息子の脳MRIの所見について、夫と静かに話していると、しばらくして、看護師さんが病室に入ってきました。
「手術が無事終わったという連絡を受けました。一緒に迎えにいきましょう。」
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私たちは、看護師さんと共に、ベッドを押しながら手術棟へ向かいました。
自動扉から中に入ると、
「これから手術室へ迎えに行ってくるので、こちらでお待ち下さい。」
と言われました。
入口付近で立って待っていると、手術を終えたスタッフの方々がやってきました。
「今回は、大変でしたね。」
オペ着の看護師さんから声をかけられ、私はこみ上げてくるものをぐっとこらえました。
これまで大学や臨床の現場で、「患者家族の立場に立った言動を心がける」ということを繰り返し教わってきましたが、実際、スタッフの何気ない一言がここまで胸を打つものだとは想像していませんでした。
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しばらくすると、息子を乗せたベッドがこちらに向かってきました。
息子は麻酔で眠っていました。
私は彼の頭を撫でながら、
「よく頑張ったね。」
と声をかけました。
涙が止まりませんでした。