長女 (10歳) はクレーンゲームが大好きですが、
ある日の朝、朝食中に長女(9歳)が言いました。 「今度の週末、またクレーンゲームをしてもいい?」 クレーンゲームを避けてきた私と、それに魅力を感じている彼女 彼女の言うクレーンゲームとは、俗に言うUFOキャッチャーの事で …
我が家でもう一人、クレーンゲームに魅了された人物が……夫です。
帰国後、2,3回ゲームセンターに遊びに行きましたが、毎回長女と夫とでクレーンゲームに挑戦し、玉砕してました。
「これは、ちゃんと攻略法を勉強していかないと。」
と言って、彼は YouTube で予習復習を行い、現場で勉強の成果を発揮…………せずに再び玉砕して帰ってきました。
「これは、いくらかは溝に捨てるつもりで課金しないと、難しそうだなぁ。」
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普段は人並み以上に倹約家な彼ですが、このゲームに関しては別のようです (もしくは娘からのお願い事に関しては……というべきか)。
娘の熱い声援を受けて、彼女の大好きな「すみっコぐらし」のぬいぐるみを狙いますが、なかなか成功しません。
ただ、必要以上に追うことはせず、毎回、2,3回程の挑戦に留めて終了していました。
クレーンゲームでゲットしたぬいぐるみをプレゼントしたい
そんな夫が、ある日、こっそり相談にきました。
「今度の長女ちゃんの誕生日プレゼントの事だけど、クレーンゲームですみっコぐらしのぬいぐるみを獲って、プレゼントしたいんだ。」
……じゃあ、そうすれば?
となりそうなところですが、そこは彼にも「多くのお金を使うかもしれない」という背徳感があるよう。
いつも狙っている「すみっコぐらし」の大きなぬいぐるみをゲットするまで、いくらのお金を使うことになるか……はたまた課金するだけしてゲットできない可能性も……クレーンゲーム素人の私達にとって、どうなるかは予測不可能です。
同じ大きさのすみっコぐらしのぬいぐるみがだいたいどれくらいの金額で売っているかをネットで調べると、大体4000円くらいのよう。
……という事で、
「ぬいぐるみをゲットするために、4000円まではクレーンゲームで挑戦し、それ以上になりそうならそこで終了して、大人しくネット注文で購入する」
という方針としました。
本来は長女の眼の前でゲットするのが一番喜びそうですが、
「大の大人がクレーンゲームの機械にどんどん課金していく姿を見せるのは、教育上よくないだろう」
……という事で、子供達がいない時に、大人2人でこっそりクレーンゲームに挑戦する事にしました。
さすがに難しい……
クレーンゲーム当日。
夫は、直前まで YouTube で丹念に予習し、綿密な戦略を立てていました。
ゲームセンターに入り、お目当ての「すみっコぐらし」のコーナーまで来ると、小さなぬいぐるみの台は他のキャラクターに変わっていて、残っていたのは40cm級の大型ぬいぐるみの台のみ……。
でも、「すみっコぐらし」だけが目的なので、仕方がありません。
私達は財布から小銭を取り出しました。
「よし、じゃあ、いくよ。」
シミュレーション通りにクレーンのアームを動かしますが……
「……難しい……。」
何度やっても思い通りに行きません。
私も挑戦しましたが、500円 (3回分) x2回があっという間に吸い取られていきました。
「これは……想像以上に難しいね……。」
普段、小さなぬいぐるみも獲れない私達が、いきなりこんな大物に挑戦すること自体が無謀に思えます。
「……店員さんに教えてもらおう!」
私達は早めに手を打って、その場を巡回している店員さんに尋ねました。
「あのー、このぬいぐるみをとりたいんですけど、どうすればいいですか?」
「そうですねー、この場合は、この重心を活かして、ここをつかんでアームで押して、こっちの方向に転がす感じがいいんじゃないでしょうか?獲りやすいように、場所を動かしてあげますね。」
店員さんはそう言って、ぬいぐるみが獲りやすいように、置き方を変えてくれました。
「よし、もう一度!」
店員さんから教わった方法で再度試みましたが……後少しのところで仕切り板を超えず、お目当てのぬいぐるみはころんころんと遠くまで転がっていってしまいました。
最終的には……
2クール目の 500円 (3回分) x2回が終了し、「後半戦に突入か……」となったところで、再び店員さんがやってきました。
店員さん「あともうちょっとですけどね。またぬいるぐみの位置を獲りやすいように変えてあげますね。」
ここまで一生懸命になっている大人2人を見かねて、店員さんはそれから私達につきっきりでアドバイスしてくれました。
店員さん「もう少し、もう少し……!」
毎回店員さんにぬいぐるみの位置を動かしてもらい、最後の方は「もう後は押すだけ」くらいにまでしてもらうと……
「やった!」
アドバイス通りの場所にアームを押し込み、ようやくお目当てのぬいぐるみをゲットしました。
私「もう最後は、店員さんに獲らせてもらったって感じだったね。」
夫「まあ、その分僕たちもこのゲームセンターにたくさん課金したから、いいでしょう。お店的にも、ある程度のところで獲らせてあげないと、次からお客が来なくなっちゃうしね。」
予定の上限額よりも1000円程安くでぬいぐるみをゲットし、私達は店員さんに丁寧にお礼を言って帰りました。
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後日、長女の誕生日会で、彼女が飛び上がって喜んだのは……言うまでもありません。
なんと心あたたまるお話でしょう!ぬいぐるみのクレーンゲームは、物理的に形が対称ではないし、摩擦もあるだろうし、完全にアナログ勝負ですね。そこがいいのでしょう。私は子供の頃、コインを入れて、別のコインを落としてゲットするようなゲームが有って、悪友とヒップアタックしてゲーム機そのものを揺らして大量にコインをゲットしていたら店員に大目玉食らったことを思い出しました・・・。
おー、それも戦略ですねw
YouTubeを見ていたら、クレーンをぶんぶん振り回して積み上げられているお菓子の箱を振り落とす、なんてゆー技も紹介されてました。クレーンゲームの達人たちは「掴んで運ぶ」なんて端から考えていないようですね。私にもその柔軟な発想があれば、子供の頃にもう少し楽しめたのかも……