学校の先生から勧められ、英検の準1級を受験した長男。
長男が中学1年を修了する日、中学校で保護者面談がありました。 保護者面談は3回目ですが、最終回は、生徒がスライドを用意して10分程度プレゼンテーションを行い、それについて、担任の先生と両親を交えてディスカッションする、と …
2次試験の面接は、自宅から地下鉄で2駅ほど離れた、町中のビルの中でした。
電車を乗り継ぎ、県外の学校やテーマパークへぴょんぴょん行けるようになった彼なら、地下鉄2駅なんて、自宅の庭のようなものでしょう。
ところが、
長男「えー、一人で行けないかもだよぅ。一緒に来てくれない?」
とのこと。
私「もう中学生なのに?」
長男「迷子になるかも。」
私「Google Mapでいろんなところに行ってるじゃん。」
長男「まあそうだけど……じゃあ、迷子になったら電話するからね。携帯見ててね。」
とゆーようなやり取りを交わし、長男は渋々ながら一人で2次試験会場まで向かうことになりました。
そして……彼は迷子に。
当日朝、試験開始30分前には試験会場に到着するように、長男は自宅を後にしました。
―― まあ、こんだけあれば余裕でしょう。
私は安心して、朝食の後片付けを始めました。
ところがしばらくして、携帯にメッセージが届きました。
どこなのか全然わかんない。
―― は!?まさかの迷子!?
慌てて彼の携帯に電話をかけると、Google Mapを見てもビルの入口がわからず、しばらく周辺をぐるぐる回っているとのこと。
……確かに、Google Mapでは入口らしきものが載っていません。
しかも、毎回Google Mapを頼りに生活していた長男は、市内の通り名などを全く覚えておらず、ついでに言うと、どうやって通り名を調べるか、通り名の看板がどのあたりに立っているかなど、知りませんでした。
―― なんとゆー盲点……!
私は携帯を片手にPC前に座り、英検会場の住所を調べてストリートビューで周辺を調べました。
私「今、目の前に赤いビルが見える?」
長男「えーっと……あ、あった。」
私「そっちの方向に横断歩道を渡って、突き当りを左に曲がって……。」
そんなこんなのやり取りを交わしながら時計をみると、時刻は午前9時……集合時間です。
―― あー、もうダメかも……。
実は、今回は2回目の2次試験で、1回目は学校の合宿と重なり、棄権していたのでした。
棄権でも遅刻でも、受験料はとられます。
―― えー、こんな理由で、3回も受験料を払わないといけないわけ?
私は、3回目の受験料の支払いを想像しながら、ナビゲーションを続けました。
2分遅れで到着。
長男「あ、入口わかった!じゃあ、今から入るからね。ありがとう!」
彼はそう言って電話を切りました。
時計を見ると、集合時間から2分が過ぎていました。
―― 遅れたら試験受けれないって書いてあるからなー。まあ、ダメかもね。
―― でも……万が一優しい人が受付してくれてたら、ひょっとしたら……。
私は僅かな望みにかけ、試験会場に電話を入れました。
「すみません、今、息子がそちらの会場に向かっているんですが、迷子になったみたいで遅れてしまって……ビルの中には入ったので、もうすぐ着くと思うのですが……。」
すると、電話口のお姉さんは、長男の到着を確認しに行ってくれました。
「大丈夫です。お子さんは今来られて受付をしています。集合時間は過ぎていますが、試験開始時間はこれからなので、間に合いましたよ。」
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なんとか滑り込めたようです。
後日……
そんなこんなで、彼は無事に2次試験を受けることができました。
そして後日、郵送で合格通知が届きました。
長男「苦労して合格したから嬉しいね!」
私「そうだね。」
……まあ……苦労の意味合いがちょっと違うけど、ね。