ここ3週間ほど、ほぼ毎日、異様に疲れを感じていて、
特に、夕方、晩御飯を作っている時など
「体がいうことをきかない…」
としんどくなることが多く、困っています。
「足に乳酸が溜まっているわー。」
と表現する、あの感じ…
そんな今日び、
「そういえば、ちょっと前に疲れの脳内メカニズムについて調べた論文が出てたなー。」
と思い出し、読んでみました。
アメリカ・ジョーンズホプキンス大学のChibらの研究グループから発表された論文です [1]。
Fatigue influences our choices to engage in physical activit…
疲れている時、脳内では…
著者らは、18ー34歳(平均24歳)の被験者(n = 20, female = 9)に「疲れ」を感じさせる作業を課し、
その後、別の2種類のタスクのどちらかを選択させるようにしました。
1つは、高い労力が必要となるリスクが高いけれども、コインの表裏の出方によっては労力ゼロでOKとなるタスク。
もう1つは、ある程度の労力を要するけれども、その程度は予め決められているタスク。
結果、「疲れ」を強く感じていた人は、より後者(予め決められているタスク)を選び、「労力を要するタスク」を課されるリスクを避ける傾向となりました。
彼らは、この被験者達の機能的MRI(fMRI)を撮影し、選択決定時の脳機能を調べました。
被験者が2つの選択肢のどちらかを選んでいる間、島皮質(Insula)や前帯状回(ACC)の神経活動が亢進し、これは既報と一致する結果でした [2, 3]。
彼らはさらに、被験者が疲れている時のfMRIを調べ、
疲れている人がタスクを選択している間、運動皮質の神経活動が低下し、体を動かす筋肉へのシグナルが低下している事を明らかにしました。
運動皮質の神経活動低下が少なかった人たちは、よりリスクの高いタスクを選択していました。
さらに、彼らは被験者の筋電図(EMG)を計測することで、実際の筋肉の疲れの度合いを調べました。
疲れによる筋活動の低下は、fMRIでの運動皮質の神経活動の低下と相関を示し、
実際の体の疲れが脳に働きかけ、これ以上労力の高い作業をしないよう調節している可能性が示唆されました。
…という論文で、
「疲れているから◯◯したくない」
という、多くの人達が持つあの感情を、
頑張って科学的に調べた感じの内容でした。
疲れている状態で頑張り続けると、
乳酸が溜まりつづけたりetc.
体に悪い事は必至なので、
うまいこと体と脳で連携し、
過労による健康障害を防ぐ仕組みになっている様子。
このリミッターを外してしまうと、
過労死などにつながるのかもしれません。
疲れている時は、
「何もしたくない」
という感情に従い、
しっかり体を休めた方がよいということでしょう……
References
- Hogan PS, Chen SX, Teh WW, Chib VS. Neural mechanisms underlying the effects of physical fatigue on effort-based choice. Nat Commun. 2020;11(1):4026. Published 2020 Aug 12. doi: 10.1038/s41467-020-17855-5
- Meyniel, F., Sergent, C., Rigoux, L., Daunizeau, J. & Pessiglione, M. Neurocomputational account of how the human brain decides when to have a break. Proc. Natl Acad. Sci. USA110, 2641–2646 (2013)
- Meyniel, F., Safra, L. & Pessiglione, M. How the brain decides when to work and when to rest: dissociation of implicit-reactive from explicit-predictive computational processes. PLoS Comput. Biol.10, e1003584 (2014).
