このブログが「海外学振」のキーワードで検索されている事が多い事を知り、少し驚きました。
海外学振については、最初の頃に一言だけ記載しただけだったので、検索した人達は、できるだけ多くの情報を集めようとしているのではないかと思いました。
実際、私も申請書を書くに当たって、過去の採用者や審査委員経験者にインタビューするセミナーに参加したりして、どのような申請書を書けばよいか調べました。
あるサイトで、過去採用者が自分の申請書を掲載しているサイトがあってかなり助かったので、私もいつか時期がきたら申請書を載せようと思います。
(今はongoingなのでやめておきます。)
私は海外特別研究員と海外特別研究員ーRRAの二つに申請し、両方とも内定をもらいましたが、
- RRAの方が子供3人分の旅費がでることと
- 滞在期間中に10%/人ずつ子供手当がつくこと
などの理由からRRAを選択し、海特の方は辞退しました。
申請書を書くにあたって、私が重要視したポイントは大きく下記4点です。
- 独創性、創造性
- 実現可能性
- 詳細に指定された項目をすべて記載しているかX
- 文章の読みやすさ、図のわかりやすさ
以下、セミナーで、審査委員経験者の先生方から話を聞いた内容をベースに、各項目毎に(勝手に)分類して記載します。
科研費の申請書を書くセミナーで聞いた内容も多く含まれていますが、重要視するポイントとしては一緒だと思うので、織り交ぜています。
審査委員経験者の先生方からのアドバイス
(それぞれの採点者によってやり方は異なるが、ある先生の場合、)
担当した数百もの申請書は、最初の5-10分で、スクリーニングにかける。
その際、5段階のカテゴリーに分類する。
1,2のカテゴリーのものは二度と読まない。
4,5のカテゴリーに入ったものは2nd スクリーニングとして30分くらいかけて読む。
分野外のものはいくつかレビューを読んで、その分野の座標軸や申請書の立ち位置を確認する。
独創性、創造性
- 学振の資金を使ってやるべき事か
- 過去研究とどう違うか(自分の事ばかり書いてはダメ。他の人の研究との立ち位置を明らかにする)
実現可能性
- 「絵に描いた餅」の申請書になっていないか
- その研究を遂行できるだけの能力や設備があるか
- 本当にその施設でないとできない事か
詳細に指定された項目をすべて記載しているか
採点は減点方式なので、記載がないとどんなに良い事を書いていても減点せざるを得ない。
e.g.「これまでの研究の背景、問題点、解決方策、研究目的、研究方法、特色と独創的な点について当該分野の重要文献を挙げて記述してください。」という指示の場合、
研究の背景、問題点、解決方策、研究目的、研究方法、特色と独創的な点、をそれぞれ項目を作って記載していく。
文章の読みやすさ、図のわかりやすさ
- 分野外の人にもわかるように、その分野の現状を組み込む
- フォーマットにあっていないと読まれないと思うべし
- 研究データは一番大事なデータを厳選して載せる
- 文字が小さくなっていないか、適度に隙間はあいているか
- 下線部を拾っていくと全体像がわかるようになっているか
- 必要以上に下線や太字を多用していないか
- グレースケールで申請されるので、必ずグレースケールのPDFにして、見えにくい箇所がないか確認する
また、最後に
「これだけは言いたい」
と言ってマイクをとった先生の言葉が印象的でした。
「申請書に目を通していると、
『自分を絶対に通せ』と訴えかけてくるような、引き込まれる申請書
が、必ず何件かある。
自分はそれを"5"のカテゴリーに分類する。
このような申請書が必ずあるということだけは覚えておいてもらいたい。」
もし、なにかの参考になれば幸いです。