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ある日のこと、仕事から自宅に戻ると、マフラー、帽子、サングラス、バスタオル……等で変装した小人が2人、玄関まで出迎えてくれました。

「おかえりなさい。私達は謎の行商人です。今度、お祭りがあるのであなたに特別にチケットをあげます。」

謎の行商人達はそう言って、折り紙で作った手作りチケットを渡すと、「わーっ」と走って消えてしまいました。

 

しばらくすると、長女(11歳)と次男(8歳)が息を切らしながらやってきました。

「今ここに、謎の行商人が来なかった?」

「うん、チケットもらったよ。」

「それ、今日のお祭りで使えるんだよ!晩ごはんが終わったらお祭りが始まるから、大切にとっておくといいよ。」

「そっか。わかった。」

 

―― 今日の夜は仕事はできないってことね。

 

私はぼんやりと考えながら、夕食の準備を始めました。

お祭りの始まり

夕食が終わると、子ども達は飛び跳ねながら言いました。

「お祭りが始まるよー!」

「チケットを持って遊びに来てね。場所は子供部屋のクローゼットの中です!」

 

―― クローゼットの中??

 

私達はよくわからないまま、チケットを持ってお祭り会場を訪ねました。

すると、クローゼットの中にあった衣服や衣装ケースはすべて外に出され、その代わりにぼんぼりのデコレーションが施されており……

フリーマーケットが開催されていました。

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「この折り紙は、一つ30円です。」

「このキーホルダーは、一つ60円です。」

「えー、60円なの?じゃあ僕も60円にしようかな。でも、そうしたら買ってもらえないかな?」

今回の戦利品達

私と主人は、それぞれ気に入った商品を定価で購入しました。

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▲ 私の戦利品。合計180円。

お祭りが終わると、子ども達はクローゼットを元に戻し、売上金を計算していました。

 

「楽しかったね!またやろう!」

「僕、今度は家の外の人たちにも売ってみたいな。今度の日曜日に川に行って、そこで遊んでいる人達に売ってみようかな。」

本物のフリーマーケットに参加してみる?

―― 川に遊びに来た人たちの中でお財布を持っている人たちは少ないだろうし、彼らの作品を買ってくれる奇特な日本人も少ないだろうし(アメリカなら、子どもが道端でフリマをしていたら大抵みんな買ってくれますが)……。

 

「じゃあ、今度本物のフリーマーケットに出品してみる?」

私は子ども達に提案してみました。

 

「えー!やってみたい!」

「でも、フリマを出すにも、予約して場所代とか払う必要があるし、どんな商品をいくらで売っているか、まず調べてからの方がいいかもね。」

 

……と、ゆーことで、今度、自宅近くで開催されるフリーマーケットに、子ども達と遊びにいってみることにしました。

でも、私自身、フリーマーケットで物品を販売した経験はありません。

 

―― これは色々と調べておかないとヤバいかもなー。

 

……などと考える私を置き去りに、子ども達は興奮しながら、フリーマーケットで何を売るかを相談し始めました。

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