死んだらどうなるか

少し前、長男(10歳)が学校に行けなくなり、数日間学校をお休みしました。

いじめにあった、というわけではなく、ただ涙が止まらなくなり、授業を受けられる状態ではなくなったのです。

なぜ涙が止まらなくなったかというと、

「お母さんが死んでしまったら、もう一緒に過ごして話したりできなくなる。」

と考え始め、悲しみを振り払えなくなったとのこと。

 

 

ある日の事、彼は自分の部屋を整理している時に、1枚のメッセージカードを見つけました。

そのメッセージカードは、私が彼の10歳の誕生日に手渡したものです。

俗に言う「母親が自分の子供の10年を振り返り、彼の明るい未来を願う、個人へ向けたメッセージ」という感じなのですが、

息子はその文面を読み返してから上記の考えが湧き上がってきて、感情をコントロールできなくなりました。

 

その日一日は、私も仕事を休み、彼と一緒に過ごしました。

 

 

次の日、息子が考えていたことは、

「両親はこの瞬間にも年をとっていき、いつかは別れなければならない」

という事でした。

その日も彼は朝からずっと泣いていて、学校を休みました。

 

担任の先生に欠席の理由を連絡すると、

学校のスクールカウンセラーに連絡をとってくれました。

その日の午後、

彼はスクールカウンセラーとZoomで話し、色々とアドバイスを受けました。

 

 

次の日彼は学校に行き、授業を受けることができましたが、彼の悲しみは続いていました。

彼はスクールカウンセラーに伝えました。

「今日ネットで調べて、僕の人生はだいたい30,000日しかないって知った。

30,000日が長いのはわかっている。

でも僕には短い。

どうすればいい?」

 

 

その後も、彼の悲しみは続きます。

「僕は家族が大好きだけど、いつか死んで離れ離れになる。

死んだらどうなる?

次に生まれ変わるまでの間の待機ルームみたいなのがあって、

一定期間そこで過ごしたら、今度は別の生物に生まれ変わるのかな?

みんな一緒に死んだら、待機ルームでも家族と一緒に過ごせるんだろうか?

でも、その後は?」

 

彼は、毎日のように 「死と別れ」についての質問をしてきます。

このような疑問は、私も子供の頃に持ったことがあります。

けれども私はそれ以上は深く考えず、受験勉強や人生勉強などに忙殺されて、そこまで制御不能に陥る事はありませんでした。

そのため、次々と湧き上がる彼の疑問の答えと言えるものを、持ち合わせていませんでした。

 

彼は以前日本にいたときも、渡米後の生活に対する不安が強くなり、数週間学校に行けなくなった事がありました。

感受性が強くて、辛い気持ちを抱えやすいんじゃないかと思います。

また、COVID19による自宅待機で暇を持て余す時間が増えた事も原因の1つかもしれません。

 

毎日が充実し、最期の瞬間まで「生きてきてよかった」と思えるよう、

一日一日を大切に過ごしてもらいたいと思いますが、

思うだけでは状況を変えることはできません。

 

 

アクションプランの1つとして、長男に私の仕事を手伝ってもらいながら、彼と一緒に過ごす時間を増やすようにしました。

 

また、私は最近「0秒思考」という本に載っているA4メモ書きという方法を継続しているのですが、

この方法は長男の悶々とした気持ちを整理するのにも効果があるんじゃないかと思い、

長男の思いつく不安や課題について、1分間測りながら二人でA4用紙にひたすら書いていく事にしました。

まだ完全に効果が出ているとは言えませんが、書いた後は「ちょっと落ち着いた」と言ってくれるので、しばらく二人で継続する予定です。

 

あとは、「彼の不安に応えてくれるようないい本があれば……」

と思っていくつか探しましたが、今のところ、長男の心に届きそうな本には出会えていません。

しばらくは、彼と一緒に「生と死について」考える日々が続きそうです。

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