国際学会2日目。留学時代の友人の一人からメッセージが届きました。
「今現地入り。どこにいる?」
私はすぐに「ポスター会場、◯◯のコーヒーの前に並んでる。」と返しました。
国際学会に参加したもう一つの理由
「あなたがあの学会に行くなら、なんとかして私も行くわ!」
そう言ってくれたのは、私の友人の一人。
アホな話からシリアスな話まで、彼女とは毎日いろいろな話をしていました。
先日の仕事中、失望する出来事があり、実験途中で涙を抑えられなくなりました。 こちらに来てからの辛い出来事などが次々と思い出され、それでもここに来ることには価値があったと思い込みたかったのですが、それも難しいように感じまし …
彼女はまだ30代ですが、今は別の州で教授のポストを得て、仕事を続けています。
私は帰国後、留学時代に特に仲の良かった仲間達数人と、数ヶ月に1回のペースでオンラインミーティングを開いています。
そこでは仕事や私生活についてのお互いの近況を報告しあっていますが、だいたい仕事の話2割、プライベートの話8割、といったところ。
前回のミーティングで私が「今度の国際学会に行こうかどうしようか迷ってる。」と話をしたときに、「それじゃあ、その国際学会にみんな参加して、そこで会おう!」ということになったのでした。
マシンガン・ガールズトークは健在
しばらくすると、彼女がやってきました。
「わー、本物がいる!」
「久しぶりの気もしないけど、久しぶり!」
私達はしばらく語るため、コーヒーサービスの列に並びました。
長い列を少しずつ移動しながら、彼女は相変わらずマシンガンのように話してきます。
「この街はやっぱり私のホームタウンって感じがする。だって、ここで仕事してたの◯年でしょ?これは長いわ。それに大学時代から数えたら何年?もう、青春が詰まってるって感じよね!そうそう、私の元カレ覚えてる?」
「どの元カレ?別れ話の時に訴訟になってラボに警察が来たときの?」
「ははは、そんなこともあったね。その人じゃなくて、最後から2番目の元カレ。」
「ああ、あなたと住むために近隣の州からこっちに引っ越してきたけど、別れた後に鬱になってた人?」
「そう、彼、まだこの州にいるみたいなの。心の健康のために地元に帰った方がいいって言ったんだけど。」
彼女のトークは、だいたい恋愛関連の話から始まります。
「向こうではマッチングアプリで何回か会ったけど、なかなかいい人には会えてないな。あの地域は人種差別が強いから、なかなか難しいと思う。本当は早く結婚したいのに。あ、ねえねえ、隣の研究室のDって覚えてる?今回は彼に会えるかな?でもさすがにもう結婚してるよね。」
「私、昨日会ったよ。あなたの事『覚えてる?』って聞いてみた。」
「えー!なんでそんな事聞いたの?気づかないふりして、ふっと振り向いて『あら、久しぶり。』って言おうと思ってたのに!」
彼女がそう言った途端、後ろから「ぶはっ」と笑い声が聞こえて来ました。
振り向くと、背の高い中年男性がこちらをみて笑っていました。
「失礼。君たちの話がとても面白くて。仕事仲間なの?どこのラボの人?」
「2年前まで◯◯のラボで一緒に働いていて、今はそれぞれ別のところで働いているの。」
「それは良い再開だね!」
その後、コーヒーを受け取るまで、その人と3人で他愛の話をしていました。
馬鹿話をしてくれる友達に感謝
―― 確かに、学会会場でひたすら男の人の話って、普通ないわな。
彼女とはかなり年齢が離れていますが、3人の子持ち(しかも一番上は中学生)という私に対して、彼女は何の躊躇もなく、ガールズトークを展開させてきます。
彼女はよく「話を聞いてくれてありがとう。」といいますが、私の方こそ「そんな話をしてくれて、ありがとう」といった気持ちです。
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私達はしばらく話した後、お互いの興味のある講演を聴きに、別々の会場へ向かいました。
講演が終わって休憩時間に入ると、携帯に彼女からのメッセージが飛び込んできました。
「Dがいた!指輪してなかった!」
その30分後、再び彼女からメッセージが。
「さっきDと話したけど、9月に結婚するんだって⤵⤵」
私は笑いながら、
「とゆーことは、Dはまだ独身で、あなたはあと1ヶ月チャンスがあるってことね。」
と返すと、すぐに
「確かに!ははは。」
と返事が返ってきました。