RStudio-Ubuntu-logo

以前、RStudio Cloud を導入して使用していたが、使用限度などの問題があり、なんだかんだと使い辛さを感じるようになってきた。

なので、しばらく敬遠していた RStudio Server 環境作りに着手することにした。

RStudio Server を使うメリット

計算端末と操作端末を分離できる

RStudio Server を、ハイスペックのローカルPCに導入しておけば、R のスクリプト処理やグラフ描画などを計算能力の高い計算機で動かし、ラップトップPCやモバイル端末などからアクセスして操作することができる。

プログラミング環境の再利用

違うPCで作業すると、毎回初期設定が面倒だが、据え置きのローカルPCに環境を容易し、別端末で RStudio Server を通して R を操作すれば、ローカルPCを変えない限り、常に同じ環境を利用することができる。

リモートデスクトップよりも快適

リモートデスクトップでも同じ事ができるのでは?と考えがちだが、動作機序が違うので、リモートデスクトップよりも快適に作業できる。

リモートデスクトップだと常にリモートされた映像を受信しつつ、ローカルでのマウス操作やキー入力を送信することになり、どうしてもラグが生じる。

一方、RStudio Server はブラウザからアクセスし操作し、クライアントではローカルのブラウザに表示された画面上で、スクリプトの編集やコードの実行指示、結果の確認を行う。

このため、キー入力やマウス操作などはローカルで完結しており、リモートデスクトップよりもかなり快適な動作環境となる。

ローカルで仮想環境を構築する

RStudio Server は、Linux で動く。

私の使っている OS は Windows なので、仮想環境を作って Linux を入れ、そこに RStudio Server をインストールする必要がある。

今回は下記の方法で環境構築を行う事にした。

  • ローカルサーバのスペック
    • OS: Microsoft Windows 11 Pro
    • System Type: x64-based PC
    • Processor: Intel(R) Core(TM) i7-7800X CPU @ 3.50GHz, 3504 Mhz, 6 Core(s), 12 Logical Processors
    • Total Physical Memory (RAM): 63.7 GB
    • Total Virtual Memory 73.2 GB
  • 仮想マシン:Hyper-V
  • 仮想環境OS:Ubuntu 22.04

 

で、今回踏んだ手順はざっくりと下記のような感じ。

RStudio Server を構築するまでの手順
  1. 仮想マシンの構築と OS (Linux) のインストール
    1. Hyper-Vの有効化
    2. 仮想マシンにUbuntuをインストール
  2. UbuntuにRをインストール
  3. UbuntuにRStudio Serverをインストール

    Hyper-V の有効化と Ubuntu のインストール

    Hyper-V の有効化と Ubuntu のインストールについては下記参照。

    R と RStudio Server のインストール

    下記サイトに方法が掲載されている。

    Step 1: サーバーを選択。今回は Ubuntu を入れたので、Debian/Ubuntu タブから Ubuntu 22 を選択。

    RStudio-server-1

    Step 2: Rのインストール。Ubuntu Package for R を選択。

    RStudio-server-2

    すると、R の Ubuntu Packages についてのインストラクションのページに飛ぶ。

    このインストラクションに沿って、まず R をインストールする。

    R のインストール

    Hyper-V Manager → 仮想マシンの Ubuntu 22.04 LTS に接続 (ユーザー名とパスワードを入れる)。

    "CTRL + ALT + T" でターミナルを開く。

    RStudio-server-3

    下記コマンドを入力していく。

    # update indices
    sudo apt update -qq
    # install two helper packages we need
    sudo apt install --no-install-recommends software-properties-common dirmngr
    # add the signing key (by Michael Rutter) for these repos
    # To verify key, run gpg --show-keys /etc/apt/trusted.gpg.d/cran_ubuntu_key.asc
    # Fingerprint: E298A3A825C0D65DFD57CBB651716619E084DAB9
    wget -qO- https://cloud.r-project.org/bin/linux/ubuntu/marutter_pubkey.asc | sudo tee -a
    /etc/apt/trusted.gpg.d/cran_ubuntu_key.asc
    # add the R 4.0 repo from CRAN -- adjust 'focal' to 'groovy' or 'bionic' as needed
    sudo add-apt-repository "deb https://cloud.r-project.org/bin/linux/ubuntu $(lsb_release -cs)-cran40/"
    

    R-base のインストール

    sudo apt install --no-install-recommends r-base

    CRAN Packages のインストール

    sudo add-apt-repository ppa:c2d4u.team/c2d4u4.0+

    アプリ一覧をみると、Rがインストールされていた。

    RStudio-server-4

    RStudio Server のインストール

    引き続き、ターミナル画面に、下記コマンドを入力していく。

    sudo apt-get install gdebi-core
    wget https://download2.rstudio.org/server/jammy/amd64/rstudio-server-2023.03.0-386-amd64.deb
    sudo gdebi rstudio-server-2023.03.0-386-amd64.deb

    これで、RStudio Server もインストールされた。

    RStudio-server-5

    RStudio Server へアクセス

    Local PC からアクセス

    Ubuntu の画面のWebブラウザ (Firefox) を開き、アドレスバーに下記を入力する。

    http://localhost:8787

    Ubuntuのユーザー名とパスワードを入れると……

    RStudio-server-sign-in

    RStudio Serverの画面が出てきた。

    RStudio-server-6

    他のデバイスからアクセス

    他のデバイスからアクセスする場合は、"localhost" の部分に RStudio Server を導入したサーバーの IPアドレスを入力する。

    http://[IPアドレス]:8787

    IPアドレスは、ipコマンドを使って確認する。

    外からアクセスするためにはポートやファイアウォールの設定変更が必要。

    References

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