妊娠中のストレスは赤ちゃんの脳の発育に影響する

「妊娠中に過度のストレスにさらされると、お腹の赤ちゃんの発育に良くない」

と、よく言われますが……

イギリス・エジンバラ大学のDr. Boardmanらの研究グループは、妊娠中のお母さんのストレスと子供の脳の発育について科学的に検証しました [1]

妊娠中のストレスと子供の脳の発達

妊娠中のストレスは胎児の脳の発達に影響する

著者らは、78組の母子を対象に、

  • 母親の妊娠中の毛髪に含まれるコルチゾールの量(hair cortisol concentration, HCC)
  • 新生児の扁桃体の発育やコネクティビティ

等の相関を検証した。

 

コルチゾール量はストレスと強い関係があり、HCCは、過去3ヶ月間のストレスの程度と相関する。

新生児達は、生後、経時的にMRI検査を受け、扁桃体や神経回路の発育を調べた。

 

結果、母親のHCC量は、新生児の扁桃体の微細構造やコネクティビティの変化と相関があった。

扁桃体の微細構造の変化は、男児でのみ認め、

右扁桃体と被殻とのコネクティビティの変化は女児でのみ認めた。



と、ゆーことで、妊娠中にお母さんが強いストレスにさらされていると、実際に赤ちゃんの脳の微細構造や神経回路形成に影響がでる、との事。

またこの影響部位は、男女で違いがあるよう。

 

いずれにしても、扁桃体は、感情や記憶に強い関連がある部分なので、

情緒の安定度合い etc. に影響があるかもしれません。

 

妊娠中の女性には、優しく接してあげたいですね。

Reference

  1. Stoye DQ, Blesa M, Sullivan G, Galdi P, Lamb GJ, Black GS, Quigley AJ, Thrippleton MJ, Bastin ME, Reynolds RM, Boardman JP. Maternal cortisol is associated with neonatal amygdala microstructure and connectivity in a sexually dimorphic manner. Elife. 2020 Nov 24;9:e60729. doi: 10.7554/eLife.60729. PMID:33228850.
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