ある日の事、長男(11歳)が話しかけてきました。
長男「僕、マインクラフト用に新しいマウスが欲しいんだけど……」
話を聞くと、近々長男がよく遊んでいるサーバーでトーナメントのようなものがあり、それに参加するためにより実践的なマウスが欲しくなった、という事でした。
気持ちはわからなくもないですが、妹弟のいる手前、特別な日でもないのに「はいどうぞ」と言って買ってあげるわけにはいきません……秒で却下しました。
彼は「まあ、そうだよね。」と言って話を引っ込めました。
と、しばらくして、彼はまたやってきて言いました。
長男「どうやったらマウスを買ってもらえるかな?」
(彼にしては粘るな。)と思いながら、私は答えました。
私「YouTubeでお金が貯まったら、そのお金で買ったらいいんじゃない?」
長男「YouTubeがまだまだ無理なのはわかっているでしょう?トーナメントは来週なんだ。間に合わないよ。」
彼は自分でお金を稼ぐために YouTube を始めましたが、まだ始めたばかりで収入化にはほど遠い感じです。
私「じゃあ、なんか別のアルバイトしてお金を貯めてみたら?」
その後二人で話し合い、私の読書ログの記事を1記事書いたら10ドル、という約束で彼が今までに読んだ本の記事を書いてもらう事になりました(私的には高い単価ですが、ここで彼のやる気と自己効力感を削いでしまうと元も子もないので、この金額で手を打ちました)。
彼は頑張って3記事ほど書きましたが、数日してまた話しかけてきました。
長男
「あのね……これは L (仮名) が言ってたんだけど……ダメと思ったら言ってね。
あのね、このままのペースじゃトーナメントまでに間に合わないでしょう?
だって、注文してマウスが家に来るまでにも何日かかかるから。
で、L に相談したんだけど、先にお母さんにマウスを買っててもらって、僕が約束通りお金を稼げたらその時にマウスを渡すってゆーのはどうかな?
そしたら、僕頑張って、トーナメント前日までに記事を書き上げるから。」
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L というのは、長男がマインクラフトで知り合ったお友達で、毎日のように一緒に遊んでいます。
長男は彼の本当の名前も知らなければ、顔も知りません。そして向こうも長男の本名や顔を知りません。
こちら側でわかっている情報としては、
- 17歳の高校生
- オンラインゲームの達人
- YouTubeで(顔を晒さないまま)活躍中
- 居住地は「火星」となっているけど本当はアメリカで、うちから車で1-2時間くらいのところに住んでいる
- この間車の免許をとった
- 中国人らしい
くらい。
今回、人に説明したり交渉したりという事がとても苦手な長男にとっては、かなり頑張って交渉しているように思いましたが、年上の L に相談してアドバイスを受けていたようです。
長男にしては良くやった方だと思うので、今回は彼らの提案をのむことにしました。
それからさらに数日後、長男は約束の記事数を書き上げ、トーナメント当日の朝に目的のマウスをゲットしました。
長男はその後もほぼ毎日 L と discord で会話しており、算数の宿題を教えてもらったり、YouTubeのコンテンツや編集のアドバイスをもらったりしているようです。
Discord is the easiest way to talk over voice, video, and text. Talk, chat, hang out, and stay close with your friends and communities.
顔も名前の知らない関係ですが、長男にとっては最も信頼できる友達の一人で、多分お兄さんのような存在なんだと思います。
二人にはその気はないようですが……いつか会ってみたいなー。