親としては、自分たちの子どもを分け隔てなく育てたいもの。
けれども、実際には、片方の子どもを贔屓してしまう……ということは、よく起こっているようです。
今回、アメリカ・Brigham Young大学(BYU)のDr. JensenとDr. Jorgensen-Wellsは、この問題について、メタ分析を行いました。
This large-scale meta-analysis found that parents may be inclined to provide relatively favored treatment to daughters, conscientious children, and agreeable children. Parents may also be inclined to give more freedom and autonomy to older siblings. Parents and clinicians should be aware of which children in a family tend to be favored as a way of recognizing potentially damaging family patterns.
親は片方の子どもを贔屓しやすい
彼らは、これまで報告された論文のデータを基にマルチレベルメタ解析を行い、親が子どもを贔屓する条件を解析しました。
その結果、以下のようなことがわかりました。
- 自主性とコントロールを基準とした贔屓:
- 年下の兄弟姉妹は、親からより好意的な扱いを受ける傾向がある。
- 年上の兄弟姉妹は、成長するにつれてより多くの自主性が求められ、親からの干渉やコントロールが少なくなる傾向がある。
- これは、伝統的な家族の期待や兄/姉の役割が影響している可能性がある。
- 性別による贔屓:
- 娘の方が息子よりも贔屓される傾向がある。
- 性格の影響:
- 誠実性が高く、協調性のある子どもがより贔屓される傾向がある。
- 特に、誠実な子どもは親との対立が少なく、そのことがさらに贔屓の度合いを高める可能性がある。
- 影響を与える要因:
- どの子を贔屓するかは、親の性別や年齢、育児の特定の領域(例:自主性、対立)によって変わる。
My View
子を持つ親としては、ショッキングな結果ではありますが……現実としてそのようなことも多いのでしょう。
著者らは、「この結果を報告して親に警告したい」というわけではなく、
「こんなことが起こり得るから、子どもの誰かから『不公平だ』という声が上がったときには、自分の言動を振り返ってほしい」
と述べています。
……私も、心に留めておこうと思います。
Reference
- Jensen AC, Jorgensen-Wells MA. Parents favor daughters: A meta-analysis of gender and other predictors of parental differential treatment. Psychol Bull. 2025 Jan 16. doi: 10.1037/bul0000458. Epub ahead of print. PMID: 39818912.