mice

アメリカの今のアパートに引っ越してきて、4年目に突入した頃のある日の事。

夕方リビングでテレビを見ていた次男(当時6歳)が、

「僕、今、ねずみさんを見た気がする。」

と、話しかけてきました。

次男の目撃情報はあまり信用されず

「え?」

一同はびっくり。

私も夫も、もちろん子供達も、生まれてから今まで、自宅でネズミと出会った事はありません。

その時は次男が小さかった事もあり、

「そうかも……でもそうじゃないかも……」

と、みんな半信半疑でした。

私も目撃……でも信用されず

ところがしばらくして、私が午後9時ごろにダイニングに座って一息ついていると、

眼の前にサササっと動く黒影。

―― ネズミだ!

私は慌てて先に寝ていた夫を起こし、二人でダイニングに確認しに行きました。

けれども、彼(彼女?)は、既にどこか身を潜められる場所に移動してしまっていました。

 

「本当にネズミだったの?何かの見間違いだったんじゃないの?錯視の可能性も……」

自分の目で見たものしか信じない夫は、次男と私という2人の目撃情報があってもほとんど信じてくれません。

結局私の勘違いの可能性もある……という言い方をされてこの話題は終了しました。

 

それから数日後、まだあたりが暗い午前4時ごろ、私がお米を研いでいると、視界の左側にサササっと動く黒い影。

「もう絶対ネズミ!」

私は書斎で仕事をしている夫を呼びました。

 

……けれども、今回も現場を押さえる事ができませんでした。

私の中では100%近く確信があったのですが、

今のところ、2人の目撃情報だけで、他に糞や食料を食べられた形跡などがなかったため、

「本当にネズミだったかもしれないが、そうでなかった可能性も否定できない。」

という50:50くらいの判定という形で押し切られてしまいました。

 

「それに、万が一ネズミだったとして、そんなの怖くないでしょ?ほぼほぼ毎日動物施設でマウスと戯れてるし、サクっとサクったりしてるじゃん。まあ、これが本当のwild-typeだね。」

……それはそうなのですが、動物施設のケージの中に入れられているマウスと、呼んでもいないのに自宅に勝手に入り込んできたマウスとはわけが違います。

SPF化されておらず、厳しい自然界を生き抜いているマウス達……噛まれたり、食物が汚染されたりしたら、どうしたらよいかわかりません。

現場を押さえたのは……

それから数週間が経ち、これといって追加の目撃情報もないまま日常を送っていたある日の事。

土曜日にラボで仕事をしていた私の携帯に、一通のメールと写真が届きました。

そのメールは自宅で子供達をみていた夫からで、一言、

ねずみを捕まえました。妊娠していたので庭に離しました。

mice

「え、どーゆー事?」

私は驚き、夫の携帯に電話をかけました。

 

「捕まえたの!?」

「うん、凄いでしょ。」

「どうやって?」

「手で。」

「は!?」

「一応軍手したし、噛まれていないから大丈夫だよ。」

 

 

家に帰って詳しく話を聞くと、子供達とリビングで遊んでいた時、マウスが目の前に出没し、ヒーターの裏に逃げ込んだので両端から追い詰めて手で捕獲したとのこと。

「日頃からマウスを手の上に乗せてるからね。彼らの気持ちがわかるんだ。でも妊娠してたし、そのままみんなで庭に行って、離してあげたよ。」

確かに、写真の中の彼女のお腹は大きく膨らんでいて、明日にでも出産しそうな感じです。

私が見たネズミはもっと小さかったと思うのですが、彼女が妊娠して大きくなっただけかもしれないし、このまま様子を見ることになりました。

 

「まあでも、1匹いたんだったら、もう絶対、何匹かはいるよね。この部屋が通り道なのか、住んでいるのかはわからないけど。」

「そうだけど、どうしようもないよね。罠か毒を仕掛けるか、猫を飼うか……。」

……結局、Amazonでピーナッツバター風味のワーファリン入りクッキーを買い、ネズミ達が出没した場所を中心に置いていきました。

後日、彼らが食事をしていた痕跡を発見

それにしても、ネズミがいたのは確実でしたが、どうして糞や食料をかじられた跡などがなかったのでしょうか?

不思議に思っていると、長女がいいました。

長女「そういえば、時々子供部屋でガサガサってお菓子の袋を開けている感じの音がしてたよ。」

「え?いつ頃?」

長女「うーん、夜寝ようとしている時。」

 

彼女が音を聞いたという場所を探索してみると……

小さな棚の後ろに去年のハロウィンでもらったお菓子達を入れたバッグが落ちていて、中のお菓子達が見事に食い荒らされていました。

「なんでこんなところにお菓子が落ちてるの?」

長女「本当は棚の上に置いてたんだけど、後ろに落ちて、手が届かなかったからそのままにしてたの。」

 

なんと、ねずみさん達は、私達に見つからないように気をつけながら、ちゃんと食事にありついていたようです。

「まあ、この様子だと、何匹もいるんだろうね。」

 



結局、付かず離れずのルームメイトに

こうして、私達家族とねずみさん達との戦いは幕を開けた……わけですが、

時々「夜中に来たんだろーなー」という痕跡を台所で発見するものの、彼らは私達の食料品には手をつけず、ウロウロしていただけ、という感じです。

向こうも道理をわきまえてる……ようなので、こちらもあまり強硬手段には出ないまま、もうすぐ退去の日を迎えます。

 

さよなら、小さなルームメイト達。

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