードシーン。
よくわからないけれど、
彼は、長女の一番仲の良いお友達なので、
是非ともお祝いしてあげたいところ。
「プレゼントなし」と書かれていたのですが、
長女は、折り紙で彼の好きなトラを折り、
チャンスがあれば渡せるように袋に入れて、
当日車に乗り込みました。
集合先は、彼の自宅近くでもある、小学校の駐車場。
パレードの15分前集合、とあったので、
ギリギリ15分前くらいに小学校の駐車場に到着しました。
そこにはすでに数台の車が止まっており、
それらの車には、
風船やら、キンキラの紙細工やら、手書きのプラカードやらで、
「Happy Birthday!」
と、思い思いのデコレーションが施されています。
「なるほど!車にデコレーションするのか!」
と初めてわかったのですが、
予備情報のなかった私達の車はプレーンのまま。
「まあ、しょうがないよね。お祝いする気持ちが大事だから。
とりあえずここで待っていたら、
お誕生日の彼が歩いてやってくるのかな?」
と、何もわからず、キョロキョロしながら、
列に並びました。
そして、パレードの時間……
突然、
「ファーン、ファーン」
と先頭車両がクラクションを鳴らすと、
列にならんでいる車達も次々とクラクションを鳴らし始めました。
「え、何が起こるの?」
と再びキョロキョロしていると、
先頭車両が動き出しました。
他の車も続きます。
私達の車も、
どこに移動するのかわからないまま、
前の車に続きました。
そして、向かった先は、
誕生日のT君の家。
庭先に、T君とその家族が立っています。
そう、パレードをするのは、誕生日当事者ではなくて、
お祝いする私達の方だったのです。
みんなT君の近くに来ると、車の速度を弱め、
クラクションを鳴らしながら、
「お誕生日おめでとう!」
と次々にお祝いの言葉をかけて行きます。
私達も、T君の近くに進み、
精一杯おめでとうを言って通り過ぎました。
通り過ぎた後で、
長女の作ったトラを渡せなかった事に気づき、
脇道に車を止め、Tのお母さんに
トラを渡しても良いかメールしました。
「喜んでOK!」
と言ってくれたので、
引き返して彼の家の近くに車を止め、
トラだけ渡しに行きました。
Social Distanceが強く言われているので、
あまりたくさん話せませんでしたが、
久しぶりにお友達に会えて、
長女もT君も嬉しそうでした。
「ほー、バースデー・パレードって、こんなするのかー。」
と学んだ私達。
しばらくして、次男(4歳)のお友達から
同じような招待状が届いたのですが、
今度は、プラカードを準備して、
パレードに参加しました。
Social Distanceが強く求められ、
友達を家に呼べない昨今、
子供達の特別な日をいかにコーディネートするか、
アメリカの親たちの試行錯誤は続きます。